野獣
ハース村から野獣が潜んでいる森へと進んでいるラグ達4人は警戒しながら野獣討伐へ臨む。しかし、マルス、ジン、リードはラグも警戒して進む。
陣形は、ラグを先頭に、右側にリード、左側ジン、後方マルスとなっている。
その陣形になったのは、森に入る前に4人で話し合って決めた。その時の内容は
「これから森へと入るが、俺が思いついた陣形でいいか?」
とマルスは思いついた事を3人に話しかけた。3人はその事を聞いて、耳を傾けた。
3人が耳を傾けたことでマルスは話を続ける。
「俺が考えた陣形は、先頭をリードと考えていたが、ラグ君にしようと思う。模擬戦での実力を見て、かなりやれることに驚いた。だから、ラグ君いけるか?」
とラグに質問した。それを聞いたリードは顔には出さず、内心悔しがっていた。
その質問にラグは
「はい!大丈夫です!任せて下さい!」
と元気良く承諾した。その質問にラグはとても喜んでいた。
(僕が先頭でいれば、早く行動しやすいし、3人を守りやすい!)
という事を内心で思っていた。しかし、マルスの内心は
(とりあえず、ラグを先頭に行かせて、俺たち3人で注意深く見ようか)
というマルスの作戦だった。マルスは話を続ける。
「ラグを先頭にし、中央の左右は、左側にジン、右側にリード、後方は俺がやる。
ジンとリードは近接が得意だから、ラグのサポート出来るように、俺が自分で言うのは変だが、目には自信ある。それで弓からの遠距離攻撃をする。それでどうだ?」
という考えを話した。
その考えを聞いた3人は、とても納得しやすい考えだったので賛同した。
それが今の陣形になって森の中へと進んでいく。
森の中を奥へと進んでいく内に、鳥の鳴き声も聞こえなくなり、段々と暗くなっている。まだ朝の明るい時間帯なのに。その結果、ラグはより警戒を強めた。マルス達も警戒を強めたが、ラグの事も警戒を緩めなかった。すると…
ガサッ!!
っと草の擦れる音が目の前から聞こえた。その音で一気に全員は戦闘態勢に入った。
音のした方からは何も変化はなく、よりその場の緊張感が強くなる。それぞれの武器を持つ手に力が入る。
(まだ出てこないのは困るな…こうなったら…!)
とラグは思い、その音がした方に素早く移動した。
それにマルスは
「おい!待てラグ!!」
とラグを制止しようとしたが、遅かった。
もうラグは森の奥の方へと行った。それを見た3人は焦った。たった一人の少年が向かったからである。
「おい!?どうするマルス!?」
とジンは焦った声でマルスに質問した。その時、
ガサッ!!
っとまた草の擦れる音がラグの向かった方向に聞こえた。それを聞いたジンは
「大丈夫か!?ラグ!?」
と心配して近寄った。しかし……
グシャ!!
っと何かが潰れる音がした。そして、クチャクチャという咀嚼音もした。それを見たマルスとリードは目を見開いた。それは、
ジンの頭を喰らっている狼の頭をした人並みの大きさの生物が美味しそうに食べていた。
そこに一匹の野獣が現れた。