幼少期 -世界について把握しなければー Ⅶ
世界の把握の為に、地図を…と見せてもらったが、物凄い大雑把だった。
テキトーな大きさに、領地はここらだ、って書いてあるだけ。
侵略云々を防ぐためにって話らしいけど、魔族同士ですら争ってんのか。
滅びるぞ?そんなんだと。って心で思った。
それでも当主には領地の詳細な地図はあるらしい。
子供だからと見せてもらえた。
細かい地名で、アイレスの世界でクエストが受けれる地名が一致した。
ここは魔族ストライダー領の領都、ライテール
王都が中央にあって、デモニウム
その王都から北の方向がライテールだ。
天族と魔族の領地の真ん中に不可侵の土地があって、そこには大都市の一つ…リヴェロン。
アイレスの初期ログインがリヴェロンから始まる。
スキルなどを覚えるのに特化した学びの都市ってのもあって、それはミーティリア…
「父上、ここの土地は何といいますか?」
「貴族都市がどうかしたか」
「貴族都市……リヴェロン…?」
「ん?ずいぶん古い名を知っているのだな。今はそう呼ぶ者はあまり居ない」
「貴族…都市…」
どーやらキナ臭い都市になってそうだな。
ボソっと言ってみれば
「こっちは何て言いますか?」
「学園都市だな…古い名だとミーティリアだ」
「学園…都市…」
「お前も15才になれば行くところだ。」
「そうなの?」
俺が学校に行くのかと驚く。
「基本的には貴族の子は全員通う。お前は次男だからな…三男までは学園都市に通わせるのが通例だ。」
「なる…ほど…」
まだ弟も妹も居ないけど、父親が一人しか娶ってないから…ってのもあるか。
「ここでしか教えることができないスキルだったり、貴族のつながりの為に行く必要がある」
確かに初期スキルで、スキル本じゃなく、石碑的なので覚えるスキルはそこに行かないとだけど…
学園に入学したら無条件で覚えられるらしい。ここは行かないとな。
必要なパッシブスキル、≪イベントリ拡張≫と≪定期自己回復≫…これは必要だしな。
「入学試験もある、お前は自主的に筆記試験のための知識を詰め込んでいるようだからその分を訓練に回せるな」
そのために図書館こもってたんじゃねぇよ。
とか思いつつ、筆記試験の内容を聞いておく。
出ていくにしても覚えておかないと対策もなんも立てれねぇしな。
「ん、これ覚えれば筆記は大丈夫だ、持っていなさい」
そう言ってペラい本一枚。
貴族には基本配布されてるんだそうだ。
簡単な歴史、文字、算数…これが出来れば良い。
一般的な基礎知識があれば入学出来るんなら大丈夫…か?
「入学に…お金かかりませんか…?」
そこ知っておかないとな…って恐る恐る聞いてみる。
「…ックッ…ハッハッハッ………いや、お前そんなこと気にしてたのか?仮にも貴族だ、別に金に困った事は今まで無いぞ」
笑いを一度は堪えようとしたんだろうが、盛大に笑った。
父親が笑うの初めて見た…とかなり驚きながらポカンとしていれば頭を乱暴に撫でられた。
「入学費用は一般的に金貨3枚。優秀であれば免除、貴族であれば寄付という形でもう少し支払う。」
「なる…ほど。」
聞けてよかった。
金貨3枚…ゲームの金額に換算すると3m。300万。
基本は騎士学という所に入学。
後は一部女子には淑女学というのがあって、花嫁修業の場があるとか…
騎士学と兼任して通うのが一般的らしい。
「貴族は強くなくてはならん。龍族との戦いは我々貴族が先陣を切らなければならぬからな。」
って理由で女子も騎士を一度は目指すってのがこの世界の方針らしい。
学園はレベル上げを多少は安全にしてくれる場でもあるので、天族、魔族の翼を手に入れたい者は基本通わないとダメなほど…
「平民も多いが、学園都市は身分は一切無効だからな。強さを示さなければならん。」
ここに入れないような貴族は相当冷遇される…みたいな話も聞いた。
「入るために鍛錬を怠るなよ。」
釘刺されて学園都市の話は終わった。
一応収穫は有り…だな。
問題はいずれ目指すにしても、ライテールからミーティリアまでの距離。
軽く日本からアメリカぐらいの距離があんだよな。
この世界、地球よりもでかい。
住んでる天族界、魔族界、中立界で地球の広さ。
そしてのこの3つの場所の裏側に、龍界が同じ広さで存在している。
移動は基本テレポーター使うか、空を飛ぶか、ウィザードのスキルで移動。
次は移動方法考えないとな…。
ゲームでテレポーターは移動のみに特化したNPC
距離によって料金支払って移動します。
ある意味どこでもド…ゲフンゲフン( >Д<)、
ウィザードには移動スキルというのがありますが、拠点登録と、移動媒体が必要です。
ゲームではPTに一人はウィザードを!をプレイヤー達が推奨していました。