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死の悟り

これから巨大野獣とリードの一対一の対決が始まる。

野獣達は余裕に笑っていた。

それに対して、リードは巨大野獣の圧倒的存在感に恐怖があった。しかし、その恐怖を我慢し、村の為に巨大野獣と向き合う。リードは持っている剣に力が入る。


巨大野獣とリードはお互いに目を離さずに、標的に集中していた。空気は今、1匹と1人の空間になった。

そこに風に乗って来た木の葉が1枚、ふわふわと地面に向かって落ちた。

それを合図にリードは駆け出した。巨大野獣は手始めに左腕を使い、リードに向けて、振り降ろした。

リードはそれに気づき、左に回避して、急いで巨大野獣の足元に向かった。

(とりあえず、やにくもに攻撃するのは危ない… まずあの巨体のバランスを崩そう…!)

とリードはそう思い、巨大野獣のバランスを崩す為に最初の狙いを両足にし、斬りかかる。

しかし、巨大野獣はそれに気づき、片足を上げ、リードに向けて踏み潰し攻撃をする。

(まずい!!)

リードは咄嗟の判断でその攻撃が来る前に急いで、右側に飛び込んで回避した。その後に


ズガンッ!!!


という激しい音をたて、リードのいた所が凹み、風圧と砂煙が発生した。その風圧は下手をすれば人を吹き飛ばされる程だったので、その場にいたハンター達とリードは、何かに捕まり、吹き飛ばされることを防いだ。

風圧が収まった所で、リードは立ち上がり、また巨大野獣へと向き合った。その巨大野獣は、リードが立ち上がる間、何もせずにじっとリードを見ていた。

その顔は笑っていた。それはリードの事を舐めているようだった。

(どうすれば戦えるんだ…!?)

とリードは内心焦り始めていた。先程まで、2匹の野獣を倒した後、すぐに一対一の戦いが始まり、2回の攻撃を回避したので、体に疲れが出始めていた。

今のリードの体はフラフラしていた。

それを見たハンター達は

「リードさん大丈夫なのか…?」

「やっぱり俺達も…!」

との心配の声が聞こえたので、リードは気合で体のフラフラを止め、姿勢を良くし、まだ戦える事をハンター達に見せつけた。

その効果が少しあり、ハンター達の心配の声が

「頑張れ!! リードさん!!」

というリードの応援の声に変わった。


応援の声に変わったのを巨大野獣は聞いて、笑いながら話し始めた。

「ハハハ… オマエ、ガンバレ… ツギハ、オレノバンダ!!」

と言うと、素早くリードに接近し、右手に拳を作り、その巨大な拳をリードに当てにいく。

その拳をリードは左に回避しようとしたが、リードは疲労が原因で、足が躓いてしまった。

リードとハンター達は顔を真っ青になった。

リードは急いで立ち上がろうとしたが、もうその巨大な拳は迫っていた。その瞬間、リード自身の空間はゆっくりとなった。


そのゆっくりの空間でリードは周りを見た。

リードを助けようと手を伸ばすハンター達、これで終わりと確信し、笑っている野獣達が見えていた。

(これで終わってはダメなのに!! まだ助かってないのがいっぱいいるのに!!……


これで終わってしまうのか… )


とリードは自分の死を再び悟った。リードが悟った後、


スドォォォォォン!!


と巨大な拳が直撃した音が村に響いた。

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