現れた野獣
ラグは急いで壁に置いてある父親の剣を手に取り、玄関に向う。
そのラグの行動にガートとシャーレは止めようと声を出す。
「ラグ!?」
「どうしたの!? ここで静かにしましょう!?」
ラグは静止の声を振り切り、玄関の前に立ってからガートとシャーレの方に顔を向けた。
「安心してください 僕がなんとかしますので」
とニコッと笑った。その笑顔にガートとシャーレは不安を増して、ラグを捕まえようとしたが、ラグはすぐに外に出てしまい捕まえられなかった。
そして、
野獣の鳴き声と共に激しい金属を当てる音が響いていた。それに、ガートとシャーレはあの鳴き声は狼ではない事を察し、ラグが野獣と戦っている事が分かった。
ガートとシャーレはまさかここで野獣が出ることに思わなかった。ここら辺は野獣の巣穴はないことを長く住んでいて分かっていた。
二人は早くラグを助けなければと思うが、足が震えて動けなかった。
ラグが外に出てから少し時間が経った。
まだ外では打撃音も聞こえて来るようになり、戦っている事が二人は分かった。
ガートとシャーレはラグの事を本当の息子として思っている。
何故ラグの事をそう思うのか、それは
ガートとシャーレの子どもは小さい時に亡くなっていたからだ。
だから、ラグの事を気にしていた。一人の少年で親が見つからないのがとても苦しいと感じていた。
二人は暗闇の中、こうして一人の少年が戦っている事を頭の中でイメージすると不安がいっぱいになった。
やがて、戦っている音が小さくなり、何か握り潰した音が聞こえた。
それに二人はまさかと思い、ラグが死んでしまった事を想像してしまった。
ガートとシャーレは決意した。ガートは薪割り用の斧を持ち、シャーレはランプを持って明かりを照らすように準備した。
そして、今二人は玄関の扉の前に立っている。
二人は野獣がいることに恐怖が段々と強くなり、足が震える。しかし、ラグの安否を確認したいこと、助けたい事で恐怖を払拭した。
自分達の事はどうでもいい、ラグを助けたい
それが今のガートとシャーレの気持ちだった。
決意を固めたガートは玄関の扉に手を掛けて、勢いよく扉を開けた!
シャーレはすぐに周りを見えるようにランプを突き出して、周囲を照らした。
照らされた外の光景に二人は驚愕した。
所々の地面に血が飛び散り、野獣の体の一部だろうか腕が一本落ちていた。
それは驚愕するものでもあるが一番驚愕したのは
ラグの腕が野獣になっていて、その腕で出て来た野獣の頭を握っていた。
握りられている野獣は、動かなく死んでいて、片腕が失っていた。
ラグは急に後ろが明るくなった事で振り返った。
「あ……」
と声が漏れ、目を見開いてしまった。
ガートとシャーレに自分の正体がバレてしまった事に恐怖が出て来た。




