王族の過去 4
やはりジナの事を考えて国の為に作業するけど、なかなか集中出来なかった。それで軽いミスを少しあった。
そのミスを最近多くなってきたのを感じたラナは心配そうに
「ヴォルト…大丈夫?」
と声をかけてきた。
本当は大丈夫とヴォルトは答えたいのだが、その答える気力がなく、少し黙っている状態だった。
それを見たラナは
「……ちょっと着いてきて」
と言い、ヴォルトの腕を掴み引っ張った。
ラナの唐突な行動にヴォルトは驚いたが、どうしたのだろうとも思っていた。
ラナとヴォルトは玉座の部屋から離れ、ヴァルカラ王宮にある高い塔の方へと移動した。
塔へ着いたラナとヴォルト、ラナはまだ引っ張り、塔の中へと入った。
塔の中はあんまり物が置いてなく、目に付く所は長い階段があるところだ。
階段はかなり上まで進んでおり、ヴァルカラ王国が見渡せる程の高さまである。
ラナはその階段を引っ張りながら上った。それにヴォルトは
(……何がしたいんだ?)
と疑問になりながら、ラナと一緒に上って行った。
かなり階段を上っていき、二人共息を切れそうになるが、ラナは止まらずに上る。それに合わせてヴォルトは上っていく。
そして、塔の頂上へと着いた。
塔の頂上から見た景色は、沢山の建物がよく見え、その先は海が見えた。それはとても美しい景色だった。
かなり前にラナと一緒にここからこの景色を見たなと思い返していると、
「ねえ、この景色覚えている?」
とラナから声がかけてきた。それにヴォルトは思い返しながら
「ああ、覚えている。あれは…」
と昔の事を言い始めた。
この景色はラナと結婚する前に見た景色で、告白するためにここを選んだ思い出として強く覚えている場所だ。
最初は、私でも大丈夫か不安だったが、ラナはそんな私でも受け止め、一緒にいる事を決めてくれた所だ。
決して忘れる事はない。
という風に懐かしながら、言葉にし伝える事ができた。それを聞いたラナは照れ臭そうに笑い、
「フフッ、そうね。懐かしいわね。」
と言って、次はラナがあの時の気持ちを伝えた。
私は最初、王族は気難しい所があると思っていたわ。しかし、ヴォルトは違った。
私がこの王国での住民として生活していて、普通の暮らしをしていた。そんなある日、貴方は国をよくしようと偵察しに、王宮から出てきた。しかも護衛もなしに。
まさかこの国の王様が住民の生活の質を調べに来るとは誰も思わず、貴方を注目する人はいなかった。
私が花屋で仕事をしている所で、貴方は花をじっと見ていて、お客さんかなと思い声をかけたわ。そしたら、
「ふむ、いい花ですね」
と言ってくれて、私も嬉しかったわ。その後貴方は、
「では、この花をください」
と会計しようと、財布を取り出して、私はどのくらいの値段なのか伝えようとしたら、
「この店が続いて欲しいので、多く貰ってください」
って言い、金貨20枚も渡したわ。それに私はびっくりし、
「こ…ここまでの大金貰えませんよ!?」
と言ったわ。しかし貴方は何も疑問に思わず、
「…?大丈夫ですよ。この店の花達はとても良く奇麗に咲いて、これは貴方が努力した結晶なんだろうと感じたからですよ」
とニッと笑ったわ。それに胸を打たれた感じになって、顔を赤くしたわ。それに貴方は何も疑問に思わず、不思議そうに見てきたわ。
お金は素直に貰わずに、その花の値段で買ってもらったわ。そして、貴方との会う日々が出てきたわ。
日々会う回数が増え、ある日王宮から呼ばれた時はびっくりし、恐怖を感じたわ。
玉座に着いた時、貴方の顔を見た瞬間、肝が冷えました。まさか王様とは知らずに、いつも通りの普通の日常的な言葉を使ってたので、何か気を触ったと思ったわ。
しかし、それとは関係なしで、貴方は私をここまで連れていき、この光景の前で
「……貴方との会う日々が楽しく、一緒にいたい。だから私と結婚してくれないか?」
と王様の身分とは関係なしで、膝を下げて、姿勢を低くし、手を差し出したのを覚えている。
それで私、初めて分かった。ヴォルトの事が好きになっていた事を、私も一緒にいたいって事を。
それで結婚することを決めたわ。
というラナも昔の思い出をヴォルトに伝え、ヴォルトはそんな気持ちだったんだと初めて聞けて良かったと思った。
ラナはその後に続けて、
「だから、私もいる事を忘れないで欲しい。今の貴方は一人で抱えていて、苦しんでそうだから」
と伝えた。それにヴォルトは驚いた。
まさかバレていたとはと感じていた。
「いつでもいいの。話せる勇気出たら私にも背負わせて欲しい。貴方の苦しみを」
と温かい言葉を貰うヴォルトは少しずつ泣きそうになり、それを察したラナは優しく抱き寄せてこう言った。
「貴方はとても頑張っていて、王様としてしっかりとやれてるわ。だから私にも頼ってほしい。壊れててしまう貴方は見たくないの。」
その言葉でヴォルトの涙腺が崩壊し、泣き始めた。
それにラナは優しく抱き寄せて、落ち着くまで側にいた。




