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幼少期 -世界について把握しなければー Ⅸ




5才になった。

誕生日でも特に祝いではないらしい。

そりゃ1000年生きる魔族にとって1年なんてすぐ過ぎるんだろうな。



「ケンゼル、鍛錬を欠かさずすることだ。ライゼルが今現在皆の鍛錬を見ている。しっかり学べよ」

父親はそう言って領地の仕事に戻っていった…



「ケンゼル、こちらに来い」

並んでいる人たちの前に立ってるライゼルの横に並ぶ

「お前たち、俺の弟のケンゼルだ。5才になったので鍛錬に参加する、今日も励め!」

そのまま全員散らばって、組手やサンドバックっぽいもの殴ったりしている…



「さてケンゼル、俺達ライグレンツォはファイターの家系だ。ファイターに必要なのは体力と力だ。10才になるまでにしっかりと鍛え、天恵を取るのだ!」

ホントこの家…いや、世界は天恵の取り方知らないんだな。

一応意地悪な質問してみるか。



「どのような事をして、どのような天恵を取ることが出来るんですか?」


「はぁ?んなものは体を鍛えていれば自ずと取れる!」

よし、アホ認定しておこう。こいつはアホだ。



「アサシンファイターを目指したいのでダガー貰えますか?」

家を出る準備、って事で武器をもらうために…



「っふん、小狡い手を好むなどと…まぁいい、お前がそれを目指すのであれば俺の脅威にもならんしな」

俺は家督争いする相手だとよ。

こんな家テメーにくれてやる。いらねーよ。必要ねーよ。



そのまま武器庫に連れていかれる。

乱雑に置かれた武器…ダガーも剣も色々と種類がある…

「見繕ったら訓練場に来い」

そう言ってライゼルは武器庫出て行った。









ヨッシャー!選び放題盗り放題!!!←ダメだぞ

最低限の種類と、それの替えだけ選んでイベントリに突っ込んだ。










片付け終わった後、良心が痛む感覚



俺はこの世界、ゲームの感覚でしかない。

それにようやく気付いた。



死ぬ世界。ゲームとは違う…

盗んでんだなぁ…とか思いながらも、ダンジョンの報酬部屋みたいな感覚でしか無くて…

この感覚を無くして、地球の生きてた時の感覚に直さないと人としてダメな気がした。



それでもここで盗った武器の事は特に後味退いてないんだけど。



「さてと、家を出る準備…だな」

訓練場に戻る。

「遅いぞケンゼル!」

上から目線のライゼル…周り見ながら…やっぱ誰も魔術系統使ってねぇな。

「周り見て訓練開始しろっ」

頭ごなしにしか言わない奴…コイツは他人を育てるのに不向きだな。





「「「「「!?」」」」」




そして俺はこの家での禁忌とも言える、魔術系統の≪魔力の盾≫を使って、一日一回は使わないといけない≪瞬身≫にて訓練場内を駆け回った。




「ケンゼル!!」



怒鳴る声…ライゼルが叫んだ声に≪瞬身≫をやめて止まる

おーおー。鬼の形相。



「貴様、何をしている。」

「訓練です」

「何をどう見て、魔術など使っている…!」

「必要だからです」

「たかだか5年しか生きていないお前が、何を知っているというのだ!」

「世界の秘密を」

「ッ…!貴様、おちょくるのも大概にしろ!」



ライゼルが拳を振ってくる。

俺はヒラリと避け、バク宙で退がる。



「貴様ぁ…!」



おーおー。こんなんで怒るとか器が小さいな。

その後もスキル使ったりして俺を殴りにくるライゼルの攻撃を避け続ける。

最小限で、SPに気を付けて…


俺は外での狩りで現在Lv7

SPは普通の子供よか高い。

それでも大人よりは体力が無い子供。

天恵も受けてないから体力は無いわな…



小一時間避け続ける。

そろそろSP危うい…息が上がり始める。

最後に大きく逃げるかな。なんて思って…



「何をしている!!」

「!?…ち、父上…」



父親が鬼の形相。って言えばいいのかな?

しかめっ面?とりあえず怒ってんのは俺でもわかる。



「ライゼル、お前何をしている…」

「ケンゼルへの、指導を」

「お前は弟を殺すつもりか!」

「訓練に必要のない事ばかりしているので…その…」



親に怒られて困ってる子供。そのまんまだな。

50年ぐらい生きてんのにガキかよ。



「ケンゼルはまだ5才だ、なのにあのスキルの連発はなんだ!一撃でも当たったらそのまま死ぬ攻撃ばかりっ!」

「ですがっ!」

「口答えする前に教え方を学べ!」

「ッ…申し訳、ありませんでした…ッ…!」



謝るライゼル。でも俺を睨んできて反省はないな。



「ケンゼル、兄の指示はなんだった」



俺に質問きたよ。



「周り見て、訓練開始しろ。と」

「ふむ…具体的に何をしろと言うのは?」

「一切ありませんでした。」

「うむ。ならばライゼルが悪い」



ザマァ。ってライゼルに笑い返しておいた。

それ見てプルプル震えてキレかけてやんの。



「して、ケンゼル、お前は何をしていた?」

「≪瞬身≫で速さ鍛えてました」

「速さ重視のファイターを目指すということか。」



父親の言葉にうなづくだけ。



「ですが父上、コイツは≪魔力の盾≫を使っていたんです!」

「何…?ケンゼルどういうことだ」

「天恵の【生命魔体力】が欲しいんで。」

「どうしてそれで魔術系統を使った」

「どうしてって、【生命“魔”体力】ですよ?魔術系統も必要って思うじゃないですか?」



魔を強調する。一応その可能性を示唆する事を告げてやる。

この世界の住人にはわからない事だろうな…



「その言葉が事実だとして、我等一族はファイター…体力、筋力が優先だ。その鍛錬をすることが最も重要だ。」

「家の理屈を押し付けるなら俺、この家出てもいいですか?」

「何…?」

「俺は間違ったことを言っていない。なんなら俺が15歳以降で始めてくる神柱入れ替え日で神柱取って証明してやりますよ?」

「ケンゼル!侮辱がすぎるぞ!!」



ライゼルが怒りの声を上げて俺に拳を振り下ろしてくる。

俺はヒラリと避ける。

つか、この家は怒りで手が出やすいのか。ガキだなぁ…。



「ケンゼル、その物言い、ファゼル様の前で言えるのか?」

「言えます」

「ならば強くなることがこの家の絶対条件だ、勝てない間は上の言う事を聞く。これが絶対だ」

「強くなるための道を閉ざしてくるんなら聞く必要なんか無いね」

「………その傲慢な考えが直るまでは食事抜きだ。」

「お好きにどーぞ」



そのまま父親は訓練場を去っていく。

ライゼルは俺を睨んだまま。

俺はSPはあまり残ってないけど、MPが満タンに近いので本格的に目の前で魔術系統のスキルを使い始める。



「≪火≫≪風≫…合技、ファイアテンペスト…なんつって。あーとはぁ…≪氷≫≪風≫…で、ブリザード…とかなぁ…」



独り言のように、前世思い出しながら魔力操作してスキルを掛け合わせていく。

ミヤの操作力に全然追いつけないなって思い出して、初日は終わり。

夕飯は用意されてなかったんで、俺は風呂入って、部屋で貯めておいた森の収穫物食べて…



 トントンッ


もう寝ようって時間にノック音…



「はい?」

「私です、開けなさい」



そいや鍵掛けたんだった。

訪問者は母親、鍵開けて…



 ガッ



「ツッ…」

「えーっと…大丈夫?」



癖で≪魔力の盾≫出した。

母親は俺の母を平手打ちしようとして≪魔力の盾≫に思いっきり手を叩きつけた形…

打ち付けた右手を左手で抑えて痛みをこらえてる…痛そうな音したしな。



「なぜ、貴方はそうなの…!」

「?なぜとは何でしょう」

「家に沿わないことをしたりすることです!ライゼルはとても聞き分けがよかった!」



説得に来たとかか。泣きそうになりながら…手首痛めたか?



「貴方はライグレンツォなのです!この家を支えるべき一員なのです!当主の代行といえど、当主と同じ権限を持っているのが私たち一家です!この家を陥れる行為は即刻やめなさい!」



力説するように言う…でも、俺はもう気持ちは決まっている



「今までお世話になりました。近々出ていきますので死籍扱いにでもしてください」

「ッ…!ケンゼルっ!」

「では、おやすみなさい」



戸を閉じて、鍵を掛ける。

なんか五月蠅い事言ってっけど、無視して眠った。

明日にはスキル書を片付けて、イベントリの中身もう一度確認して、明後日には家を出よう。






ケンは猫かぶりをやめました。( ・-・)ドヤァ

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