野獣2
野獣はジンの頭を夢中で食べている。
骨が折れる音、何かが潰れた音が響いている。
ジンは力がなく、自身の武器を落とし、動かなくなってしまった。ジン・ラガはそこで亡くなった。
唯一の親友を亡くしたマルスは
「…この野獣が!!」
と怒りを露わにし、弓に力いっぱい引いて、ジンを食べた野獣に標準を合わせる。しかし…
ズシン!!
と何かがマルスのいた所に降ってきた。砂煙が舞い上がる。その場にいたリードは一瞬のことでいろいろあり、頭がこんがらがっていた。
砂煙がなくなると、マルスのいた所にさっきの野獣よりも一回り大きい野獣が現れた。その野獣の下には、潰された人だった肉片があった。それは手足が千切れていて、目玉も転がっている。千切れた手には弓が持っていた。
そうその肉片はマルス・ジーナのだった。
2人の頼れる先輩の亡くなる姿を見たリードは
「ああ…」
と恐怖に襲われていて、腰の力が抜け、後ろに倒れて、座った状態になった。
マルスを潰した野獣は潰れたマルスを見て、
カッカッカッ
という笑い声みたいな鳴き声を上げた。
その野獣が鳴き終えると、リードの方を見て、次の獲物としてリードに二足歩行で近付いていく。
ジンを食べていた野獣もリードに気づき、近付く。
2匹の野獣が近付いて来ることで、リードは恐怖で逃げ出そうとしたが、腰が抜けて逃げられない。
リードは近付いてくる2匹の野獣の足音に、自分の死が迫っている事を感じ、目をぐっと閉じた。