■26話■
「で、これを押して、ここの表示項目の使用者のMPと最大MPにチェックをいれてと」
「はい、ペルシーお姉ちゃん。左下の数字がそうだよ。左がいまの魔力量、MP。右が魔力容量、最大MPね。部屋とか作る時は今“点”になっているところに消費MPが表示されるよ」
[・/39/40]と表示されていた。
「MP40…。これってどうなの?」
「かなり高いんじゃないかな?ホビットって魔法得意な方だし」
そういって、レンセルは石版を持った。
[・/3/4]と表示されている。
「オークは、魔法苦手だからね。だいたいこんなもんだよ。オークの平均はだいたい5、人間やホビットは10ぐらいって聞いたな」
「ロリコーンさんも早く持って見てください!」
「俺も測るの?なんか見られたくないような」
「なんですか?出し惜しみですか??さっきすごい消費MPを普通に払えた癖に!ほら、持ってください」
ペルシーはロリコーンの魔力容量たる最大MPがどんなもんか気になってしかたなかった。
ロリコーンは渡された石版を持ち左下の数値を見た。ペルシーやオークの兄妹も興味津津で覗いている。
「うわっ、まじですか」
[・/131/1302]と表示されている。
「なというか、桁が違うな」
「ロリコーンお兄ちゃん、どんだけ魔力もってんの!」
「俺も今初めて知ったけど、魔力のポテンシャル高かったんだな」
「ロリコーンさん、すごい魔法使いとかになれるんじゃないですか?」
「うーむ、でも使える魔法は今のところ2つだけなんだけど」
「ものすごく勿体ない気がします。早く他にも魔法を習得してください」
オークの兄妹のロリコーンを見る目が少しだけ憧れを帯びていた。オークはほとんど魔法が仕えないため、魔力よりも膂力の強さが尊ばれるが、それでもこれだけの魔力は膂力でどうにかできるレベルでは無かった。ある程度の魔法使いは力押しで倒せる自信があるオーク達だが、ここまでつきぬければ普通は勝てるわけがない。結局のところ腕っぷしより単純な強さこそが、オーク達の価値基準である。そのため、なんとなく見た目で侮っていたロリコーンの魔力を目撃したことで激しく見直したというわけだ。
「まあ、とりあえずベッドとタンスとその他の調度品を作った部屋に持ち運ぼうぜ。オーク兄妹も手伝ってくれないか?」
「「アイアイサー!ロリコーン様!」」
「様?!」
そう言って、小さくても力はロリコーン達の何倍も持つオークの兄妹は、ものの数分で運び終えてしまった。魔王の座が少しさびしくなったので、まがまがしい飾りを追加した。又、新しい部屋はまだまだ余裕があったので、適当にソファーやテーブル、本棚なんかを追加し、ゆったりくつろげる空間を演出してみたりした。
4人は部屋と倉庫を何度も往復した。オークの兄妹もロリコーンを尊敬するようになったため、手足のように家具を運んでくれた。
おかげでペルシーとロリコーンが気にいるまで、なんども模様替えがなされた。
しばらくして、フレアが戻ってきた。