うっひょおー異世界にきたぜ。テンション上がるなぁー
ちなみにクプラの名前はプラグから来てます。
え?別に聞いてないですかそうですか。
ここは俺がいた迷宮にほど近い街の宿屋。
「んっんん、、、」
「ちょっ変な声出すな!」
俺たちはあの後、無事に迷宮から脱出し、とりあえず宿屋で身を休めていた。
そこでクプラが俺を誘惑してきて、俺はやれやれ、モテる男は辛いぜとばかりに人肌脱いだ———わけではない。
「うむっん。ちょ、くすぐったい。もっと出力上げてくれ」
「はあ?さっきは下げてって言ってたじゃん!」
宿屋に着いた時、俺はあることに気づいたのだ。そう、充電が若干減ってる。
俺は恐怖した。
だって充電のないモバ充って、なんかダメじゃん!ただのモバじゃんそれ!充要素ないじゃん!
というわけで電撃魔法でなんとか充電を回復しようとしていたところだったのだ。
ただ強すぎてもおれがこわれりゅぅぅーー(ショート)ってなるし、弱すぎるとくすぐったいだけで充電できてないしでなかなかうまく行ってない。
「さっきのは強すぎたんだよ!今のは弱すぎる!」
「えー?じゃ、これ、くらい?」
「のほおおおおお!!電圧おっきしゅぎるうううううう!」
「ちょっ!だから変な声出さないでって、熱ッ!」
結局電撃魔法で充電するのは無理そうということが判明した。
充電なくなった途端に死亡判定になる、とか。そこまで行かなくても充電が一回切れると記憶とか人格がリセットされちゃう、とかないよな?
もしそうなら今こう考えてる俺が既に何周か人格をリセットされた後だったりして、、、。
ってこんなことをこのまま考えてると自我が崩壊しそうだったのでやめることにした。
「私って結構魔力操作は上手い方だから、私が無理ならそうそうできる人いないと思うけど」
「マジか、、、あちょっと強く」
「むむむ」
ただ俺は本能レベルで充電がなくなるとヤバい、ということを理解している。
ヤバい!説明不要!って感じでひしひし危機感を感じるのだ。
これはもう感じる、としか言えない。
いま目の前にコンセントが現れたらプロポーズするかもしれん。
とりあえず当初の目標は充電方法を探すことだな。手回し発電機でもクプラに作ってもらうか、、、?
「んほおおおおお!!」
「ちょっと!だからそれやめて!なんか変な勘違いされそう!」
翌日。
俺たちは街へ磁石と銅線を探しに出かけることにした。
確かコイルを作ってそれを磁石に近づけたり遠ざけたりするんだ。だから、磁石を外側にコイルを内側に置いてぐるぐる回すと、磁石にコイルが近づいたり離れたりするのと同じことだから電気ができる、と。
歯車を入れて回転数を調整すれば電気の発生量もそれなりにコントロールできるだろう。
少なくとも電撃魔法は刺激が強すぎた。トンデモ媚薬を飲まされた女スパイの気持ちを体験できた気がする。
ちなみに宿屋を出る時、クプラは女将さんに大人な一人遊びをしていたのかと勘違いされていた。
うん。なんかごめん。
「あー無理。あの宿屋もう使えない、、、。」
「ま、まあ最終的には俺がしゃべって見せたから大丈夫だろ」
クプラは熱くなった顔を手でパタパタ仰いでいる。俺たちは宿屋から出て町の大通りを歩いていた。
ていうか異世界の人々顔面偏差値が高すぎる。右見たら美女。左見たらイケメン。走り回っている子供もみな鼻筋が通った整った顔つきばかりだ。
「えっとそれで鉄を引きつける鉱物と銅線?銅線は鍛冶屋に行けばあるかもしれないけど、鉄を惹きつける鉱物なんて聞いたことないけど」
「羅針盤ってあるだろ?あれの針の材料だよ」
「あ、そうなの?でもなんでそれで北を向くわけ?」
「うーん。もしかしたらこの世界だと魔法で北を刺してたりするのかもしれん。ていうか、魔法がある時点で物理法則にそこまでの信頼が置けないんだよな、、、」
ちなみに異世界の人ってみんな顔面偏差値高すぎない?と話をしたらクプラには不思議そうな顔をされた。「別に普通じゃない?少なくとも私の好みじゃないけど」とのこと。こいつはもしかしたら異次元の面食いなのかもしれん。
結局わざわざ出向いて行ったのにも関わらず鍛冶屋は休みだった。しょうがないのでダラダラだべりながら俺たちは元来た道を戻ることにした。
「ねえ元の世界ってどんな感じなの?」
「別に。魔法も迷宮もないしつまんないとこだったよ。ただまあ高い建物がいっぱいあったな」
「へぇ。魔法もないのに高い建物なんて建てられるんだ。お城よりもおっきいの?」
「この世界のお城がどれくらい高いかはわからないけど。普通の人が住める家でも10階建てぐらいは普通にあったな。部屋がたくさんあって、それぞれ
別の家族が住んでいるんだよ」
「10階建てね。想像もつかないなー」
この世界には魔王がいるらしい。
割とイメージ通りに辺境の廃城に住んでいて、手下を引き連れてこの国と散発的に争っているという。
別に魔物の元締めとかではなさそうだが、魔法がめちゃくちゃに上手いらしい。
クプラのおばあちゃんの時代から生きていたらしいが、それって今既に相当なお歳じゃないだろうか。
「でも魔王の見た目はもう80年くらいは生きてるはずなのに20代後半くらいの普通の若者なんだって」
「やっぱイケメンなのか?」
「そう思ったんだけどねえ。どうも本当にごく普通の街の人みたいな顔だって」
だが、待ってほしい。それこの世界基準の普通の顔でしょ?それ俺からしたら普通に芸能人レベルのイケメンなんだよなぁ。
「なるほど。質問なんだが、あの八百屋のにいちゃんの顔、どう思う?」
「えっとどれ?」
「あの赤いバンダナのシュッとしたにいちゃんだよ。りんご持ってる」
俺的にはあのバンダナにいちゃんはかなりのイケメンだ。ぶっちゃけ前世では画面の外ではお目にかかったことがないレベル。
「え?あれ?あんた目腐ってるの?ていうかなかったわね、目」
そう。こんな反応なのである。こいつは理想が高すぎるんじゃないだろうか。もしかしたらソロ活動をしているってことにも何か関係があるかもしれん。
その日は結局そのまま宿に戻った。
二人が宿へ帰ってきた頃、二人がいる場所から遠く離れたどこかで、怪しげな話をしている男たちがいた。
「とある町で不思議な噂を耳にしました。なにやらしゃべる石があるそうで」
人影が二つ。薄暗い広間にいる。片方はうずくまっており、もう片方は椅子に座っている。
「ふむ」
返事をした男は一段高い場所に据えられた豪奢な玉座に深く腰を下ろし、肘掛けに肩肘をつきながら、つまらなそうに話を聞いていた。
彼は手の上にワインを浮かべている。
そのワインはグラスに注がれず、そのまま、ワインの液体のみが宙で球のようになりぐるぐると回っていた。
「見た目はつるりとした表面の、薄く切った白煉瓦のようなもので一部が光っているそうです」
「ん?スマホじゃないのか?」
「はっ?」
「ああいい。こちらの話だ。直接お前の頭に中を観る。その物を思い浮かべろ。目視で確認したのだろう?」
「はっ」
男が手を跪いていた人影に向けて翳すと、男の手が輝き始めた。その光はだんだんと強くなり、跪いていた人影がその強すぎる光にふと目を閉じそうになったその時。
広間全体を照らすほどの強烈な光が一瞬で消えた。
俯いたままなにも言わない男の様子を人影が不安そうに伺う。
「あの、何か不備が、、、」
「ふふふ。ふははははははは!!」
男は俯いたまま笑い始めた。玉座からグッと立ち上がった彼は天に両手を掲げて笑い続ける。
「充電器だ!モバ充!あれが、あれさえあれば、俺は楽園をこの手収めることができる!ついに、ついに長年の悲願が!ふふふ、ふはははははははははははは!!!」
男の哄笑が巨大な広間に響き渡ると、それに呼応するようにピシャーンと雷が落ちた。辺り一面不気味な樹が生い茂る鬱蒼とした森の中に、ぽつんと廃城が一つ。
ここは魔王城。この国と覇を競い合う魔王とその配下の精鋭が集う、人外魔境である。
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