ラグの悪夢3
シャーロットとラグは無事村から抜け出し、森の中を歩いて、山頂の家まで向かっていた。
歩いている間、ラグは一言も話さずに、顔を伏せたままシャーロットの後ろを付いてきていた。
シャーロットはラグに声をかけようとは考えていたが、どう声をかけるか悩んでいた。しかし、その悩みは必要なかった。
「ねぇ……父さん…」
とラグから声をかけてきた。その声は弱々しく、苦しんでいるような声だった。
その声にシャーロットは
「どうした?」
と優しく反応したが、内心はどう話すか焦っていた。
ラグは精一杯考えて、話した言葉は
「僕って何者なの?」
という自分の正体が気になり、苦しんで出た言葉だった。その言葉にシャーロットは
「………」
無言になってしまった。とうとう来たかと内心覚悟していたが、すぐには答えることが出来なかった。
「ねえ!! 僕は何者なの!? 僕の腕戻ったけど、変な腕になってたよ!?」
とラグはヒステリックを起こしていた。自分自身の腕の変化への恐怖、人を殺した罪悪感、それがラグの頭の中で混ざり、どんな気持ちになればいいか分からず、ラグの顔は苦しんで涙がいっぱいになっていた。
その顔を見たシャーロットは、その顔をさせたくないために
「大丈夫だよ。ラグは特殊に産まれてきたから上手く周りと馴染めないから仕方ないよ。もっと世界がラグみたいな人を認めてくれる世界なら良かったな。」
と優しく声をかけ続けて、ラグに向かって歩く。
「その世界が来るまで俺がお前を守るよ。」
とシャーロットはラグに優しくギュッと抱きしめた。その言葉と父親の暖かさにラグは
「うわああああ!!」
と叫びながら、大泣きしてしまった。
ラグが落ち着くまでシャーロットは抱きしめた。
まだラグは涙目になってるが、落ち着き始め、シャーロットの手を繋いで、シャーロットと一緒に家まで再び歩き始めた。
歩きながらシャーロットは
「帰ったらちょっと引っ越ししようか〜」
と考えた事をラグに聞いてみた。それにラグは首を縦に振り、賛成の意見を表した。それを見たシャーロットは
「良かった〜 それじゃあ帰ったら準備しようか」
と言い、段々と暗くなる森の中を親子二人は家まで歩き続けた。




