■3話■
ロリコーンは他にも魔法を試そうとしたが魔力が尽きてうまくいかなかった。
「そなたが使った2つの魔法は、この世に存在せなんだものじゃろう。
つまり今しがた創った魔法じゃ。魔法を新しく創造するのは尋常じゃない魔力を使うのじゃ。
あまり気軽に魔法を創らん方がよいぞ、魔力がいくらあってもたりん。
そなたはかなりの力を持っておるが魔力は無尽蔵ではない。しばらくは節約するようにせよ」
「くそっ、先にエロい魔法を創るべきだった」
2人はさらに森の奥へと歩き続けた。
次第に日は沈み、森に闇が増していった。
「腹減ったな」
「そうじゃのう、魔力も少ないしちゃんと食べ物を食べたほうが良いじゃろうな」
「遠くに生き物の気配がするな。仕留めてくる」
「うむ、気を付けてな。わらわは薪を集めて火をおこしておこう」
そう言うと、ロリコーンは体を僅かに地面から浮かせ、音を立てずに気配のした方へと進んで行った。
ほんの少しして、ロリコーンはフレアのもとへ帰ってきた。
フレアは薪を集めているところだった。
「なんじゃ、逃げられてしもうたのか?」
「いや、小さい人型の生き物がいたんで、こっそり後を付けてみたらそいつらの住処があった」
「ふーむ、小人族かのう、人間でないなら我に友好的な態度をとってくれぬやも知れぬ。よし、そこへ案内いたせ」
すっかり辺りも暗くなり、辺りが闇に包まれたころ、遠方に小さな光が見えた。
近づいてみると、木と泥で出来た円柱の家らしきものの窓から光が溢れていた。
外には大きな切り株に食べ物を並べ、細長い丸太を横にしたものに小人が座って食事をとっていた。
「あれはホビットじゃのう」
「あ、あの方は!」
「ま、魔王様!!」
「フレアの事を知っているみたいだな」
そういうと、外で食事をとっていたホビット族がこちらへやってきた。そのうち1人は
他のホビットの家に周りフレアの来訪を知らせて回っているようだ。
しばらくして、そこで暮らすホビット族のほとんどがフレアの前に集まった。