第二話 始まりの世界と生命と魔素。
魔素とはタイトル上ではなっていますが、この時点では名称はなく、未来にて名前が付きます。この時点ではエネルギーと物質の間のような状態という認識程度なので中間物質と表記されているだけです。
しばらくはこの別空間の観察を続けていたが、しっかりと観察するには空間を把握せねばならないが、実際のところ全部の把握は出来ていない。そこで、何かの物質を使って空間を抑えるという方法を使う。
しかし、ここに出てくる固体、液体、気体は使えない。なぜならその物質が世界に干渉して結果を変えてしまうかもしれないから。そしてエネルギーをそのまま漂わせてしまうのもあまりよろしくない。世界がエネルギー包まれて最初期の頃が再来してしまうだろう。
ならば直接的には干渉しない、混沌を呼び込まない。というのが一番よろしい。が、そのような都合のいいものはない。ならば作ってしまおう。
ということでエネルギーとしては利用できる。でもエネルギーではない。直接は干渉しない。存在としては気体に近いかもしれない。ただし他の物質と同居できる。そんな物質を作った。
何と呼ぶかは決めていない。ある意味作った意味としては、いわば中間物質なのだから。そして世界に放った。が、解き放つということは似た存在が現れたときに利用できるのではないか。と思ったもののある程度の濃度まで放って考えた結果は、そんなにエネルギーは使っていないのだから問題はないだろう。といった感じだ。
利用方法としてはその中間物質を媒介として指向性を持たせて、かつ干渉しないようにして感覚を持ってくる。そんな感じだ。やろうと思えば温度を上げたり下げたり、収縮させたり爆発させたり、暗くしたり明るくしたり………と一応エネルギーにすぐ変換できるので、今上げたことに関してはできないことはないのだろう。
さらに時は流れ。
この別空間に初の生命が生まれる。生まれた場所は個体の種類の方の惑星で、中心の恒星に近すぎず遠すぎずの位置に生まれた。生命、と言っても単細胞生物だが。些かあの中間物質のせいで進化が早いように感じるのだが………。いや、元々このぐらいだったかも知れないが。確かにかなり時間は過ぎているのだから。
そもそも時間というものを測る単位が出来ていないのだから感覚でしかわからない。それも抽象的な、過去現在未来、もしくは○○○○と。
まぁそれで不便なことはない。未来でその時間の単位ができたのならこの世界はその単位に従おう。
で、結局のところかなり時間は経っているだろう。一つ思ったのだが、直接干渉はしてないものの間接的に干渉できるエネルギーとして身近に存在している時点でそれを取り込み、自身の活動に役立てているのではないか。実際のところ中間物質は他と同居できる干渉しすぎないエネルギーとして作られている。エネルギーといっても完全に純粋なエネルギーではないために効率は良くないかもしれないが。
………が、原始の存在にとってはあまり関係ない。利用しようと思えば純粋なエネルギー≒中間物質の関係で表せるだろう。
そうではなく、結局のところ生物がこれを利用しているのではないか。そういうことだ。まぁ今の所はよくわからないので放置だ。
そして恒星だが、特に変化はない。ゆっくり回転し続けて光って、熱を発しているだけ。ちなみに惑星は8個ある。固体型が4つ、気体型が4つ。今回の生命が生まれたのは固体型惑星の3番目の液体の海。気体型惑星には生命は生まれないのだろうか。
ともかく。新たな生命が生まれるのを待とう。