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プロローグ
時忘れの砂…それは、浴びた人の過去を忘れさせる砂である。どんなに忘れたくない記憶でも忘れてしまう。
その脅威的な砂を求める人たちトレジャーハンターがいた。
時忘れの砂は世界で一袋であり、近づけば光って見える。その砂を見事に見つけ、コレクターに売れば億万長者になれる。しかし、そのスナは絵本やおとぎ話に出てくる砂であり、見つけるには何年もかかってしまう。
これはある少年が時忘れの砂を求める物語である。
ある夜、森の中を進んでいる少年がいた。その少年の腰には剣とナイフが備わって、大きな荷物はなく、コートを羽織っていた。特に少年が持っている物はマッチと少しのお金である。
「あと少しで村に着くかな?」
と、少年は独り言をつぶやいた。
少年は夜の森を何も恐怖を感じずに、慣れた足で森の奥に進む。しかし…
グルルゥゥゥ…
と茂みから何かの鳴き声が聞こえた。そして、少年はその鳴き声にも何も感じずにこうつぶやいた。
「またか」っと。