ガート達との再会
ガートとシャーレはいつも通りの日常を暮らしていたが、やはりラグがいる時といない時の生活は少し違う感じがした。
ラグがいる事でまるで家族が増え、楽しく生活してた感覚があった。
その感覚に懐かしくなりながら、寂しい気持ちがガートとシャーレの中に残っていた。
いつもの平然として寂しい気持ちが少しある生活をしているガート達は、
「「はぁ…」」
とため息を漏らしていた。
今ラグは順調に旅をしているだろうか?
戻って来るといいな
など、二人はラグの事を考えて心配していた。
「では、ワシはそろそろ外の作業でもしてこようかね」
とガートは言い、椅子から立ち上がり、外の作業をやろうとしていた。
それにシャーレは「気を付けて」と言った。
その時に
コンコンコンッ
と玄関の扉を叩く音が聞こえた。
その音にガートとシャーレは、なんて珍しいと思った。
ここは森の中にある家、もし尋ねるとしたら方向がわからなくなった人だろうと感じ、ガートが丁度外へ出る所だったので、ガートが対応する事となった。
初めはどんな困り事かなとガートは思って、その人に何か教えられたらいいなとの親切心で対応しようと思った。しかし、ガートが思っているのとはとても違っていた。
ガートが玄関の扉に手を掛けて、扉を開けた。
「はい〜 どうしたか……」
と扉を開けたガートの声が止まった。それにシャーレはどうしたのかと気になり、ガートの側へと移動した。
そして、シャーレもガートと同じような気持ちになった。
それは、まるで一度別れた家族が戻ってきた気持ちと同じように、とても嬉しく言葉に出ない気持ちだった。
何故その気持ちになったのかはガート達の目の前にいる人物に関係している。それは…
「え〜と……お久しぶりです」
と、再開したかった少年であり、一時期共に生活していた少年でもある、ラグが目の前に居た。
ラグが今目の前にいる事で、ガート達は少し涙が出そうになるが、嬉しい気持ちが前に出た。
「ラグ君、どうしたのかね?」
と喜びで口元に笑みを浮かべるガートがラグに聞いてみた。
心の中で、無事で良かった、怪我なくて良かったと思っていた。
その問いにラグは
「実はガートさんやシャーレさんに助けて貰いたいと思い戻ってきました」
と真剣な目で答えた。それにガートは少し疑問になりながら
「ほお、それはどんな事なんだい?」
と聞き返した。
「実は…」とラグが答えようとした時に、ラグの後ろから
「ラグ様?私も声掛けてみても良いでしょうか?」
と少女の声が聞こえ、ほお、もう一人いるのかとガートは思い、その少女の方へ視線を向けた。
その少女は帽子を被っており、服は汚れているが青色の生地に小さな花柄が付いている服装。髪は珍しい色の白銀で、とても綺麗だった。
その少女はガートとシャーレを見て、声をかけてきた。
「お二人がガート様とシャーレ様ですか?」
ととても丁寧な言葉を使ってきたので、二人は軽く驚いた。そして、その質問に
「ええ、私達がガートとシャーレですよ」
とシャーレが答えた。
答えたら、その少女は何故か嬉しくなったように、とても明るく、無邪気な声で
「良かったです!私はジナ・ベーレと申します!」
と少女、ジナが自身の名前を答えた。
ジナの名前を聞いたガートは聞いたことあるようなと思い、昔の事を思い出すと、急に目を見開いて、とても驚いた様子になった。
シャーレはガートがこんなに驚く事にどうしたのか疑問になったが、その疑問はすぐに分かった。
ガートは声高くなり、ジナへ質問した。
「もしかして…ヴァルカラ王国の王族!?」
それを聞いたシャーレもガートと同じように、とても驚いていた。
まさかここで王族の人が来ることが予想しなかったからだ。
ガートとシャーレはすぐに土下座をし、謝罪を始めた。
「も…申し訳ありません!!まさか王族の方と思わず、礼儀正しく接することが出来ず!!」
とガートは焦っていたが言葉を考えて、目上の人に使うと言葉を使った。
急に二人が土下座したことにジナは驚き、土下座しなくていいように少し焦りながら、
「だ…大丈夫ですよ!?そこまでしなずに!!」
と二人に言った。
それを聞いたガートとシャーレだが、やはり王族相手なので、礼儀を崩さなかった。
ジナは本当に気にしなくていいのにまだ土下座している事に困り、少し泣きそうになっていた。
それにラグは助け舟を出した。
「実はジナについて関係あって、ガートさん達を訪ねました」
その声にガートとシャーレはへ?と顔をあげ、目を丸くした。
何故自分達に王族の少女が訪ねるのかとガートとシャーレは思った。
「詳しく話すので中に入ってもいいですか?」
とラグは聞いて来たので、それにガートは
「あ…ああ、大丈夫だよ」
と言った。
とても気になっていた部分もあるので、家へ入る事を歓迎した。
これからガートとシャーレにジナの事を伝える事になる。




