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魔族戦1

いつも読んでくださってありがとうございます!

FGOをやっていたら投稿が遅れました・・・


スルトの討伐(・・・・・・)

おれの口からポツリとこぼれた。

ルーナのお願いが想像以上だった。

さっきはルーナを助けるといった。

しかし、ヨルムンガンド級の相手に勝てるビジョンが全く見えない。

ヨルムンガンドに勝てたのは様々な諸条件がすべて俺たちに味方したからだ。

だから俺は正直に言うことにした。

「流石に無理だ・・・どうあっても勝てる気がしない・・・」

「そうね・・・相手の情報も何もない状況ではルーナのお願いに頷くことはできないわ・・・」

「何より、スルトをなんで討伐したいんだ?」

「そんなの決まってるわ!私たちを苦しめた張本人をぶちのめしたいと思うことはいたって自然でしょ?」

「復讐か・・・」

「まあ、そんなところね」

ルーナの目的と動機はわかった。

「だけどー」

「それに全くの無策ではない。私が≪篝火の祠≫にたどり着ければ勝算は十分ある!」

ルーナはそう強く宣言した。

「さっきも言ったけど、狐人族は≪太陽の神殿≫にいれば特殊能力が使える。けど、≪炎の巫女≫である私は≪篝火の祠≫にまでたどり着けばさらに一段階上の力が使える。そうなればスルトと戦うことができる(・・・・・・・・)

「それでやっと戦いになるということか・・・」

「そう。昔戦ったときもそうだった・・・あの時は狐人族が束になって戦ったけど、歯が立たなかった。だけど、今は達哉とイーリスがいる。強力な≪魔剣≫持ちに≪黒聖女≫、貴方たちが手伝ってくれればいける!お願い!」

ルーナが再三頭を下げてくる。

俺とイーリスは顔を見合わせる。

そして、

「まあここまで頭を下げられたらね・・・・」

「そうだなぁ」

俺は頭を下げたままのルーナに向き直って、宣言した

「さっきは弱気な発言をしたけど、最初に助けるって言っちゃったしな。引き受けるよ。だから顔を上げてくれ」

俺はルーナの頭を上げさせた。

「ありが、とう・・・グス」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ルーナは化粧直しといって沢に顔を洗いにいった。

残っているのは俺とイーリスのみだった。

「まさか、こんな短期間でアルブの使い魔と連戦なんて・・・」

「それな・・・イーリス、怖かったら逃げてもいいぞ」

「・・・どういう意味かしら?」

「俺とイーリスの協力関係は≪奈落の樹海≫を脱出するまでだった。だからイーリスはわざわざ俺に付き合う義理はー、ちょっと待て。なんで今≪空間≫を使ってんの?」

「うるさい!!」

「グヘっ!!!!」

俺は≪空間≫の窓から出てきたイーリスの拳でぶっ飛ばされた。

「私が達哉に打算で付いてくるわけがないでしょうが、馬鹿、鈍感、ド阿呆!!」

「けどー」

「けどじゃない!二度とそんなこと言わないで!」

「り、了解」

「分かればいいのよ」

フン、と言ってイーリスはそっぽを向いてしまった。

よくよくふりかえってみれば俺も突き放すようなことを言ってしまっていた。

ここまで一緒に苦難を乗り越えてきたパートナーに対して・・・

「イーリス」

「な、なによ」

「ごめん、後ありがとう。やっぱりイーリスがいないとダメだ」

「やっとわかったようね///」

「ああ、イーリスは俺の最高のパートナーだよ」

「~~~~~~~~~//////」

イーリスは明後日の方向を見てしまった・

「何してるの・・・?」

ルーナがこっちをジト目で見ている。

「な、何でもないわ///顔を洗ってくる////」

ルーナと入れ替わりで沢に行ってしまった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今度はルーナと二人きりになった。

ルーナはこれ幸いと俺の胡坐に座ってきた。

「・・・何してんの?」

「当ててんのよ。うふふ」

犯罪臭がするが、ルーナは合法ロリだ。何も悪いことはない。

胸に顔をこすりつけて、スリスリしてくる。

けど、俺の服を掴んでいる手は若干震えていた。

「達哉、本当にありがとう・・・本当に一人で不安だった・・・魔族だけじゃない。狐人族というだけで他の四種族にも迫害を受けた・・・この一年、毎日毎日死ぬかもしれないと思って過ごしてた・・・」

俺は黙って聞く。

「さっきの魔族の襲撃で魔力が尽きた時はもう終わりだと思った・・・何も成せないんだって・・・だけど、達哉が来てくれた。イーリスもね・・・」

「俺たちのことは気にすんなって、お礼はスルトに勝ってからもらうよ」

俺はルーナの頭をわしゃわしゃと撫でる。

ルーナの尻尾がぶんぶんと振れていた。

木の陰に修道服が少しはみ出ていた。

「今回は特別よ・・・」

イーリスはいつの間にか戻ったのか木の裏でルーナと達哉の戯れを羨ましそうに眺めていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「うまい!」

「本当ね!」

俺とイーリスはルーナが釣った魚を料理して食べていた。

料理といっても塩をかけて串焼きにしただけだけどな。

自然の素材はなるべく自然のままで食べるに限る。

「ふっふっふ。美味しいでしょ?グレン山脈で取れるこの魚は地脈のエネルギーの恩恵で普通よりも身がしまっているのよ」

ルーナが胸を張って説明してくれた。

俺たちが求めたささやかな報酬をルーナがグレン山脈の名物をご馳走してくれた。

「これなんて言う魚なんだ?」

「銀ケサよ」

惜しいな。触感が似ていたからまさかとは思っていたが・・・

「普通のケサよりもずっと美味しいわ!」

「俺は逆に普通のケサを食べたことがないから比較できないけどうまいわ」

俺たちは銀ケサを美味しくいただいた。

「頂上付近に行けば、金ケサが食べられるわよ。もちろん味に関しても銀ケサよりも圧倒的に美味しいわ」

「それなら早くスルトを倒さなきゃな!」

「全くね!」

俺たちは美味しいケサを片手に夕飯を楽しんだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さて、じゃあ明日の話をしましょう」

夕食が終わると、俺たちは明日の作戦会議を開いた。

さっきまでの宴モードは終わりだ。

ここからは戦いの時間だ。

「けど、スルト戦の前にやらなければならないことがある」

「魔族との戦いか?」

ルーナはコクリと頷いた。

「魔族と私たちの目的は同じ。そして、あいつらは私の力を欲しているから絶対に邪魔をしてくる。だからスルトとの戦いの前に魔族を倒してしまいましょう」

「それには賛成よ。けれど、肝心の場所はわかるの?」

「ええ、この地図を見て」

ルーナは砂の上にグレン山脈の大まかな地図を描いた。

そして、マークを付けた。

「これが大まかに魔族達がいる場所よ。大体100人くらいの部隊ね」

「100人か・・・多いな」

俺は素直な感想を漏らした。

俺は魔力を食う≪魔剣≫以外は接近戦で戦うしか能がない。

そのため、大きな獲物1匹よりも、複数の群れに囲まれたら弱い。

「達哉の心配していることはわかるわ。だけど、心配しないで。そのために私がいる」

イーリスが俺の心境を理解して先に応えてくれる。

「心強いよ」

「まあね」

イーリスは胸を張る。

「でも、それじゃあ俺のいる意味ってあるか?」

「とても重要な役割があるわ」

ルーナは断言する。

「それはーー」

俺たちは夜中まで作戦を詰めていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「それじゃあ行くか」

「ええ」

「行きましょう!」

俺たちは谷底からグレン山脈を登っていった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ハアハア、にしてもキツイな・・・」

「ええ・・・思った以上に登山って足にくるわ・・・」

「達哉、イーリスだらしないよ~」

俺とイーリスは登山開始2時間ほどで息が上がっていた。

「ルーナはよく平気だな」

「まぁね、生まれた時からここにいるからね。斜面にはなれているの」

ルーナは俺たちの前を普通に散歩するように歩いている。

「ああ~もう無理!!一回休みましょ!!」

イーリスがへにゃっと地面に座り込む。

正直俺も結構きつかった。

俺も地面に座り込む。

「ルーナ、少し休憩させてくれ・・・このままじゃ魔族と戦う前に力尽きる」

「もう~しょうがないなぁ」

ルーナはしぶしぶといった感じで納得した。

俺たちは岩を椅子にして座った。

そして、登ってきた轍を振り返ってみた。

「結構登ってきたな」

「そうね~それにいい眺め」

俺たちの目の前には広大な≪奈落の樹海≫が広がっていた。

「つい先日まであんなところにいたなんて夢みたいだ」

「ええ・・・」

俺とイーリスはつい先日までいた≪奈落の樹海≫について思い出していた。

「む~私だけ仲間ハズレ。私にも構ってよお兄ちゃん」

ルーナは思い出を共有していないので、疎外感を感じていたようだ。

俺の股の間に入ってきた。

「ルーナはスルトを倒したらどうするつもりなんだ?」

俺はルーナの尻尾を撫でながら、そう聞いた。

「全く考えていなかったわ、スルトを殺した後・・・」

ルーナは考え込んでしまった。

そして、

「その回答はスルトを倒したら伝えるわ」

「そうか」

「さっ休憩は終わり、行くよ」

俺たちは頂上に向かって歩き出した。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「着いたわ」

ルーナが呟いた。

魔族の拠点を見つけた時には、夕日が沈もうとしていた。

「あれが魔族の拠点・・・言われていたけど、想像以上に数が多く感じるな・・・」

「そうね・・・」

俺たちは魔族の拠点を岩と岩の間から見ていた。

ベースキャンプのようなテントがたくさん立っている拠点だった。

そこで魔人族は酒を飲んだり、談笑したりと思い思いの行動を取っていた。

「それじゃあ作戦通りに行くわよ」

ルーナの号令に俺とイーリスはコクンと頷いた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

作戦会議

『それは、いや、その前に私とイーリスの役割を確認しておくわ』

『魔法を使っての殲滅じゃないの?』

『ええ、その通りよ。だけど、相手は魔族。正面からじゃ、私たちがいくら強力な魔法を駆使しても雑魚は倒せても部隊の幹部は倒せないわ』

『待った、作戦に入る前に魔族の特性を教えてくれ』

ルーナとイーリスはこっちの世界の住人だから魔族の事をよく知っている。だけど、俺はこっちの世界の人間にとっては異世界人だ。知らないことはたくさんある。

『人間は15歳になったら職業を得て、魔力を使えるようになるというのは知っているわね?』

イーリスが説明してくれる。

それはこっちの世界に来てからフィアナ姫に聞いた。

『魔族は生まれた瞬間から(・・・・・・・・)魔力を使える(・・・・・・)。だから、魔族にとっては魔法やスキルというのは日常なのよ』

『人間とは熟練度が違うということか・・・』

『そういうことね。魔族一人の強さは人間の兵士10人分に値すると言われているわ』

マジかよ・・・ってことは100人の部隊ってことは人間の数で数えると1000人ということになるのか・・・

『狐人族の場合は、≪太陽の神殿≫にいさえすれば特殊能力が使えるけどね。そこは種族によって色々ルールがあるのかもしれないわ』

ルーナが追加説明をしてくれる。人間は数が多い代わりに特殊性が薄いんだろうな・・・

『じゃあ作戦の話に戻るわね。まずはー』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「≪空間≫!!」

イーリスの≪空間≫の窓がベースキャンプを取り囲んだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『まずは奇襲ね。油断しているうちにイーリスの≪空間≫と私の≪冷炎≫で全魔力を使って殲滅す(・・・・・・・・・・)るわ(・・)

『随分贅沢な使い方をするわね。魔力のバーゲンセールね』

イーリスがうまいことを言うが、ルーナは構わず話を続ける。

『とにかく私たちが雑魚を沈めるわ、達哉の役割はそこからよ』

『もしかして・・・』

『ええ、私たちが全魔力で雑魚を殲滅したらーー』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「んあ」

「なんだ・・・?」

「ふが・・・」

イーリスの≪空間≫展開に気付いたようだ。そのあたりは流石魔族。

だが、

「≪冷炎≫:散弾!!」

ルーナの≪冷炎≫がイーリスの傍で開かれている≪空間≫の窓に打ち込まれて、魔族の方にある出口側の≪空間≫の窓から放たれる。

「ぎゃーーーー!!」

「て、敵襲!!」

「グハっ!!」

ベースキャンプを四方に展開した≪空間≫の窓から≪冷炎≫が放たれたのだ。

完全に油断していた魔族はそれだけでひとたまりもない。

「ハアハア」

「クッ」

「イーリス!!窓が減ってる!!」

「うるさいわね!!そっちこそ≪冷炎≫の火力が落ちてるんじゃない?!!」

二人は軽口を言いながら、開いて打ち続ける!

魔族のベースキャンプは爆音と悲鳴で埋め尽くされた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

5分ほど経っただろうか。

「ハア~ハア~」

「フ~フ~」

ルーナとイーリスの魔力がキレた。

ベースキャンプを見てみると、煙が晴れてきた。

3人の魔族が盾を使って自身を守っていた。

あの集中砲火の中で無傷ということは何かスキルか魔法を使ったのだろう。

「あそこか!」

「よくもやってくれたな!!」

「死を持って償え!」

魔力切れを起こしたイーリスとルーナの元に3人の魔族が殺到する。

怒り心頭で襲い掛かってきた

が、

引っかかったわね(・・・・・・・・)

ルーナとイーリスは絶体絶命のピンチの中で笑った。

「『魔剣:飛式』三連!!!」

「グ」

「え」

「あ」

魔族は何をされたのかを理解できないようだった。そして、何も分からないまま倒れた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『雑魚を殲滅したら、幹部クラスの敵が私たちに襲い掛かってくるはずよ。そいつらは私たちの攻撃じゃダメージは与えられない。だから、私たちを囮にして、≪魔剣≫で食べちゃってね』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「本当にあの攻撃をかいくぐれるやつがいるなんてな・・・」

≪魔剣≫を収め。倒れた魔族を見下ろして、俺は感想を呟いた。

「お疲れ、達哉、ハア・・・キッツ」

「ハア、あんなに向こう見ずな魔力の使い方をしたの初めてだわ・・・ハアハア」

「そうね・・・でもまだー」

ドゴン!!!!!!

「っっっ」

「な、なによ!?こ、これは魔力?」

俺たちは魔力の発生源を見る。

そこはベースキャンプの中央だった。

よく見ると、中央のテントだけ全くの無傷だった。

「俺が寝ている間に好き勝手してくれたのはどいつだ!!」

魔力の奔流と力強い声が俺たちの耳につんざく

そして、出てきたのは青色の肌に2mほどの身長でツノが生えていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『それと達哉。これが一番重要よ。私たちがこれから戦う部隊には長がいるの』

『ラスボスってことか・・・』

『そう、だけど、私たちはその時に魔力が切れているはずよ・・・だからー』

『最後は俺と長との一騎打ちってことか』

『・・・本来は私がやるべきなんだけど・・・』

俺はルーナの頭をくしゃくしゃして、

『適材適所だよ。ただ雑魚の殲滅は任せたぞ』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

作戦会議で聞いてはいたが、ここまで迫力があるとは・・・

頬に伝わる汗に気付かないほどのプレッシャーだった。

「達哉、やっちゃいなさい!!」

「頑張って、お兄ちゃん!!!」

ふぅーーー

俺は深呼吸する。

そして、二人の声援を嚙み締め、腹を決めた。

「行くぞ!!!」

俺は≪魔剣≫と≪黒鍵≫を構えて、オーガとの戦いに身を投じた。

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