樋口薫side3
いつも読んでくれてありがとうございます!
今回は薫sideです!
「ふぅ~やっと着きましたね」
「んぅ~もう一生分歩いた・・・」
私たちはグレン山脈にたどり着いた。
追手の方も協力者が私たちの方に来ないようにしておいてくれたのだろう。
「それにしてもでかいですね・・・」
グレン山脈を見てみると、エベレスト級の山が乱立しているかと思いきや、大きな谷底もある。
「・・・これを行くの?」
音無先生がうんざりした眼差しを山々に向けている。
私も同じ気持ちだ。
だが、達哉君を探すには避けては通れない。
「先生、行きましょう」
「ん、待って」
私たちは登山を開始した。
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3時間後
「んぅ~もう無理!!」
音無先生が地面に腰を下ろした。
「先生・・・まだ半分も登り切っていませんよ・・・しっかりしてください・・・」
私は先生を励ますが、もう動く気がないらしい。
「お酒飲みたい!パチンコ行きたい!布団で寝てたい!」
(本当になんなのかしらこの人・・・)
私は絶対零度の視線を音無先生に向ける。
もはやこの旅で私と音無先生の立場は完全に逆転した。
ここぞという時はしっかりしているが、それ以外はダメ人間すぎる。
それが私の感想だった。
「ん///薫ちゃん、そんな冷たい眼差しでこっちを見ないで///」
そして、色々こじれている・・・
「ハア~」
日はまだ傾いていないが、この調子で歩いても仕方がないだろう。
「まだ早いですが、次の休憩地点で今日の登山は終わりにしましょう」
「ん!賛成!」
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ねぐら探しにはあまり時間はかからなかった。
5分ほど歩くと、一夜を過ごすのに丁度良いところを見つけた。
テントを張ったりしていたら、日が沈みかけていた。
私たちはそこで焚火をして、二人でそれを囲んだ。
「≪奈落の樹海≫・・・はたから見ると、自然の雄大さに感動させられるのだけれど・・・」
「ん、日が沈むと、真っ黒。入ったら二度と出てこれなさそう・・・」
私たちはこの山の上から、≪奈落の樹海≫を見下ろしていた。
もし達哉君がこの真っ黒な中にいたら、生きていられるのだろうか?
「そんなこと考えちゃダメよ」
私は嫌な予想を首をぶんぶん振って振り払った。
そして、
「2時間くらいずつ交代で休みましょう。先生先にどうぞ」
「ん、お言葉に甘えさせてもらう」
音無先生はテントの中に入って眠った。
「ハア、疲れたわ・・・」
私たちは文明社会。しかも世界で一番安全な国で生きてきた。
毎日毎日、獣や盗賊などの危険に対して、常に警戒しなければならないなんて生まれてこのかた一度もなかった。
「神経が磨り減るわ・・・もう10年くらい年を取った気分よ・・・」
独り言がこぼれる。
そういえば、達哉君とこんなこともあったわね・・・
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夏休み前の放課後
『今日は私の勝ちね』
『やられた・・・完全に樋口さんの手のひらの上だったね』
私たちはその日リバーシをやっていた。
負けたくない私は夜更かしをしてハメ手を考えてきた。
『ええ、達哉君を倒すためだけに考えた作戦よ。感謝なさい』
『光栄です、お嬢様』
『うん、よろしい。では何にしようかしらね~』
勝者の特権で、相手に何か軽い命令できるのだが、何にすればいいかわからなかった。
『思いつかないなら明日でもいいんじゃない?』
『これはその日の勝者の特権よ。なら、今日中にできることじゃなくちゃダメよ』
『そ、そうですか。じゃあ片づけておくからその間に考えておいてよ』
達哉君が道具を片付けだす。
とはいっても私の方も特に何かしてほしいことがあるわけでは・・・
と思っていたが頭に思い浮かんだ。
『これがいいわね・・・達哉君、思いついたわ』
丁度達哉君が片付け終わったところだった。
『お、じゃあ何をすればいい?』
『とりあえず、私についてきてくれるかしら』
私たちは学校を出た。
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『ここよ』
『ここって・・・』
『コンビニよ』
『なんでコンビニ?』
達哉君からしたら当たり前の疑問だろう。
ただ私は、
『その、友達と、下校で一緒に、その///買い食いみたいなことをしてみたかったの///』
私は友達がいなかったので、こういうことをしてみるのが夢だった。
『ふ、っふふ』
それなのに、達哉君は笑っていた。
『何かおかしいことを言ったかしら?』
私はちょっと語気を強めに言った。
『いや、ごめんごめん。学校を出るときから、深刻な様子だったからどんなお願いが来るんだろうと思っていたから、ついね』
『失礼ね///私にとってはコンビニだって初めてだったのよ///』
私のお願いは平凡すぎてあっけに取られたらしい。
失礼な話ね。
『じゃあ一緒に入ろうか』
『あっちょっと待って!』
私は人生初、友達とコンビニで買い食いをすることになった。
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達哉君は先に行っててと、自分の肉まんを私に預けてレジに並び直していた。
私は何が買いたいということもなかったので、テキトーに飲み物でも買った。
人生初のことを達成することができて、私は清々しい気分になっていた。
『新しいことをやるときって新鮮な気分にもなれるわね・・・』
また達哉君を初体験にさそうかしらね
『クスクス』
『お待たせ・・・あれゴキゲンだね?』
『ええ、そうね。いいことがあったのよ』
『ならよかった。じゃあ僕からのプレゼント』
達哉君からアイスを渡された・・・・何の変哲もないバニラだった。
『これ・・・私に?』
『うん、僕からのコンビニ初体験のお祝い』
『その、ありがとう///」
『どういたしまして』
私たちはコンビニのゴミ箱の横で並んで立っていた。
私はバニラ、達哉君は抹茶のアイスを食べている。
ズルい・・・私だけやられっぱなしじゃつまらないわ・・・
何がいいかと考えていると、閃いた。
『達哉君』
『ん・・って何してんの!?』
『何って達哉君のアイスが美味しそうだからちょっといただいただけよ。ご馳走様』
私は達哉君のアイスを無理やり食べた。
ちょっといただくつもりが、一気にかじっちゃったのは誤算だったけど・・・
『ええ~』
ちょっと困った顔をしている。
ここまでは狙い通り。
『お詫びに私のアイスをあげるわ』
『え?』
面白いくらいに固まっていた。
『どうしたの?これはお詫びよ?』
『いや、でも///』
こういう時は意気地がないのね・・・
『やっぱりいい、っグモ!』
『ごちゃごちゃうるさいわね・・・さっさと食べなさい』
私は無理やり達哉君の口にアイスをねじこんだ。
そして、もぐもぐ食べる達哉君に
『美味しい?///』
『う、うん///』
そこから私たちは自分たちの行いを思い出して、一言も話さずアイスを食べきった。
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「ふふふ、達哉君、むにゃ~、はっ!」
「ん?起きた?よく寝てたね」
目が覚めると、太陽が昇りかけていた。
そして、見張り番をサボってしまっていたことに気付いた。
「す、すいません」
「いいのよ。こんなに疲れさせちゃってごめんね。私の方が先生なのに・・・」
「いえ、先生のおかげでぐっすり寝れました、ありがとうございます。先生も少し休んでください」
よく見てみると、目の下に隈ができていた。
おそらく私が寝てからずっと起きていてくれたのだろう。
「ん、じゃあお言葉に甘えて・・・1時間くらい仮眠を取らせてもらうわ・・・ふぁあ」
そこから、ピッタリ1時間後に音無先生は起こして、朝ご飯を軽く食べて私たちは頂上目指して歩き出した。
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山の頂上が近づいてきた。
「ん?」
「どうかしました?」
「何か嫌な予感がする?」
「え、私には何も・・・」
音無先生は顔をしかめて、私に伝えてきた。
「ごめん、薫ちゃん。杞憂だったらいいんだけど、この山の頂上から嫌な予感がする。それも早く行かないと取り返しがつかないような・・・」
音無先生は本気の目をしていた。
こういう時の先生の勘は当たるというのが一か月をともにしてきた私の感想だ。
「わかりました・・・乗ってください」
「ん」
音無先生をおんぶして、背中に背負い、≪剣聖≫の力で目にもとまらぬ速さで登山した。
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「おら!≪炎の巫女≫はどいつだ?!」
「おら!吐け!」
グレン山脈のある山の頂上で狐人族は一箇所に集められて縄で縛られていた。
「わしらもわからんのだ・・・せめて子供だけは・・・」
「本当に知らないのよぉ・・・」
「うわーん!お母さん!」
「いかがいたしますか、デューク様。全員吐くまで拷問しますか?」
狐人族を少し離れた場所で優雅に紅茶をすすりながら、眺めている血色の薄いデュークと呼ばれる魔族がいた。
「うむ、狐人族は≪太陽の神殿≫を離れると無力になり、≪炎の巫女≫だけは例外で力を使えるだったか」
「はい、おっしゃる通りです」
「では、こうしよう」
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「貴様らの中に≪炎の巫女≫はいない。それで良いのだな?」
「そうだ、何度聞いても同じことだ」
「うむ、ではこうしよう。やれ」
「はっ!」
魔族が狐人族の子供を連れてくる!
「待って!やめて!コンをどうする気!?」
狐人族の子供を母親から引きはがす。
「うわああああん、お母さん!!」
コンと呼ばれた子供の狐人族はデュークの前に連れ出された。
「おらうるせえ!デューク様の御前だ!」
頬を叩いて無理やり泣き止ませさせられる。
「ひっぐ、ひっぐ」
涙目でコンはデュークを見上げる。
「うむ、すまぬな。大人共が全く≪炎の巫女≫を出さぬから貴様に代わりになってもらうことにする」
「なっ、子供に手を出すな!!身代わりにはわしがなる!!」
「それでは意味がない。コンとやら、今からゲームをしよう」
「ひっグ、ゲーム・・・?」
「そうだ」
パンパンと手を叩く。すると、数人の魔族が布で覆われている箱に手をかけた。
中には、頭が三つある犬。ケルベロスがいた。
「ひっっっ」
コンは恐怖でじょぼじょぼと漏らしてしまうことすら気が付かなかった。
「ではゲームの内容を伝えよう。こいつは私の愛犬でな。今日の餌をあげていなくて腹を空かしている。そこでゲームだ。ケルベロスからコンが10分逃げきれたら貴様らを解放しよう。逃げきれなかったら・・・分かるかな諸君?≪炎の巫女≫がいるなら早く名乗り出た方が良いぞ?幼子の命が消えてしまうぞ?」
「この外道!!!」
「いやああああああああ、やめてええええええええ」
狐人族は叫ぶが、檻が開けられてしまった。
「ではゲームスタートだ」
「ひっ」
コンは座ったまま動けなかった。
「グルル」
よだれを垂らして狐人族に近付いた。
「やめろ!代わりなら私がなる!」
「それではつまらんだろ?それ、早く逃げないと食われてしまうぞ?」
ケルベロスが徐々にコンとの距離を近づいていく。
「逃げて~~~~~~~~~~~~!!!!!」
「っっ」
コンはなんとか足に力を入れて後ろに走り出した。
山の上にいては格好の的になってしまうので、下山した。
「ほれほれ逃げないと死んじまうぞぉ?」
「頑張れ坊主!大人が不甲斐ないからかわいそうになぁ」
「10分後に帰ってくるのがケルベロスか坊主か賭けようぜ!!」
ギャハハと魔族達は下品な笑い声をあげる。
「コン・・・・」
「おのれ・・・!」
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「はっ、はっ、はっ」
コンは無我夢中で走った。
涙と鼻水で顔中が汚くなったが、とにかく逃げた。
「ウォーン!!!」
三つの頭を持つ犬が追ってくる。
隠れられる場所がないので、とにかく止まったら捕まる!
「ええ~~~ん」
自分がなぜ追われているのか。なぜこんなことになっているのか。
ただ、捕まったら死ぬ。食われる。
それだけは本能が告げていた。
だが、
「っっっ」
飛び出ていた岩に足を引っかけてしまう。
「いた、痛いよぉぉ」
膝から血が出て、動けなくなる。
しかし、自分の置かれている状況を思い出し、なんとか走り出そうとするが、
「ガア!!」
「ヒイ!!」
ケルベロスに押し倒されてしまう。
三つの頭が全員自分を見ている。
自分はもう死ぬんだ。けれど、まだ生きたい。それは生き物が持つ生存本能だった。
「た、たす、けて」
ケルベロスが無慈悲にコンを食べようとする
「私の前で何をしているのかしら?クソ犬」
「グル!!!!!!!???」
さっきまで目の前にいなかった人間がいて咄嗟に身を引いた。
なんだこの人間は?
目の前の人間は自分たちのことを無視して狐人族を見ていた。
「先生、この子、獣人ですよね?」
「ん、そうね、とりあえず私が≪回復≫魔法をかける」
「お願いします」
屈辱だった。
ここまで、いないものとして扱われたのは初だった。
「ウォーーーーーン!!!!!」
臨戦態勢を整えて目の前の人間を食いに行く。
三つに死体を分けて食べよう。
そうしたら、後はあの狐人族とあの人間も食べられる
幸い全くこの人間は自分たちの動きに全く反応ができていない!
獲った!!
ズル
ん、今何か聞こえたか?それよりなぜ天地が逆転している?
「汚いわね・・・犬なら人間を食べようとしちゃダメでしょう?」
自分たちの背中が見えて気が付いた。
自分たちはさっきまでこの女が持っていなかった、剣で斬られたことに・・・
そのまま意識が暗転した。
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「それにしても流石ね・・・≪剣聖≫の力もだいぶ使いこなせてきたんじゃない?」
「そうですね」
私は自身のステータスを見直した。
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樋口薫 レベル:35
≪職業≫:≪剣聖≫
≪スキル≫:剣術 武器破壊 納刀術 抜刀術 俊敏 刃耐性 剣強化 空断
≪所持≫:≪カリバーン≫
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「相変わらず、チートだね・・・」
そういう音無先生だってこうだ
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音無典子 レベル:30
≪職業≫:≪付与師≫
≪スキル≫:回復 武器付与 全属性付与 攻撃付与 俊敏付与 防御付与 効果範囲拡大
≪所持≫:なし
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「とりあえずこの子を親のところに連れて行かないとですね」
「そうね・・・」
獣人の子供をぺちぺちとたたいて起こした。
「んん~ん」
「無事かしら?」
「ひっ!!」
普通に子供にこんな反応をされたら傷つく。
「大丈夫よ。このお姉ちゃんがさっきの魔物を倒してくれたから」
音無先生が母性溢れるオーラで獣人の子供を安心させた。
この辺りは経験だろう。
音無先生がコンに話しかける。
「君名前は?」
「・・・コン」
「そう、コン君、君は何をしていたのかな?」
さっきのことを思い出して身体が震えている。無理もない。
あんな恐ろしい動物に襲われたら一生もののトラウマだろう。
そして、自分がなぜ襲われているのか思い出して、
「そ、そうだ。お母さんがっ!!お姉ちゃんたちお願い!お母さんとみんなを助けて!!」
私と音無先生は顔を見合わせた。
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「そろそろ10分か・・・」
「コン・・・・コン・・・・コン」
狐人族は全員神妙な顔をして、コンの無事を祈っていた。
しかし、
「ケルベロスの遠吠えを聞いただろ?あれは獲物を食う時のサインなんだよ」
「あいつあれでも綺麗好きだからなぁ、骨以外何も残っていないんじゃないか?」
狐人族たちの願いは魔族の嘲笑でかき消された。
「・・・もう十分だろ・・・ここに≪炎の巫女≫はいない・・・」
静かに怒りを堪えながら老人の狐人族が言う。
デュークはうむと頷いて、
「では、ケルベロスが戻ってきたら、他の者に犠牲になってもらわなければな。まだまだあいつは腹が空いているのでな」
「この外道!!!地獄に落ちろ!!!」
コンの母親は叫んだ。
すると、デュークがコンの母親に毒魔法を浴びせる。
「カハっ」
血を吐いて地面にうずくまる。
「致死性だが、死ぬまで時間がかかる、せいぜい苦しめ」
「っっっ」
何もできない狐人族は自分たちの無力さに打ちひしがれていた。
「俺たちが何をしたっていうんだ!!!誰でもいい!!誰か助けてくれ!!」
コンの父親であろう狐人族は母親を抱いて、慟哭した。
そんな悲哀を魔族達は嘲笑で埋め尽くす。
「しかし、遅いなケルベロス。そろそろ戻ってきても良いころだと思うが・・・」
デュークが呟く。
「道草でも食っているんですかね」
頂上への登山道を見てみると、ケルベロスの頭が見えた。
魔族はやっと戻ってきたと、狐人族は絶望に暮れた。
が、ケルベロスの胴体は帰ってこなかった。
「はじめまして、クズども。御宅の犬チャンを返しに来たわ。胴体の返品は利かないのでご了承してくださいな」
異様な女がケルベロスの首を掲げていた。
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さて、状況を察するにあそこで捕まっているのが狐人族ね。
「お姉ちゃん!お母さんが!!!」
倒れている女性の狐人族がいる。
息が過呼吸になっているところを見ると、毒でも受けているのだろう。
駆け寄ろうとすると、魔族達に止められた。
「待ちな」
「てめえ、人間だよな?」
「ケルベロスはどうやって殺した!!」
ハア全くうざったい
「≪絶剣≫・・・」
「おいなんとか言ったら!・・・あれ?」
「お前首が・・・」
「太陽が反対に・・・」
魔族達の首が一瞬で跳ねた。
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「何だ・・・あれは」
デュークは焦っていた。
気が付いたら、部下の首が飛んでいて、気が付いたらあの女が銀の剣を持っていた。
本能が告げていた。
あの女と直接戦うのは不味い!
そう判断したデュークはいち早く、狐人族を人質にした。
「おい人間の女!一歩でも動いたらこいつらの首を跳ねるぞ!」
ピタリと動きが止まった。
よし、こいつらが弱点か。思った通りだ。
「お前たち、その女から剣を取り上げろ!そしたら後は好きにしていいぞ!」
後のことは部下に任せる。
「へへへ、よく見りゃいい女じゃねぇか!」
「たっぷり楽しませてもらうぜ!」
「まあ後になったら使い物にならねぇだろうけどな!!」
よし、30人ほどの部下で囲んでいる。
万が一あの女が暴れても、ここからなら私の奥義というべき毒魔法が発動できる!
時間がかかるのが難点だが、発動が間に合えば勝ちだ!
デュークは機転を利かせて今まで出世してきたのだ。
今回も思わぬアクシデントが起こったがいつも通りだ。
しかし、
「≪空断≫」
良く響く声が聞こえてきた。
なんだと思ったときには身体がズレていた。
部下もみんな横に倒れていた。
そして私は気が付いた
斬られたと、
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空断。カリバーンと≪剣聖≫の抜刀術を組み合わせた奥義。
効果は目に見える範囲のものとの距離を無にして斬る。
狐人族を捕えていた魔族の100人の部隊はたった人たちで全て斬られた。
「ふぅ~」
薫は≪カリバーン≫を鞘に納め、ひと呼吸した。
≪剣聖≫の前では魔族の部隊など一撃で沈む。
次回は本編に戻ります




