王族の過去 2
とうとう三人目の子供が産まれてくる日になった。ラナは子供が産まれる時の痛みが来て、とても苦しそうにしていた。
三人目が産まれてくる事でヴァルカラ王宮内の使用人等が慌てていた。
ただいま病院の人を王宮に呼んで、ラナのサポートに側に居てもらっている。
ヴォルト、シュルト、メルの三人は夜の暗い中、ラナがいる部屋の前で待機していた。
ヴォルトはラナの事を心配で全然眠気がしてないが、シュルトとメルはまだ幼いので、二人はウトウトとしていた。
それにヴォルトは
「あんまり無理して起きなくてもいいぞ?シュルト、メル」
と優しく声をかけた。しかし、
「大丈夫ですお父様。自分とお母様の事を心配で、このままいたいのです。」
とシュルトはしっかりとした言葉で、自分もいたいと伝え、メルは
「わ…私も大丈夫です!お兄様と同じ気持ちでいたいです!」
とメルもシュルトと同じ気持ちでいる事を伝えた。
シュルトとメルの二人の気持ちを聞けてヴォルトは
「そうか…! では一緒にラナの事を待とう」
と、ニカッと笑って、一緒に待つ事を許可した。
その時にヴォルトが思った事は、
(二人共とても頼れるようになったな…)
と、とても喜んでいて、少し泣きそうになっていた。
父親の笑った顔を見て、シュルトとラナは持っていた緊張感が少し和らいで、自然と笑えるようになった。
そんな時に…
オギャア… オギャア…
とラナの部屋から赤ちゃんの産声が聞こえた。それを聞いたヴォルト、シュルト、メルは急いでラナの部屋に入った。
部屋の中は、病院の人が三人で対応していて、ベッドの上に息を切らして、呼吸が荒いラナの姿がいて、その腕には産まれてきた赤ちゃんがいた。
それを確認出来たヴォルトは急いでラナに駆け寄り、
「大丈夫だったか!?」
と、平然を装っていた顔が崩れ、心配の顔をしてラナに駆け寄った。
そんな父親の行動にシュルトとメルはとても驚いていた。
あの威風があるお父様がこんな顔になるんだと意外な気持ちがあった。
(本当に良かった)
とヴォルトは思い、側にいてくれた病院の人達に顔を向けて、
「今回の事も、感謝する。後で大きなお礼をさせてもらう」
と国王としての風格をだして、お礼をする事を言ったが、なんだかその人達の顔が暗い感じがし、
「…?どうしたのだ? 何かあったのか?」
と聞かないと何かあると思い、ヴォルトは聞いてみた。
それにビクッと驚いた病院の人、三人は顔を合わせて、なんて言うか考えていた。そして、考えが固まると、その中の一人が
「……驚かないで聞いてくださいますか? ヴォルト様?」
と真剣な顔をし、なんだか重要そうな言葉を言ったので、ヴォルトは
「なんだ?」
と真剣になって、言われた通り驚かないように決心し、聞き返した。
その人は深く深呼吸をし、驚愕の言葉を言った。
「……産まれてきた子は、半獣です」
と気まずく言い、顔を伏せた。それを聞いたヴォルトはえ…と表情が固まり、すぐにラナの抱えている赤ちゃんを見た。
ラナは赤ちゃんを確認してくるヴォルトに
「や…やめ…」
と抵抗したが、その抵抗は虚しく終わり、ヴォルトは産まれてきた子供を見た。
産まれてきた子は、他は産まれてくる子と同じだが、ある部分が余計にあった。
その部分は、赤ちゃんの頭に野獣の両耳が着いている状態だ。
その状態を見たヴォルトはショックを受け、ラナは悲しそうな顔をした。
両親が悲観的になってる状態を見たシュルトとメルは心配で近寄った。
ヴォルトは近寄ってくるシュルトとメルを止めようとしたが、今はそんな余裕がなかった。
これがジナの誕生した場面だった。




