第六話 プール
みんなで高級ホテルの屋上プールに遊びに来た。
メンバーは麟太郎、炉薔薇、なじみ、れい。
「何で悪八九さんまで……」
「だって、わたくしは婚約者ですのよ?」
「何よ、あたしは麟太郎とずっと一緒に育ってきたんだから!」
「私のご主人様に何かご用ですか? “お客様”」
それぞれがメラメラと炎を上げていた。
炉薔薇は大胆な黒のビキニ。白い肌とのコントラストが美しい。
なじみはボーダーのビキニ。所々フリルがあしらわれていて、可愛い印象だ。
れいは花柄のビキニにパレオを腰に纏っており、何とも色っぽい。
胸の大きさは……れい、炉薔薇、なじみの順に大きい。
二人の胸を見たなじみはぐぬぬと悔しがっていた。
「な、何食べて育ったらそうなるのよ……」
「家ではよくふりかけご飯を食べていました」
「胸の大きさは食べ物より、睡眠が大事でしてよ!」
「む、胸の大きさなんて関係ないよ。落ち着いて!」
三人の視線がなじみの胸に向かった。
「……り、麟太郎よりはあるわよ!」
なじみは麟太郎の腹部を目掛けてパンチした。
「何で僕を殴る!?」
────
四人でプールに浸かる。プールの中のライトアップが美しい。さすがは高級ホテル。
「麟太郎! それーっ!」
なじみが麟太郎に水をかける。
「うわっ!」
「ご主人様、下がってください!」
炉薔薇が水を受け、びしょびしょになった。
「させませんわ!」
れいが両腕を使って大量の水をかける。麟太郎もびしょびしょだ。
「はは、こらーっ!」
なじみとれい水をかける麟太郎。
三人は水がかかって、きらきらと水も滴る美女のように輝いていた。
────
ビーチボールで勝負する事になった四人。
チームは麟太郎と炉薔薇、なじみとれい。
「さっきはよくも、覚悟しなさい麟太郎! それっ!」
なじみが麟太郎にスマッシュをお見舞いする。
「よっ」
麟太郎はボールを難なく受け止め、打ち返した。
「わたくしの気持ちを受け取ってっ!」
れいがボールに想いを乗せ、麟太郎へまっすぐボールを打つ。
「させませんよ!」
炉薔薇がブロックし、麟太郎が打つ。連携プレーだ。
ボールが勢いよくなじみの肩に当たった。
「あっ、ごめん!」
その瞬間、肩紐が解け……
「きゃあーっ! 麟太郎のエッチィィ!」
なじみがジャンプして麟太郎の顔面にボールをお見舞いした。
「な、何で……」
────
プールの後は温泉で温まる事になった。
「あー疲れた! 結構楽しかったわね!」
「うふふ、長内さんも中々やりますわね?」
「お、お二人の事を認めた訳じゃありませんからね……!」
引戸を開けると、どこまでも広い巨大温泉が現れた。貸切状態だ。
「わあーっ! すっごい!」
「庶民には大イベントですわね」
「温泉の中に巨大な岩が……」
温泉は岩でできており、大きな岩が温泉の真ん中に佇んでいた。
「なんか、人魚岩みたいね!」
三人はお湯に浸かった。
「ふうーっ」
「温まりますわぁ!」
「今頃、ご主人様も温まってる頃でしょうか」
────
その頃、麟太郎も巨大温泉に浸かっていた。
「ん? 何か、炉薔薇さんの声が聞こえたような……。空間が繋がってるのかな」
────
「ねえねえ、岩の向こうには何があるの? 行ってみましょうよ!」
「長内さん、あんまり騒ぐと他のお客様に……」
「誰もいないからいいじゃん、いいじゃん!」
三人は岩の向こう側を見に行った。すると──
そこには麟太郎が!
「きゃああー! 麟太郎のエッチィィ!」
「え、え!? なじみ!?」
「混浴だったんですね……♡」
巨大な岩のある温泉は、どうやら混浴だったらしい。
「私とご主人様は一度、お背中を流した仲なので大丈夫ですよ……♡」
炉薔薇はニッタリと顔を赤らめた。
「な、何よそれ! 麟太郎、どういう事!?」
「わたくしという者がありながら……! フ、フケツですわ!」
「いや、誤解だって!」
麟太郎となじみとれいは、取っ組み合いの喧嘩になる。
「お二人共、落ち着いて……! ご主人様が困って……きゃっ!」
──三人のバスタオルがはだけた。
「きゃあーっ! 麟太郎のエッチィィ!」
なじみは麟太郎の顔面を狙い、パンチを繰り出した。
「ぐふっ!」
「今時、暴力ヒロインなんてはしたないですわ」
「私はご主人様に見られても構いません♡」
「そうですわよ! ……ちょっと恥ずかしいですけどね♡」
こうして、四人の騒がしい旅は幕を下ろした。