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討伐

2匹の野獣が次の獲物として、リードに迫っていた。

リード自身は腰が抜けていて、逃げられなかった。これで終わりなんだとリードは思い、目を閉じた。その時、


ヒュン!!


っと何かが飛んでくる音が聞こえ、その後に、

グゥ!?

と苦しみながら驚いているような野獣の鳴き声がした。その起きた事に気になってリードは目を開けた。

そこでリードが見た光景は、

一匹の野獣が右目に刺さったナイフに痛みながら抑えて、そこをラグが野獣の首に目掛けて、横一閃に剣で切る姿だった。

野獣にナイフが刺さっていたのは、ラグが野獣の目へ目掛けて投げて刺したのである。

野獣が怯んでいる隙に、ラグは横一閃で野獣の首に剣を振って、その野獣の首を取った。

そこから血飛沫をあげて、一匹の野獣が倒れた。

一周り大きい野獣は、ラグの存在に気づき、大きな拳を作り、ラグ目掛けて叩き潰すみたいな攻撃をしてきた。

その時には一匹目の野獣の頭を取った後なので、回避することが難しい。それでリードは

(危ない!!)

と声に出そうとしたが、その必要はなかった。

ラグはその攻撃を予想していたのか野獣の下へ滑り込んで回避し、そのまま野獣の両足を切った。

その機敏な動きを目の前にしたリードは驚がくした。

両足を切られた野獣自身も驚いて、バランスを崩し、前の方に倒れる。

その瞬間をラグは見逃さずに、すぐに立ち上がり、駆け出した。

駆け出した勢いを利用し、前に倒れる野獣の首元目掛けて、剣を縦に振った。

スパン!!っと勢い付いて野獣の首を切る剣の音がその場に響いた。

これでジン、マルスを犠牲にしたが、2匹の野獣の討伐を、一人の少年が見事にやり遂げた。


ラグはナイフが刺さっている野獣の頭を掴んで拾い、そのナイフを抜き取った。

そこから野獣の血が流れるが、ラグは気にせずにナイフを自分の荷物に戻した。

ラグは腰の抜けたリードに近付いた。しかし、リードは近付いてくるラグにも恐怖を感じた。

それは、この場で戦闘をし、ジンとマルス、2匹の野獣の血が飛び散り、一面を赤色に染まっている。それなのにラグは平然とした顔で近寄ってくる。

(な…なんでそんな平気な顔をしていられるんですかラグ君!?)

とリードは内心思い、ラグは本当に人間なのかと恐怖で疑問に思った。


ラグがリードの前に着いた。リードはラグを見て、心臓をバクバクと速めた。そして、

「リードさん、大丈夫ですか?」

とラグは心配そうにリードへ声を掛けて、手を伸ばしてきた。

「あ…ありがとうございます。ラグ君」

とリードは震えるのを耐えて、ラグの手を掴んで立ち上がった。

「ジンさん、マルスさんの事すいません…!!

これは自分が率先して行動したことで、2人を死なせてしまいました…  すいません!!」

とラグは自分のせいでという自己責任で、涙が流れるような顔をし、土下座までしそうな雰囲気だった。

リードはそのラグの顔を見て、恐怖心はあるが、そんな顔をしないで欲しいという心でラグに

「ラグ君、そんなに責めないで下さい。もしラグ君がいなければ私も死んでました。この言葉はラグ君にとっては苦しいかもしれませんが、

助けてくれてありがとう。ラグ君」

とリードはラグの苦しみを楽にさせる言葉をかけた。

その言葉を聞いたラグは

「う……うわあああ!!」

と大きな声で泣いてしまった。

森はその泣き声を受け入れ、悲しい空気を作り出した。


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