表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
時忘れの砂を求めて 〜僕の記憶を忘れる為の冒険〜  作者: ロロ
半獣のお姫様、ジナの過去
104/199

悲しみの夜の終わり

 「う〜ん」 

という声を出して、ジナは目が覚めた。

あの後、泣き疲れて眠っていたらしい。

 ジナは上半身を起こし、体にかかっている毛布みたいなのを取った。

 ジナがその毛布みたいのを見てみると、それはラグが着ていたフードで、体をかなり包む感じの寝ていた所は、どうやら大木に穴を開けて、そこで休める簡易的な寝床だった。

 (こんな大木に人が休める所があるんですか…やっぱり外の世界は驚きがいっぱいですね)

 とジナは思っているが、実はラグが野獣の力を使って作った寝床だった。


 大木の寝床を見通しながら、ジナは穴から出ると、すぐ目の前にラグが座って、ラグは持っている剣を支えにし、どうやら外で寝ないで護衛していたみたいだ。

 ジナはすぐにラグがいる事に安心し駆け寄った。

 ジナが駆け寄ってくる足音にラグは顔を振り向き、

 「……あ、おはようございますジナお嬢様」

とラグは寝てないのに笑顔を作り、ジナへ朝の挨拶をした。

 そのラグの笑顔を見たジナも笑顔になり、

 「おはようございます!ラグ樣!」

とジナはいつもの明るい声を出して朝の挨拶をした。


 ジナが起きた事でラグはジナが寝ている時に、なるべく寝床と近い所で果物を集めていて、その果物をジナへ渡し、一緒に朝ご飯にした。

 「……ジナお嬢様、大丈夫ですか?」

と、とりあえず早く聞いてみようとラグは思い、今のジナの状態を確認した。

 それを聞かれたジナは、持っていた果物を口から離し、目を伏せてしまった。やはり聞かない方が良かったとラグは思い、少し自身を責めた。しかし、

 「…心配ありがとうございますラグ樣、あの時よりも落ち着いてます。しかし、私はこれからどうすればいいか不安になってます。」

 とジナはラグの問いに答え、自身の状態をなるべく伝えられるように言葉にした。

 それを聞いたラグは答えてくれて安心し、ジナのこの先の事の不安という言葉に共感をしていた。

 「確かに不安になりますよね…だけど、安心してください」

 とラグは言ったが、ジナはラグのその言葉に少し気持ちを害した。

 「……ラグ樣?何故そんな言葉を使いますか?人の気持ち考えましたか?」

 とジナは言い、きっと私の事を何も知らないからそんな言葉が出てるんだと思っていた。

 それを言われたラグは確かにと思い、凹んだが、ジナが安心して生活出来るようにしたい気持ちがラグの中でいっぱいになり、

 「自分の言葉足らずの発言失礼しました…だけど、ジナお嬢様が安心し生活出来る所が自分知ってます」

 と、ラグは思っている事を隠さずにジナへと伝え、ガート達の家へ向かうように、正面からぶつかろうとしていた。

 ラグのその言葉でジナは怒り出し、

 「ですからそんな言葉やめ……!?」

と言い返そうとしたが、言い返さなかった。それは、

 ラグの目は真剣にジナへと見つめていて、その目を見た事で不思議と何も言い返せなかった。そして、段々とラグの言った言葉は一つ一つ真剣で話しているとジナは感じていた。やがて、

 「……それはどんな所ですか?」

と少し疑問の気持ちがあるが、ジナはラグを信じてみようと思った。

 その言葉にラグは

 (やっと伝わった!)

と思い、嬉しくなった。


 「はい、自分、前にお世話になった所で、とても優しい老夫婦が住んでいる所なのですよ」

 とラグはガート達の話を始め、それをジナは聞いていた。


 その話を聞いたジナはちょっと行ってみたい気分になり、

 「では、私もそこへ言ってみたいです!いいですか?」

 と興味を持ち、ラグに道案内をお願いした。それにラグは嬉しく思いながら、

 「いいですよ!任せてください!」

と自身の胸を叩いて、任せてのポーズを取った。


 これでラグとジナはガート達の家へ向かって、旅に出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ