謎の少年
ある日ノ出の朝、一人の少女が目を覚ました。そして、その少女は自分の部屋から出て、階段から降り、外に向かった。
外には井戸があり、そこから水をバケツですくうようになっている。少女はその井戸から水をすくい、顔を洗った。顔を洗い終えたら、すぐに家に戻り、何かの準備を始めた。その準備は二時間もかかってしまう。
二時間後、準備を終えた直後、少女の父親と母親が起きてきた。
「今日も商品補充とかの準備をやってくれたのかい?ネル?」
と父親は少女に向かって言った。
そして、その少女、ネルは、
「うん!そうだよ!」
と元気に返事を返した。
ネルの父親と母親がやっているのは、商売の仕事である。
ネルの父親、ガイと母親、ダリアは、小さい頃から商売の家に産まれてきた。二人共小さい頃から商売の手伝いをして、商売の知識を蓄えていた。
ガイは力仕事が得意であり、そのため商品の運搬作業をしていた。ダリアは親と一緒に売上の計算などをしていた。
そんな二人が出会ったのは、互いに18歳の村の祭りの時、偶然出会い、一目惚れをした。そして、祭り終了三日後に二人はまた会えると思い、初めて会った所で再び出合った。
お互いが一目惚れをしたことを告白し、付き合い始めて、お互いに二十歳の時に結婚した。そして、16歳の娘がいて、三人家族になった。
「頭の良さと赤毛は私に似ていて、活発な所と癖っ毛は貴方に似てるわね。」
とダリアは言い、ガイは
「あぁ。そうだな。」
とにこやかに返した。
「何か手伝うことある?父さん」
とネルはガイに言う。
「あぁ、今は大丈夫だよ。暗くなる前までに手伝い来てくれたら嬉しいな。」
と娘に仕事のお手伝いをお願いした。
それにネルは頷いて「分かった」と言った。そして、ネルたち家族は、ダリアが、作った朝食を食べ、ガイとダリアは商売を始め、ネルは、村を見回りたいと両親に言い、外に出掛けた。
村はレンガの家がたくさんあるが、そのレンガの家よりも村人や商人がたくさんいた。
村は活気で溢れていて、村人たちは元気に過ごしている。それを見たネルは今日も平和に過ごせそうと思った。
しかし、その村で大きな出来事が起きることを村人全員は知らなかった。
門の方から『門を開けるぞ』という門番の大きな声が聞こえた。
ゴゴゴ…
という大きい門が開かれる音の中に、村の中に入ってくる一人の少年がやって来た。黒髪で短髪、少しマッシュで、コートを着ている。腰に剣とナイフが備わっている。おそらく歳は17〜18歳だろう。
そんな少年一人に驚く村人もいたり、トレジャーハンターだろうと思う村人もいたりした。
では、なぜ少年一人に驚く村人がいるだろうか。それは、村の外には、「野獣」という人を襲う生物がいるからである。それから守るために人々は村を作り、門番や野獣を狩るハンターを育成した。
ネルは村の外から来た少年に気になった。恋ではなく、その少年が何かを隠している気配がした。