お嬢様との話し合い
半獣のお嬢様、ジナはラグとの話し合いを楽しみにしているのか、頭に生えている野獣の両耳をピコピコと動かす。
「貴方が私と一緒にお出かけしてくれる方です?」
とジナは外に出かける事が楽しみにしてるのがラグは感じた。そして、少し違和感も感じていた。
(何故ヴォルト様は娘さんと一緒にお出かけしなかったんだろう)
と思っていたが、暫く経つと答えが分かった。
「では、私は国王としての仕事があるから二人で話してくれ」
とヴォルトは言い、ジナの部屋から出た。それにラグはいきなり過ぎて、え?と戸惑った。
ジナはそれを普通に思い、「分かりました!お仕事お疲れ様です!」と元気に言った。
ジナは自分の父親、ヴォルトの国王としての責務をやっている事を考えて、
「流石のお父様、しっかりと国王として国を纏め上げていて、憧れます」
とヴォルトの偉大さを口から出てしまった。
ラグはちょっとジナに質問してみた。
「お嬢様、すいません、お父様はお嬢様とよく一緒にいたりしますか?」
とラグが引っ掛かっていた疑問を聞いてみた。その質問にジナは少し寂しそうな顔をしながら、
「いえ、お父様とはあんまり一緒にいません」
と答えた。
ラグはジナの返答に、疑問に思っていた事が分かり、それは確信へと繋がった。
(これは避けてるな)
とラグは先程のヴォルトの行動とジナの回答で察した。
「まだ質問いいですか? お嬢様?」
とラグは続けて質問しようとするが、ジナは
「いいですよ! でも、せっかくなのでお嬢様とは言わずにジナと呼んでください!」
といきなりの距離の詰め方にラグは内心びっくりしてしまった。
「で…でも、この国の偉い方ですし…」
とラグは抵抗してみたが、
「そんな事関係ありません! 貴方と私、同じ歳ですし、仲良くしましょう!」
とジナの猛烈な距離の詰め方にラグは諦め、
「はあ、分かりました。ジナお嬢様。」
とジナの名前を呼ぶことにし、ジナは満足していた。
「では、話の続きですが、ジナお嬢様は外へ行ったことがありますか?」
ラグはさっきの質問の続きを始めた。それにジナは
「ありませんよ」
と平然な顔で言った。それにラグの中のヴォルトの父親としての見方が駄目な印象が感じられ、再び苛立ちが出てきそうになった。
ジナはずっとここで過ごしてたんだなとラグは思い、何か外での話を始めようと考えた。
「いきなりですいませんが、自分は外での冒険を結構してきてるので、その話聞きたいですか?」
とジナに聞いてみると、ジナは喜び、野獣の両耳をピンッと立てた。
「是非聞かせてください!!」
とラグに急接近してきて、ラグはドキドキしてしまった。
ラグは自身の冒険してきた話を始めた。自分が半獣や村を滅ぼした事、父親を亡くした事は省いて、楽しい物語をジナへと聞かせる。
その話にジナは目を輝かせ、外はどんな感じかワクワクしながら聞いていた。
様々な話をしていると、ジナの部屋の扉からコンコンッとノックの音が聞こえた。そして、
「ラグ君、そろそろ暗くなるから呼びに来た。今、大丈夫か?」
とヴォルトの声が聞こえた。その言葉にラグは確かに結構話したなと思い、
「はい、大丈夫です! お呼びしてくださりありがとうございます!」
と内心ヴォルトと会話したくないけど、それを隠してラグは返事をし、ジナの部屋から出ようとする。
ジナは少し残念そうにしてたので、ラグは元気づけようと
「では、次来た時は色んな話が出来るようにしますね!ジナお嬢様!」
とジナとの約束をし、それにジナの顔は明るくなった。
「はい! また聞かせてください!」
とラグの冒険録を聞くのを楽しみの一つになったジナだった。
ジナの部屋から出て、長い廊下を歩くヴォルトとラグ。ヴォルトは余計な事を言ってないかラグに
「ジナにバラしてないよな?」
と強めの圧をかけてきた。それにラグは全然平気な顔をし、
「いえ、依頼の事は話してませんし、余計な事はしてませんよ」
と少し微笑んで答えた。
それにヴォルトはちょっと考えすぎたなと思い、
「すまない、圧をかけてしまった。」
と謝罪をした。
謝罪されたラグは
「大丈夫です! 依頼の事は任せてください!」
と問題ない、大丈夫と返事をした。それにヴォルトは安心をした。だが、今ラグが考えている事は
(この依頼、どうすればいいか)
と悩んでいた。
ジナは話してみて良い子だ。だか、この駄目な父親ヴォルトは依頼を完了して欲しいと考えている。
ラグの頭の中はそれにいっぱいになりそうだつた。
お城から出て、暗い中、自分の泊まっている宿まで、ラグはこの依頼の事を考えていた。




