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蒼い海の真ん中で  作者: 八咫烏
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暁の海に時津風は吹く

先にお詫び申し上げます。今回、主人公ほとんど登場しません。ご了承ください。

「は~夜の海はいいよね~」

暁達が、カレーを食べている中、出港する艦隊がいた。この艦隊は、重巡洋艦を中心とした夜戦に特化した部隊だ。率いるのは、時津未来。鎮守府内部で最も戦法が優れている(但し、巡洋艦に限る)有名な人だ。もちろん一般社会にも有名であり、今の状態を打開してくれるかもしれない人という意味と名前をいじり、「横須賀の時津風」というあだ名を持っている。

 そんな人物が夜に海へ出ているのは、暁達が逃した敵艦隊の後始末のためだ。

「あ~あ、何で私は、後輩の失敗の後処理に行かなければいけないんだよ~」

「も~、さっきまで「夜はいいよね~」とか言っていたのは、誰だよ」

時津が乗艦しているこの艦隊の旗艦「最上」の副艦長が、呆れながら、言う。

「後輩の失敗を取り戻すのが先輩だろ」

「はい...そうですね」

副艦長の一言で時津の心は、一撃で轟沈した。

「それじゃ、とっとと終わらせるとしますか」

自分の頬を両手で叩き、気合いを入れ直して、時津は命令を出した。

「全艦に通達。照明落とせ、単縦陣組め」

そう言うと、艦隊は、陣を組みながら暗闇に消えていった。




「見張り員~、何か見つけたらすぐに伝えて」

「「了解しました。」」

時津がそう言うのは、夜戦は、相手よりも早く見つけなければならないのだが、頼れるのは、水上レーダーか、自分の目だけなのである。しかし、レーダーは、海面を探知してしまうことがあるので頼れるが、頼れない面がある。

「レーダーに感ッ!!艦隊から見て、10時の方向、20000m‼」

「アハハ!早速引っかかったね!対水上戦闘よーい‼」

笑いながら、時津は、双眼鏡を覗く。隣では、副艦長が覗いている。

「うわぁ...何もm」

「2番主砲、照明弾用意」

艦長よりも先に副艦長が命令を出した。時津は反応に困った。

「装填完了です‼」

「よし、うてー‼」

今度はちゃんと艦長が命令を出した。

砲門から飛び出したのは、空中で光を放った。そして、海を照らした。島を照らした。敵艦隊を照らした。

「いたね~」

昼間に逃した敵戦艦がハッキリと分かった。

「全艦、射撃開始‼最上、第一斉射うてー‼」

そう命令を出すと、最上の3連装砲5機の15門が、火を吹く。航続艦も続く。そして、敵艦隊は水飛沫に飲まれた。

「敵艦、発砲‼」

「そりゃそうだよね~」

当たり前のように時津は答えた。

「取舵、60度、そこから蛇行でいくよ」

舵を取り、何とか敵弾をよけつつ接近戦を仕掛けようとした。




立ち並ぶ水飛沫の中を縫い、距離2000mまで、近ずくことが出来た。もちろん無傷ではなかった。どの船も少なからず被害があった。もちろん敵戦艦もである。敵の駆逐艦は、今にも沈没しそうだ。

「全艦、魚雷発射用意‼」

魚雷は、高火力だが、当てずらい。だから、接近してから放とうと時津は、考えた。

「全艦、うてー‼」

魚雷が飛び出す甲高い音がした。そして、20本近くの線を引きながら、敵艦隊に吸い込まれていく。

次々と水柱が、立ち並ぶ。

「これ、絶対に終わったよね~」

吞気に時津は、呟く。

水柱が、落ち着いた。そこには、大炎上する船、傾斜している船、艦首や艦尾が無い船しかなっかった。彼女の言う通り、終わったのだ。

「艦隊、反転帰るよ」

そう言うと、Uターンした。




 艦内の人達は、応急処理をしている中、時津は、羅針盤を横から覗き込ながら何か考えていた。

「艦長、どうしたの」

「いや~今、何時かな?」

「はい?えーと、4時23分ですね」

「まじか‼なら、手が空いている者は、右舷へ‼」

周りは、状態を把握できなっかった。渋々従っった。外に出ても暗い世界しかなっかった。

が、段々と空が朝焼けに染まった。海は黄金に染まり、とても神秘的な光景だった。涙を流す者もいた。

「これを見せたっかったんですね」

「そうだよ‼皆、初の夜戦お疲れ様‼」

「「お疲れ様です」」

戦いに勝った、生き残った喜びに全員が浸った。

「新人の暁っていう子、どんな子だろうね♪」

ただ、一人、時津は、日の出を見ながらにやけてそう呟いた。




暁は、驚いた。目覚めると損傷した船が多数入港していたからである。急いで、桟橋に行こうと思った。心の中では、お母さんが全てを終わらせてくれたと思った。そして、お母さんが帰って来たと信じて、鎮守府を飛び出し、最短ルートを走る。あと一つ角を曲がれば、船が...見えなかった。代わりに空と曇が見えた。

「だ、大丈夫?暁」

どうやら、角でぶつかったようだ。しかし、聞いたことが無い声がした。

「あ...大丈夫です。それより、貴方は...」

「時津未来だよ。君たちが残していた仕事を終わらせておいたよ、後輩君♪」

暁は、混乱するしかなっかた。






どうも、八咫烏です。今回も読んでいただき、ありがとうございます。

さて、ひっさしぶりに実家に帰省してみたのですが、乾燥し、雪は降るわ、寒いわで、シベリア送りにされたのかと思いました。皆さんも病気にならないように気をつけてください。

それでは、次話でお会いできるのを楽しみにしております。




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