■23話■
「この絨毯なかなかいいな」
「このテーブル重いです」
「渋いタンスだ。ペルシー一緒に運ぼう」
「わー、この箱奇麗ですねー。宝箱ってやつでしょうか?」
「宝箱も持っていこう。魔王の部屋にはよく似合いそうだな」
「豪奢なカーテンですねぇ。これも持っていきましょうか」
「!!ペルシーちょっと来てくれ」
「!!これは!」
「王座だ。これを部屋の一番奥に配置すれば…」
「魔王の椅子ですね!フレア様にぴったり!」
「そうだ。ついでにこの飾り用の鎧2つを椅子の両サイドに置こう」
「いいですねぇ!」
そんなやり取りをしながら、ロリコーンとフレアはいそいそと家具を持ちだし、あてがわれた部屋に配置していった。途中で、ガンゼルの子供も手伝いに加わってもらい、内装の彩りを増していく。
「うーむ、魔王の間にベッドはちょっとあれだな」
「いろいろ置くと少し手狭になりますねぇ」
「まぁ、居候だから仕方ないか」
「部屋を改造したいんだったら、『ダンジョン作成キット』を使うといいよ」
そう徐に提案したのはガンゼルの子供、ベンゼルだ。彼は、ロリコーン達が、家具を運んでいるところを見て手伝いを申し出てくれたのだ。
「おお、なんぞそれ。名前だけでなんとなくわかるけど」
「む、なにやらわくわくする名前ですね!」
「一応聞くけどどういうアイテムなんだ?」
「部屋を作れる魔法のアイテムだよ!といっても使うのに魔力を消費するから、魔力ないと使えないけどね」
「んー、あれでもオークって魔法使える種族でしたっけ?」
「あんま得意じゃないし俺も使えない。でもロリコーン兄さんなら使えると思うよ!」
「とりあえずそのアイテムをとりに行こうぜ」
「分かった!」
3つの倉庫はそれぞれ家具や調度品が置かれる部屋、生肉や穀物、果物などが貯蔵される部屋とアイテムが保管されている部屋に分かれていた。
「だいたいマジックアイテムの類はここに仕舞ってあるよ」
「ほほう」
「珍しいものがいっぱいですね、眺めているだけでも楽しくなっちゃう」
「あった、これだよ」
それは、平べったい石の板で、広い面と、小さい面にそれぞれに一粒の宝石が埋め込まれていた。
「どうやって使うんだ?」
「この宝石の所に魔力を注入するって言ってた」
「こうかな?」
ロリコーンは、広い面に嵌めこまれた深い青の宝石になんとなしに魔力を込めてみた。
すると、宝石から光が中空さし、映像が映し出された。
「おおお!立体映像か!すごいな」
光が収束し、やがで文字や図形が現れ出した。文字は見たこと無いものだったが、ロリコーンは何が描かれているのかなんとなく理解できた。
「タッチパネルの立体版って感じか」
空中の図形をロリコーンは指先ですいすい動かしてみた。
また、立方体の頂点をスライドさせて、その形をいじったり頂点を増やしたりしてみせた。
「面白いですねぇ。私にもやらせて下さい」
「どうぞ」