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3/3

ゲームと違う……なんだコレ

夢なのか、ドッキリなのか、現実なのか


曖昧な世界と飛び込んだ主人公

果たしてどうなるのか…





初心者殺しの悪害(ケッシー)の村を焼き払い死体漁り……ではなくドロップ品の回収を終えてから歩くこと30分


飽きた。



おかしい、これは良くない

リアル感を出す為にわざわざ距離を出しているのかもしれないが、飽きさせるようなのは、ダメだな。

後で開発部に言わなければ……。






と、ん?


なんだあれ??



草原の奥の方、草の間からチラリと見えるナニか。

警戒をしながら草をかき分け進むと

現れたのは、トカゲみたいな顔をした犬のような生物だった。


これは、見たことない魔物だ。

魔物に出会った時の対処法は二つだ。

全速力で逃げるか、相手が動く前に超火力で倒すかだ。




ーーーよし、殺すか





と思ったところでよくよく見れば後ろに馬車のようなものが繋がられていた。


馬が牽いていないから馬車じゃないのか?




それはどうでもいいとして、これはクエストの予感!

いや、クエストじゃなかったらGMコールしてやる。





犬トカゲは見た目がキモいのでなるべく近寄らないようにしながら、馬車へ接近すると、車輪が壊れているようだった。



ついでにということで馬車の中を覗き混んだ瞬間、



ーー神速とも呼べる速さで突き出された細剣が目に吸い込まれるように突き刺さった。




ーーガィィイィィン!


いや、突き刺さる前に常時発動している無属性魔法のバリアに防がれ止まった。





「おいおい、危ねぇじゃねえか。初心者なら死んでるぞ?」


たくっ、これ考えた奴相当性格わるいな


何が起きたかわからずに死んでリスポーンしてまた30分歩いて、クエストを受けようと近づいてまた死ぬと


おいおい、うちの会社の評判を落とす気かこいつら


糞ゲーって呼ばれるのが目に見えてるわ




「……貴様、こんなところで何をしている」



いかにも騎士ですアピールをしている女が、馬車の扉を開けてヌッとあられた。

先程、俺に向けて突き出してきた細剣を右手に持ち距離を保つようにこちらに向けている。


「おっせーな、答えるの早くしろよボケ」


「なっ!?」



口を開くなりいきなり上から目線で話掛けてきた女騎士的なNPCに、聞こえるようにわざと苦情を言ったところ、フリーズしたまま動かなくなってしまった。


「うーむ、エラー起こしたのかなぁ?一回殺せば治ったりするかもなぁ…。はてどうしたものか」


目の前で手を振ったり頭を軽く叩いたりしたがやはり動かないので、なんとなく中段に向けて回し蹴りを放った


予期せぬ事態に、女騎士は"グェッ"と女らしからぬカエルのような声を出しながら地面を転がると近くにあった泥っぽい水たまりに転げ落ちた。


青筋を立てながら幽鬼のようにふらふら立ち上がった泥騎士は、先程見せたような神速で細剣を伸ばし、こちらへ着き放った。


なんらかのスキルなのか、細剣の先からは魔法的な白い斬撃が飛び出し、目に終えぬ速度で飛んできた。


それも一つではない。

例の泥騎士が量産してくれたおかげでマシンガンのように絶え間無く大量に飛んでくる斬撃




「ーー無駄だよ"聖者の盾"」


LV100突破で習得出来るスキル"聖者の〜"シリーズの一つ"聖者の盾"により、前方向に光のタワーシールドが展開された。


聖者の盾は、前方に光のタワーシールドを展開し、受けた攻撃の半分の数値分だけ自分のHPが回復するという結構使い所のいいスキルだ。

ボス戦などには相性がいいスキルなのだが、前方向にしか設置できない為、混戦やpvpには使えないのだ。


しかも、発動までに2.5秒かかるし


何というか、この泥騎士は弱い

そもそも、攻撃が届くまで3秒以上かかるとか、雑魚だ。



しかも、明らかにこちらはダメージを受けていないのに、『やったか?』とか言ってるし…。


キミ、それ絶対言っちゃあかん奴



「ねえ、何がしたいの?キミ」



「んなッ!?……何故生きている!」


「いやいや、アレで死ぬ奴なんているのか逆に聞きたいくらいなんだけど…」


「くっ…!」


殺せ?くっころ??


「…この化け物め!」


「それは鏡を見てから言……間違えてた、コレは違うセリフだったw」


「何を貴様は言っている!」


「あー、だりーな。スキップできないのかな?まだチュートリアルか?ん〜?」


よくよく考えたら、殺してもいいんじゃないかと思って来た。

この世界がどうか知らんが最近のゲームもそうだし、ラストエデンでも反撃で殺しても罪にはならなかったしな。



「うぜえから死んどけ"千華の流星"」



本来、というより、自分の認識的には隕石を召喚して敵を粉砕するような魔法だった気がしたんだが、現実となったせいか規模がヤバイ。


ん?現実だと?

ここはゲームの世界じゃないか。何を言っているんだ。


まぁ、いい。



魔法を唱えたのと同時に、視界に入る全ての空がまたしても夜へと移り変り、空に浮かぶ無数の星々から光の線が地面に向けてゆっくりと堕ち始めた…。


ヤバイ、ヤバ過ぎる…


コレは洒落にならん


魔法で泥騎士を軽くボコるつもりが惑星ごとボコりそうになったので、魔法を打ち消すスキルを発動した。


「間に合えっ!"ブレイクマジックスペル"」



ーーパリィン



ガラスが割れるような音を立つと、夜空にヒビが走りやがて砕けて昼間に戻った。


泥騎士は腰を抜かしハヒハヒ言っているが、それを無視して空を見上げると少し打ち消すのが遅かったのか、遠くの方で赤い線が地面に向かって落下しているのが見えた。






「あ、」




ーーーーードゴゴゴゴォオォォォ…!



一瞬、フラッシュを焚いたかのように真っ白になると物凄い爆音と共に砂利が吹き飛ばされて来た。


と、その余波で何処からか飛んで来た石が馬車に直撃し、粉砕した。



「ああああああ!お前ぇ!なんてことを!」


放心していた泥騎士はすぐに意識を取り戻し怒鳴りつけて来た


「こ、この馬車は、陛下のお気に入りなのだぞ!?」


馬車かよ!…そう突っ込みそうになったのを堪えて肩に手を置いた。


「まあまあ、怒るなって、前から壊れていたじゃないか?それが何処からか飛んで来た石のおかげで、無かったことになったんだ、感謝しろよ?」



「ああ、ふむ、そ、そうだな」


チョロ、こいつ大丈夫かよ


「いや、しかし、困った。私はどうやって街に帰ればいいのだろうか」


「そのくらい自分でかんがえろよ、じゃ!」


「じゃ、って何処にいくつもりなんだ!?」


「歩いて街?まで」


「街まで歩いて?何日かかると思っているんだ」












「てか、街って何処?」










書きたいときに書きます

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