一対一
リードの登場と一匹の野獣を倒した事により、戦いの空気が変わった。リードが先陣をきり、他のハンター達に指示しながら戦っている。
「そこ!! あまり攻めないで下さい!!」
「はい!! リードさん!!」
そのリードの指示のお陰で犠牲になるハンターが減り、見事なコンビネーションを出していた。
ハンター達はリードが一周り大きく変わったように見えていた。
今、3匹の野獣と互角に戦える状況になっていたが、巨大な野獣はその戦いを傍観していた。
その巨大な野獣にリードは
(なぜ戦わずに見ているのだろうか?)
と疑問に思いながら戦っていた。
一匹の野獣が1人になったハンターに飛び掛かろうとしたが、それにリードが気づき、足に力を入れて地面を蹴り、一瞬でその野獣に近付き、横に剣を振った。
それは見事に野獣を上半身と下半身に切り分けた。
これで2匹目の討伐をした。
2匹目の野獣がやられた所で巨大な野獣は、
「オイオマエ… オレトタタカエ…」
とリードを指定し、戦いに参戦してきた。参戦した事で他の2匹の野獣は、巨大な野獣の後ろに下がった。
それはまるでリードと一対一の戦いをしたいようだった。
それを見たハンター達は、危険視していた存在が前に出てきた事により、チャンスと思い、5人のハンターが巨大な野獣に攻撃し始める。それを見たリードは
「やめろ!!」
といつもの丁寧な口調が忘れる程焦り、停止しようとしたが遅かった。
「オソイ」
と巨大な野獣は言い、飛んで斬りかかろうとした3人の剣持ちのハンターを両手でまとめて
バチン!!
と合わせて潰した。まるで飛んでくる蚊を潰すような動作だった。
そして、その合わせた両手で、下にいる2人の槍持ちのハンターに向けて、上から振り下ろして、
ドカン!!
っと地面が凹み、その2人も潰された。一気に5人のハンターが殺られ、建物や地面に多くの血が付いた光景を見たハンター達は勢いが止まった。その中には、恐怖で震えだしていた者もいた。
リードは
(つ… 強い… しかし、相手は私との戦いがしたいみたいだ… それなら…!)
と思い、すぐに他のハンター達に
「他の人は手を出さないで下さい!! ここは私に任せて下さい!!」
と指示し、巨大な野獣と一対一で戦う事を選んだ。
それに対して他のハンター達は危険だという事を思っていたが、さっきの巨大な野獣の強さを見て、それぞれの自身の力不足に痛感し、理解した。
ハンター達は悔しくなりながら、リードの指示に従った。
これで巨大野獣とリードの一対一の対決が決まった。