■5話■
「その娘の年齢は?」
「今年二十歳になります」
「むむむ」
「なにがむむむだ。ホビット族は年齢よりもだいぶ若く見えるのだぞ。それに、人間よりも長生きだ。人間に換算すればこやつも少女じゃろう」
「目から鱗がでた。まだ人間の価値観を捨て切れていないようだった。しかしもう迷わない!見た目が12歳以下ならそれでいい!」
「というか、おぬしのストライクゾーンは12歳までなのか」
「ちなみにフレアちゃんはどストライクです」
「だから、そのようないやらしい顔をわらわに向けるでない。村長や、そこなホビットの少女を連れていく、その者に旅の支度をさせよ」
「ぃぃいいいいやっっほぉぉおおおおおおぅうううう!!さすがフレアちゃん。
命令とあらばフレアちゃん尿すら飲みます」
「誰がそんな命令するか!そこな娘、名を何と申す?」
「ペルシーっていいます!魔王様!えっと…」
「ロリコーン伯爵です。ホビットのお嬢さん。魔王様と世界の美少女達の下僕でございます」
「そやつは幼い少女にしか興味のない変態じゃ。気色悪いと思うが、わらわの配下ゆえ仲良くしてやってくれ」
「あ、はい!」
「魔王様、旅立たれるのは明日にしてはいかがでしょうか?今夜はお疲れかと思いますので、どうぞお休みになってください。寝床はご用意しました」
「ふむ、そうするか」
そうして、ホビットの用意したベッドにもぐりこんだ。低い天井の下、3つつなげたベッドにフレアは横になり、ロリコーンももぐりこんだ。
「おぬしのベッドは向こうに用意されておったぞ。なにゆえわらわのベッドにもぐりこむ。狭いであろう」
「こうしているだけでも魔力がどんどん回復するのです。フレアちゃんを守る為にもこうして力を蓄えさせてください」
「そう言われると拒否できぬのう。まあよいわ、よきにはからえ」
「はぁ、ぺろぺろ」
「っ!抱きつくのは構わんが、首筋を舐めるのはやめろ」
さわさわ。
「んっ、あ、明日はすぐに出発するからのう、おぬしもはやく休め」
翌日、旅装を整えたホビットの少女ペルシーは、フレアの泊った家の前で待っていた。
軽い朝食も御馳走してもらい、ホビットの村の全員が見送りを背にスダドカ国を目指して歩き始めた。