62話
遅くてすみません。
「立花、野球しようぜ!」
「今日こそお前の命を刈り取ってやる。俺のバットでなぁ!!」
「春はサッカーの練習だろ」
負けっぱなしは趣味じゃねぇって偉い人が言ってた。
土日の体育祭に向けて最終調整の為、クラス全員競技の練習をする事になりとても面倒い。特に終わってから飯を作らされるとこ。
「春、お前1回もサッカーの方顔出してないだろ。自分の競技の方を頑張れよ」
「バカか。俺はア◯ルバスターズの一員なんだから野球をやって当然だ」
「そんなチーム名やめろ」
「掛け声は◯出しイェイイェイ!」
「それもやめろ!」
「立花、俺もそれは嫌だ……」
18禁頭のくせに注意するな。
結局雪辱を晴らすチャンスを潰され、球蹴りなんかに参加させられた。
参加して初めて知ったが、猛がキモオタのくせにチームをまとめている模様。とてもイライラします。
「春、悪いけど空いてるポジションがセンターバックしかないからそこね」
「断る」
「ならどこならいいんだよ」
「ベンチ」
「ダメだよ!」
「俺が今年1番注目されてるベンチウォーマーって知らないのか?」
「知るわけないだろ!というか嘘だろ!」
司令塔がカリカリすんなよ。
渋々ポジションは諦めてやった。そもそも控え無しってなんだよ。ケガ交代は他の競技の空いてるやつってなんだよ。狂ってんだろ。
人数はぴったり11人しかいないので、キーパーかつキャプテンの猛が見学でミニゲーム。いやお前やれよ。そもそもお前以外のやつ知らねぇんだけど。
そんな俺の心を打ち砕く様にゲームが始まる。
コーンで小さいゴールをつくり、キーパーを置かずに5人でフィールドを走りまわる様にしてるらしい。
だが俺はディフェンス、なのでゴールの前に立ちはだかる壁として残らねばならん。野郎共任せた。
「春!お前も走れ!」
何言ってんだ?こいつアホだな。
メンツは見た感じ経験者か現役がチラホラいるっぽい。というかいるなら猛と変われ。
半分くらいは運動出来る系って感じか。お前ら有能だな。女子に見習ってほしい。
どっちも点数がとれずグダグダになり始めたところで休憩。朝からしんどい。
「春、もっと頑張れよ」
「朝一からそんな動けるわけねぇだろ」
「お前は歩いたり座ったりしてたろ!」
「予期せぬ出来事に対応出来る様に体力の温存をだな」
「何度も来てたピンチを目の前に温存してる意味がわからないよ。春の予期せぬ出来事ってなんだよ」
「乱闘」
「無いよ!」
「え?まさか、乱◯?」
「もっと無いよ!」
だよな。安心した。野郎共が部活のやり過ぎでおかしくなったかと思った。
「足立さんのご褒美忘れた?ハンバーグ食いたかったんじゃないの?」
「実際にやって思った。サッカー疲れる」
「いや動いてないだろ」
「俺はセック◯以外の運動は頑張らないって決めてる」
「そんな決まり今すぐやめろ!」
未経験者のくせにうるさいやつめ。ゴッドハンド出来る様になってから意見しやがれ。
俺にあれこれ言うのが嫌になったらしく、俺と交代で入り、頑張って球を追っかけ始めた。見てるのもつまらんのでとりあえず移動しよ。
「よっしゃ美優こーい」
「うぉーいーくぞ「ミュウちゃん頑張れ!」にゃ!?」
あーボールが天井までぶっ飛んだー。にゃってなんだ。
「お前何してるしね。サッカーどうしたしね」
「殺意強い。飽きたからオッパイ拝みにって思ったんだけどさ。ミュウちゃんさ、オッパイどこに置いてきた?」
「元々こんな」
「わけがわからないよ!」
いくらジャージとはいえ何故山が無くなる。これは触って確かめるしかないな。
「おい立花何してる」
「ユーマこそ何してる。さっさとあっちに戻れ」
「お前のせいで止まってんだよ」
「ふむ、すまんな。すぐ終わる」
「は?なんだ!?こっちくんな!あほ!」
「春君?おいで?」
「ユーマ!そいつは任せた!」
「無理」
こんなはずじゃないのにぃ!
俺の気持ちを汲んでくれない奴らのせいで確認ならず。1番痛かったのはミュウちゃんのあんよでグリグリ攻撃だった。
「帰れ」
「真子冷たくなーい?」
「オッパイ見にきたとか言いながら後ろから美優のお尻見る気なんでしょ知ってる」
全部バレとるやん。あと女子の悲鳴マジ泣きそう。
「おいデコ、向こうにいいケツがあるぞ」
「ユーマちゃん、泣きそうな顔はやめて。ミュウちゃんの冗談だから」
「お、おう」
信じるわけ無いよねぇー。揉みしだくぞ。
「あ、あの」
「うるさいまぁ子。いたの?」
「まぁ、はい」
「許さんぞぉぉぉ!え、いやちょい、マジくんなくんなくんぬぅぅぅぅ」
「美優ずる、いや離せ浮気者!」
「いや離したら危ないじゃん?」
「ハグしなくてよくない?こっちにすれば良くない?」
目が据わってる人に言われると余計危ない気がしますよね。
もっとミュウちゃんとユーマの美脚を眺めたかったが、顔を真っ赤にしたミュウちゃんに追い出され仕方なく辺りをブラブラする事に。
体育祭が近いが、文化祭の準備に力を入れてるクラスは今も作業をしているらしい。
その中に、本番に向けて接客の練習でその辺の生徒を捕まえて練習台にするとこもあると聞いたので、それっぽいとこが無いかテキトーに歩いて周ってみた。
同学年はどこもいなかった。つまらん。
仕方なく2年のクラスがある階に移動。学年上がるほど上の階とかキモい。
「そこの君!ちょっと来て!」
上がってすぐ先輩らしきやつに腕を掴まれ引っ張られた。見た目はショートでメガネの綺麗系。強引なのも悪くない、な!
「え?ちょっ、来てって!来ーてっ!この、うーごーけー!」
だが無理やりはよくないよね。なのでパワーで拒否。
「こら動け!1年でしょ!?先輩の言う事聞け!」
「俺に先輩と呼んでほしければオッパイかケツを献上するんだな」
「お前バカか?」
こいつマジトーンで返すなよ。本気だと思われんだろ。
「まぁいいや。1年、うちの教室で今美少女が接客の練習をしてんだよ。だから来い」
「どんくらい可愛いんだよ」
「あ?うーん、あたしくらい?」
「チェンジで」
「ざけんな!行くぞ!」
「ぐぁぁぁぁ!!いだぁぁぁぁぁ!!」
今度腕を捻られ思いっきり引っ張ってきやがった。鬼か。
「1名様ご案内だ!」
「いだぁぁいぃぃぃ!!離せ!マイナスAカップバカ!」
「プラスだバカ!」
「い、い、い、いらっしゃい、ませぇ」
「あ?………はい」
「こら!挨拶違うじゃん!もっかい!」
「いや、ちょっ、待って、マジで」
「いいから!あんたこれ出来なきゃダブるって!」
「うぅぅぅぅぅ、い、い、いらっしゃいませ、だにゃんっ」
「ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
「うおっ、な、何?」
「も、もう、ダメだ……」
「うわ!カレン!?しっかりしろ!」
今年1番の笑いをありがとうございます。
知らん先輩に案内された教室に居たのは、ミュウちゃんのお姉様こと、カレン先輩だった。
とりあえずゴリッゴリのフリッフリのメイド服を着てる時点ですごいアレだったが、ネコミミプラス語尾にゃんとか笑い方面に狙い過ぎだと思います。
「カレン先輩、マジかわっひゃひゃひゃひゃひゃ!」
「おいてめ「接客!」ぐぅぅぅぶっころすにゃん!」
「だはははははははは!!」
「ふみゅぅぅぅぅ笑うにゃ!!」
「か、かわ、かわっはっはっはっはっは!」
「あんた度胸あるねぇ。カレン相手にそんな爆笑するなんて。ほれ、接客接客」
「こ、こ、ころ、こ「落ち着きな!ほれ!接客!」ご、ご、ご注文を、お伺い、して、よ、よろしいですか?」
「は?にゃんは?」
「よろしいですかにゃん!?」
「だはははははははは!!」
「こ、こ、こ、ころすにゃん!!」
「やめんか!」
キャラ崩さないところ尊敬します。
「まどか、今、今だけ、今だけやめていいよな?な?」
「ダメに決まってるでしょ!どんなのが来ても出来なきゃ売上伸びないっての!ほれ頑張れ!」
「ペチャパイ、オプションとか無いの?」
「誰がペチャパイだ!つかオプションなんぞあるか!」
反応しとるやん。
「勘違いしてるようだが、カレン先輩はにゃん娘設定なんだろ?猫じゃらし的なもんとかだよ」
「それだ!」
「絶対やらないからな!」
「セットメニュー限定にすれば売上上昇間違いなし!」
「後輩、お前天才か!」
「やらないからな!」
もはや聞く耳ない様子だぞ。頑張れにゃん!
早速練習という事で、おためしをしてくれと言われボールペンを渡された。もっとマシな物持ってこいよ。
「よし!カレン!後輩!やってみて!」
「うい。ほれカレーン、大好きな猫じゃらしだよー」
「うぐっ、マジか、クソっ「にゃんは?」にゃん!うぅぅぅ………にゃん」
「…………ほ、ほれ」
「………にゃん、にゃん」
「お、おぉぉ、こ、後輩、後輩」
「う、うす、ほれ、ほれ、カレン、カレン?」
「にゃ、にゃん、にゃ、にゃ、にゃん「ちょっとストップ」は?」
「こ、後輩、これ、アレだな」
「完璧アレだなペチャ先輩」
俺とペチャ先輩はお互いを見あうと、がっしり握手した。この人わかってる!
普段が残念なカレン先輩だが、黙れば見た目はかなりかわいい。
そんなカレン先輩が顔を赤らめ、上目遣いで、にゃんにゃん恥ずかしそうに言いながら、猫の手でちょこちょこペンを追いかけるのだ。
はっきり言ってミュウちゃんと戦えるレベルだ。
「ペチャ先輩、動画は?」
「もちろん撮った」
「は!?」
「後で回してくれ」
「了解だ」
「待て!ふざけ「にゃんは!?」ふざけんにゃ!」
はいかわいいー。顔も赤らめるとか芸が細かいなぁ。
「よし、んじゃ用事思い出したから、じゃ!」
「ふぅ、待てオラぁぁぁぁぁぁ!!」
「はーっはっはっはっはっは!!」
とりあえずめちゃクソキレてる様子に変化したので本気で逃げる事に。遠くからありがとうーって声が聞こえる辺り、俺は先輩と仲良くなれそうな気がする。むしろありがとうだけど。
「ころす!お前は!ころす!待て!ころす!しね!」
……………生きていられたらだった。




