■13話■
ここでも和やかに見送られて、ここから一番近いという迷宮ゲートウェイを目指した。
途中同じ場所を目指す人間の冒険者がちらほら見え始めたので、フレアにフードを被せて羊の角を隠した。
ロリコーンもフレアも人間とは異質の魔力を備えていたが、ある程度魔法に詳しくないと気配だけで見破られることはないようで、亜人や小人達よりもよほど人間に容姿が近い為、警戒されることはなかった。もっとも魔物を連れていたのでそれが原因で警戒されることはあった。
「あんたも迷宮ゲートウェイの攻略にいくのか?」
ロリコーンはドワーフの村で貰った小さな酒瓶を渡しながら気さくに冒険者に話しかけた。
「ああ、久しぶりにな、んー、この酒ドワーフの造ったやつだな、うめぇ」
「初めてじゃないのか?」
「まあな、普段はいろんな迷宮を回っているんだが、金が尽きかけたらいつもゲートウェイに来る。俺はここが得意でな、地下5階までなら安全に行く方法を身につけてる。その階で精製されるアイテムが結構高値でうれるんだ」
「地下5階か、その迷宮ってどれぐらいの大きさなんだ?」
「地上2回、地下10階と言われているな。地下8階以下は迷宮の主とその眷族が支配しているらしい。
入口は地上1階にある。2階にはよく行商人が店を開いているな。迷宮に挑戦する冒険者がそこで準備を整える。迷宮の入り口付近はよく中から魔物が這い出てきて荒らしまわるから人が落ち着ける場所じゃないが、2階はほとんど荒らされないな。
なんでもそこの支配者たちもたまにそこで買い物するんだとか」
「へぇ、面白いなそれ。しかし、その商人の御蔭で準備万端の冒険者に地下8階より下まで攻略されたらどうするんだ?」
「そんな甘くないぞ迷宮は。攻略されない自信があるんじゃないか?やつらには。
それに攻略されないのであれば迷宮を訪れる奴が多い方が魔物どもにも都合がいいと聞いたな。餌が増えるからだと思うが別の理由もありそうだな。じゃなければわざわざ貴重なアイテムを同じ場所に配置したりはせんだろう」
「ふむ、そのアイテムはそこに誰かが配置したものではないのう。迷宮が陰の気を吸って造り出したものじゃ。そういう魔法的な機構が迷宮に組まれておる」
「そういえば、嬢ちゃんの乗っているそれってオルトスじゃないか?あとずっと近くで飛んでいるゾルキラービーもひょっとしてあんたらの連れなのか?」
「そうだ。この子はチャームの魔法が得意でな、この程度の魔物なら支配できるんだ」
フレア達は予め、魔物との関係を言い合わせておいた。魔物を飼いならすことはほとんど不可能だがチャーム系の魔法によって使役する人間は少ないが存在する。ただ、かなりレベルの高い魔法使いであるらしい。
「ほう、こんな小さい子が。まぁ、ああいう上位の魔法は訓練でどうにかなるものじゃないからな、この子は才能あるんだろう。死なさないようにしっかり守ってやれよ」
「もちろんだ」
3人とビッグと名乗った冒険者は雑談しながら迷宮へ歩みを進めた。他にも同じように迷宮を攻略するらしい1人の女性ダークエルフと合流した。彼女はどうもフレアの事に気付いたらしかったが、ビッグが俺達の代わりに説明すると、問いただそうとせずに、そのまま一行に混ざった。




