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【ゆっくり解説】意外な方法で世界最強になった異世界の人物3選

挿絵(By みてみん)


 ゆっくりユウシャだ。



 ゆっくりセイジョですわ。



 今回は意外な方法で世界最強になった異世界の人物の話を3つ持ってきたぜ。

 気分転換にクイズ形式で話していくぜ。

 はい、いいえ、部分的にはい、部分的にいいえ、わからない、どちらとも言えない、のいずれかで答えられる質問が1問につき5回までできるぜ。

 特に景品は用意していないが、全問正解を目指して頑張ってくれだぜ。



 よろしくお願いしますわ。



 まずは1つ目の話だぜ。

 この話の主人公は、エクス・トラガンという名前の少年だぜ。

 エクスは10歳になった年に同年代の子供たちと一緒に教会でスキル鑑定の儀式を受けたぜ。

 セイジョはスキル鑑定の儀式が何か知っているか?



 もちろん知っていますわ。

 スキル鑑定の儀式というのは、スキルを鑑定する儀式のことですわ。



 その通りだぜ。

 世界設定によって年齢が違ったり、鑑定ではなく覚醒だったり、儀式ではなく儀だったり、スキルではなくギフトや才能だったりなどの細かな違いはあるが、呼び方が違ったところでほとんど関係ないから気にしなくていいぜ。

 この世界のスキル鑑定は専用の水晶玉を使って行われるぜ。

 水晶玉に触れることでその人物が持つスキルの名前とランクが表示されるぜ。

 鑑定の結果、エクスのスキルは【鑑定E】だったぜ。



 ハズレスキルだと思ったら実はチートスキルだったの代名詞である【鑑定】スキルと、ハズレスキルだと思ったら実はチートスキルだったの代名詞であるEランクのテンプレコンビネーション技ですわね。

 こんなのチートスキル確定ですわ。



 セイジョの予想通り、周囲からハズレスキルだと馬鹿にされていた【鑑定E】が実はチートスキルだということが判明するぜ。

 スキルを発動すると鑑定した相手のスキルを解析してコピーできるんだぜ。

 こうしてエクスは世界で唯一複数のスキルを扱える存在として世界最強になったんだぜ。

 ではここで問題だぜ。

 チートスキルだと判明してから改めてスキル鑑定の水晶玉でスキルを調べたぜ。

 しかし以前と変わらず【鑑定E】と表示されたぜ。

 その理由は何だぜ?

 もちろん普通の【鑑定E】にコピー能力はないぜ。



 ユウシャ様、私を甘く見てもらっては困りますわ。

 この程度の問題すぐにわかりましたわ。



 それでは解答してくれだぜ。



 スキル鑑定に使用した水晶玉にはランクの表示限界があり、エクスのスキルは【鑑定E】ではなく【鑑定EX】だった、ですわ。



 正解だぜ。

 実は水晶玉が表示できるランクはアルファベット1文字までだったんだぜ。

 だから【鑑定EX】のうち【鑑定E】までしか表示されずにハズレスキルだと勘違いしたんだぜ。



 楽勝ですわ。



 続いて2つ目の話だぜ。

 この話の主人公は、サンガ・マックスという名前の青年だぜ。

 サンガの住む世界はレベル、ステータス、ジョブの概念が存在するゲーム風異世界だぜ。

 レベル、ステータス、ジョブについては義務教育で習っているはずだから説明は割愛するぜ。



 もちろん習っていますわ。

 ゲーム風異世界は一般常識ですわ。



 生まれたばかりの時は全員レベル1で、様々な経験をして経験値が溜まることでレベルアップするタイプの世界だぜ。

 そしてレベルアップによって各種ステータスが上がったり新しいスキルを習得することができるぜ。

 この世界の最大レベルは100だぜ。

 これはスライムからドラゴンまで全ての生物に共通する仕様だぜ。

 といっても、これまで最大レベルに到達した生物は存在しないぜ。

 一方でサンガの最大レベルは3だったぜ。



 レベル3というのは人間基準で低いですの?



 めちゃくちゃ低いぜ。

 はっきり言ってクソ雑魚だぜ。

 そもそも最大レベルが100ではない生物が生まれること自体が初めてだったんだぜ。

 サンガはあっという間に最大レベル、つまりこれ以上強くならない成長限界にレベル3という弱い状態で到達してしまったぜ。

 そのせいで周囲から無能と呼ばれていたぜ。



 おっ、ざまあですの?

 ざまあが始まりますの?



 月日が流れて16歳になったサンガはとあるA級冒険者パーティの荷物持ちをしていたぜ。

 パーティメンバーからは荷物持ちばかりで戦闘で役に立たない無能呼ばわりされていたぜ。



 荷物持ちが荷物持ちをしているのに邪険に扱われるのはよくあることですわ。



 サンガたちはいつものようにダンジョンを探索しながらモンスターを倒して素材を集めていたんだぜ。

 しかし運悪く凶暴なモンスターの群れに遭遇してしまったぜ。

 そこでサンガはパーティメンバーが逃げるための囮にされてしまうんだぜ。



 はい、ざまあ確定演出いただきましたわ。

 このあと覚醒して世界最強になりモンスターを撃退してから自分を囮にしたパーティメンバーに復讐ざまあですわ。



 サンガの持ち物は回復ポーションが数本、野営用の道具と食料、途中で拾った今にも朽ちそうなボロボロの剣が1本だぜ。

 ではここで問題だぜ。

 サンガはこのあと覚醒して世界最強になりモンスターを撃退してから自分を囮にしたパーティメンバーに復讐ざまあするぜ。

 その方法を答えてくれだぜ。



 それは復讐ざまあの方法まで答えますの?



 覚醒して世界最強になった方法と理由だけでいいぜ。



 わかりましたわ。

 そうですわね……あからさますぎてミスリードの可能性もありますが、

 Q.ボロボロの剣は覚醒に関係ありますの?



 A.はい、だぜ。



 Q.もし他の武器だった場合は覚醒しませんでしたの?



 A.部分的にいいえ、だぜ。



 Q.サンガのレベルは3より上になりますの?



 A.いいえ、だぜ。



 なるほどですわ。

 部分的にいいえというのが少し引っかかりますが、剣を装備すること自体が覚醒のキッカケと考えて良さそうですわね。

 Q.スキルは関係ありますの?



 A.いいえ、だぜ。

 質問できるのは残り1回だぜ。



 おや、てっきりチートスキル関連だと思ったのですが違いましたわね。

 情報を整理すると、武器を装備することが世界最強になる条件で、しかしレベルは3のまま変わらず、スキルは関係ない、ですわね。

 装備する武器が何でもいいということは、

 Q.剣に魂のようなものは宿っていますの?



 A.いいえ、だぜ。



 武器の魂でもないとすると……。

 あ、わかりましたわ!



 それでは解答してくれだぜ。



 剣を装備したことで前世の記憶が蘇って世界最強の剣士として覚醒した、ですわ。



 不正解だぜ。



 むむむ、結構自信があったのに残念ですわ。



 正解は、最大レベルに到達していたことで剣の潜在能力が解放されて最大レベルボーナスステータスを得たから、だぜ。



 ちょっと何を言っているのかわからないですわ。

 最大レベルボーナスステータスとは何ですの?

 ゲーム風異世界っぽい雰囲気は感じますが……。



 最大レベルボーナスステータスというのは、最大レベルに到達した者がボーナスとして獲得できるステータスのことだぜ。

 この世界の装備には最大レベルに到達した者が装備することで潜在能力が解放されて、装備の性能に応じたボーナスステータスが装備者のステータスに加算される仕様があるんだぜ。

 最大レベルは本来レベル100を指しているんだが、サンガの最大レベルは3なんだぜ。

 つまりこの世界で初めて最大レベルに到達して、最大レベルボーナスステータスの恩恵を受けることができる唯一の存在なんだぜ。

 所謂「俺だけ」というやつだぜ。



 あまりにも主人公のためだけに存在する都合良すぎの忖度設定ですわ。

 と言おうと思いましたが、俺だけなら仕方ありませんわね。



 この最大レベルボーナスステータスによってサンガはレベル3で世界最強になったんだぜ。

 ちなみに途中で拾ったボロボロの剣の正体は、伝説の魔剣デスダークネスカオスデスカリバーだぜ。

 魔剣の真の力を引き出すことのできるサンガは世界最強にふさわしいぜ。



 伝説の魔剣が偶然そこら辺に落ちていて主人公が偶然拾っているのはよくあることですわね。

 しかし5回の質問でこの答えに辿り着くのは厳しいと思いますわ。



 意外とそうでもないんだぜ。

 例えば、

 Q.剣にはまだ誰も知らない隠された力が秘められているか?

 のような質問をすれば、

 ・これまで最大レベルに到達した生物は存在しない

 ・サンガの最大レベルは3

 と合わせて考えることで、レベル3とはいえ最大レベルに到達している特異性から「俺だけ」に辿り着くことが可能だったぜ。

 質問回数に制限がある場合は、ある程度山を張る直感力が求められるぜ。



 なるほどですわ。

 攻めの姿勢が大切ということですわね。



 次は3つ目、最後の話だぜ。

 この話の主人公はアン・フィーネという名前の10歳の少女だぜ。

 アンが住む世界は2つ目と同じようにレベル、ステータス、ジョブの概念があるゲーム風異世界だぜ。

 一般的な家庭に生まれた一般市民として平穏に暮らしていたアンだが、ある日レベルが無限になって世界最強になったぜ。

 その方法と理由が最後の問題だぜ。



 え?

 話はこれで終わりですの?



 終わりだぜ。

 この問題は少し難しいから、1問目で使わなかった分と合わせて10回まで質問していいぜ。



 つまりユウシャ様は10回質問するくらいがちょうど良い難易度だと考えているわけですわね。

 全問正解は逃してしまいましたが、最後は正解して気分良く締めてみせますわ。

 それでは参りますわ。

 Q.アンが住むゲーム風異世界特有の仕様が関係ありますの?



 A.はい、だぜ。



 Q.レベル無限は一時的なものですの?



 A.いいえ、だぜ。



 Q.レベル無限というのは本当に無限ではなく何かの比喩表現ですの?



 A.いいえ、だぜ。



 なるほど、どうやら本当にレベル無限になっているようですわね。

 ゲーム風異世界であることを活かしつつ、一般市民の少女が突然レベル無限になる方法を考える必要があるみたいですわね。

 Q.アン以外の一般市民でも方法を知って実行すれば同じようにレベル無限になれますの?



 A.どちらとも言えない、だぜ。

 より正確に表現するなら、できる人ともうできない人がいるぜ。



 Q.アンは意図してレベル無限になりましたの?



 A.いいえ、だぜ。

 残りの質問回数は5回だぜ。



 Q.アン以外に誰か登場しますの?



 A.いいえ、だぜ。



 Q.裏技もしくはバグが関係ありますの?



 A.はい、だぜ。



 Q.セレクトボタンは関係ありますの?



 A.いいえ、だぜ。



 Q.とても難しい方法ですの?



 A.部分的にはい、だぜ。

 次の質問が最後だぜ。



 Q.この方法でレベル無限以外のレベル、例えばレベル9999になることはできますの?



 A.いいえ、だぜ。



 なるほどですわ。

 ひとまず情報をまとめてみますわ。

 ・ゲーム風異世界特有の仕様が関係している

 ・できる人ともうできない人がいる

 ・一般市民のアンでもできる

 ・意図して行ったわけではない

 ・裏技またはバグが関係している

 ・とても難しい要素が含まれる

 ・レベル無限にしかなれない

 これらの条件を満たす方法ということですわね。

 ……。

 ……わかった、かもしれませんわ。



 それでは解答してくれだぜ。



 レベル8にレベルアップしたのと同時に転倒したことで8が♾️になった、ですわ。



 正解だぜ。

 このゲーム風異世界には、レベル8にレベルアップした瞬間に0.000001秒未満の誤差で世界を構築している地形判定に対して水平に転ぶとレベルが無限になるバグが存在しているんだぜ。

 アンはレベル8になった瞬間に転んでこのバグが作用した結果、8が♾️の状態で固定されたんだぜ。

 レベル♾️とは全ステータス♾️であり、すなわち世界最強だぜ。



 解説を聞いても全くもって意味不明ですわね。

 いえ、8を横にすると♾️に見えること自体はわかるのですが……。

 だからどうしたという話ですし、正解できたことが自分でも驚きですわ。



 深く考えてはいけないんだぜ。

 なろうではどれだけ理解不能で無理やりで都合が良い忖度展開になったとしても、起こった事実をありのまま認識することが大切なんだぜ。



 だとしても限度がありますわ。



 レベル8を横にするとレベル♾️になる。

 これでいいんだぜ。

 冴えない主人公に話しかけてきた巨乳美少女が最初から好感度MAXですぐ惚れることに疑問を抱く読者はいないんだぜ。

 頭を空にしてそういうものとして受け入れるんだぜ。



 それもそうですわね。

 頭を空にしてそういうものとして受け入れますわ。

 


 というわけで、今回は意外な方法で世界最強になった異世界の人物をクイズ形式で紹介したぜ。

 締めとしてセイジョの感想を聞かせてくれだぜ。



 魔剣の名前がダサすぎますわ。



 喜んでもらえてなによりだぜ。

 それじゃあ今回はこれで終わるぜ。

 セイジョが喜びそうな話があればまた紹介するぜ。



 楽しみに待っていますわ。



 ここまでのご精読ありがとうございましただぜ。


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