ラグの悪夢
「おじさん達! お爺さんを虐めるな!」
とラグの声が、緊迫した空気の中に響いた。それを言ったラグに、村人達は肝が抜ける。
「あ?」
とお爺さんを虐めていた1人の大人がラグに目をつけて、近づいてくる。それに村人の一人の女性は
「ま…まだ子供なので、よく分からないですよ〜」
と焦りながら、ラグの事を怪我させないように前に出て、ラグに近くところの前に立った。
「うるせえ! ババァ!!」
と自分の邪魔をしてきた村人の女性に、太い腕で女性を殴り飛ばそうとした。
その殴り飛ばされると女性は分かると、ギュと目を閉じて、歯を食いしばった。しかし、殴られる衝撃が来なく、
グフェ!!
と怯んだ声が目の前から聞こえた。女性はそっと目を開けると、
なんと後ろに居た子供が目の前にいて、戦闘態勢を取っていて、その前にはお爺さんを虐めていた一人の大人が首を抑えて、倒れていた。
ラグは女性が殴られると分かると瞬時に前に行き、殴ってくる屈強な男の首を狙い、自身の拳をぶつけた。それでその男は首を抑えていたからである。
その場面を見た村人達は、呆然としていた。
そこでラグは
「弱いな〜 僕の父さんの方が強いや」
と挑発をし、
「何だと…!」
と男の仲間の二人は頭に血が登り、挑発に乗った。
男二人は小さいラグに対して、本気の力で攻撃をする。しかし、ラグはシャーロットから鍛えられた技術で、様々な攻撃を躱していく。
拳の攻撃が来るときは、ラグは手を開いた状態で、拳を流し、足の攻撃が来る時は、しゃがんだり、飛んで躱した。
その光景を見ている村人達は、
(あの子供は何者なのだ!?)
と心の中で誰もがそう思っていた。
「こいつ何なんだ!?」
と仲間の一人がそう言う。その声には焦りを感じていた。自分達の攻撃が当たらなく、余計に体力を使っていたから、疲労が出てきたからである。
それに対してラグは、子供ながらであるが、全然と平気な顔をしていた。
倒れていた男は
(このまま負けると恥だ… こうなったら…)
と何かを考え、悪巧みをする。
「おじさん達、もうバテたの? それじゃあこっちの番だね!」
とラグは反撃の行動をしたとき、
「おっと!待てよボウズ! 待たないとこの爺さんをどうなるかな~?」
と、ラグに一回倒された男が呼吸を整え、復活し、お爺さんの首にナイフを近づけていた。
お爺さんは近づけてくるナイフを見て、顔が青くなり、恐怖で震えていた。
それを見たラグはすぐに反撃の行動を止め、
「なんて卑怯な…」
と声を漏らした。
男はラグが言う事を聞いた事に対して、ニヤリと笑い、
「爺さんを痛い目に合わなければ言う事を聞くんだな~ まず、俺たちの攻撃を躱さないで喰らっていろ」
とラグに命令をし、ラグは悔しく思いながら、
「……わかった」
と答えた。その答えを聞いた悪人3人は大声で笑い始めた。そして、
「さっきの殴られた分だ…オラ!」
と強烈な蹴りをラグに当てる。ラグは言われた通りに躱さないで、そのまま蹴られ飛ばされて、倒れてしまう。
倒れたラグに追い打ちをかけるように、悪人3人はラグを思いっきり踏んでいく。踏まれる度に、骨の折れる音や痛みから苦痛の声がその場から聞こえる。
村人はその光景と音を聞きたくないので、顔や耳を塞いでしまう。
ラグは踏まれながら思った。
(こいつら…何なんだ…)
とラグの中の黒い感情が出始めていた。
(お爺さんを虐めて、しかも人質として怖がらせる…こんな人間なんて…)
その黒い感情が段々と強くなっていく。
(コワシテモイイヨな)
脅威な光景が現れた。子供を踏み潰していた悪人3人の1人が、腹に野獣の爪が貫いていた。
野獣はいないのに、何故その爪と腕があるのかと村人達はその腕の持ち主を見た。
その持ち主は踏まれ続けていた子供で立ち上がり、その右腕の肩から先が野獣化していた。
これがラグが初めて野獣の力を使い、人を一人を殺してしまった。




