出発
模擬戦を終えて、リード達の頭が落ち着くまで門の近くに少し休憩した。その休憩中、マルスが小声でジン、リードに話しかけた。
「ジン、リード、ちょっとラグについてはなしあわないか?」
とラグに聞こえないように、3人で話し合いを計画した。
「おう、いいぜ。俺もあの模擬戦でちょっと気にしてたんだ」
「私も同じです。少年であの大技…本当に出来るか思えないので」
とジンとリードは賛成した。2人もラグの事を警戒しているようだった。
「俺たちはやっぱり考えている事は一緒だな。ラグを注意深く観察し、討伐に向かおう」
という案をマルスは出し、2人はそれに頭を縦に振った。
その話し合いを終えた時に丁度
「マルスさん達大丈夫ですか?自分の方は大丈夫なのでいつでも行けます!」
とラグがやって来た。それでマルス達は少し驚いたが、警戒している事を顔に出さずに、優しく対応した。
「ああ、俺たちはもう大丈夫だ。そろそろ行こうか!」
「「「おお!!」」」
とマルスの合図と同時に、ラグ、ジン、リードは声を上げた。4人の気合はその場の雰囲気を変える程だった。
4人は門から出発し、野獣の潜んでいる森へと向かう。その4人の後ろ姿を見たゲイルは
「行ったか…私はちょっと調べ物でもしようか」
とある調べ物をしようとゲイルは自宅に戻った。それはラグに関係ある物であった。
ゲイルは沢山の本棚に目を通し、一冊ずつ目的の本を手に取り探している。
その目はとても真剣な目をしていた。
目的の本を探して数分、
「……これだ」
とゲイルは呟き、その本を手に取った。そして、その本を開き、一から読み始めた。
一文一文読み通し、今は読むことに集中していた。
それを読み終えたゲイルは深く考え、ラグに対し警戒心を持つように接してみようと思った。
この村で唯一ゲイルだけが最初にラグの正体に気が付いた。