50話
「正座」
「………ただいまは?」
「正座」
「あとその荷物は?」
「正座」
「ふむ、真子ちゃん、おかえり。お前が正座」
「な、なんで!?」
「俺の家にお前のコレクションを置くなって言ったよな?」
「………正座」
「聞いてんのか?」
「うぅ、正座っ」
「お、おぉ、ハルちゃんが押してる」
これでも最初は素直にお叱りを受ける気だったんですがね。
真子と猛が来るまで4人でちまちまゲームして遊んで待っていた。もちろん内心ひえっ、っとしてたのだが。
「お前、前の戦利品も置きっぱだよな。家に送るって言ってたよな?」
「いや、見たいし……」
「帰ってじっくり見ろって怒ったよな?」
「いや、すぐ見れないし……」
「結局見てないよな?」
「いや、気分だし……」
「はぁ、ミュウちゃん、例の物を」
「こちらに」
「え?待って!それ限定だから!」
超焦ってる真子の目の前には、最近ゲットして勝手に飾ってる人気キャラのフィギュア。
それをそっと床に置き、真子を見る。めっちゃフィギュア見とるがな。
「何か言うことあるか?」
「……浮気」
「してない。つかそれじゃない」
「……知らない子いるもん」
「これウド「嘘!?」マジ。じゃねぇだろ」
「……私のお家だもん」
「お!れ!の!い!え!」
「2人の愛の巣!」
「出てけ」
「ごめんなさい!」
「却下」
「え?ほ、本気?」
「ハ、ハルちゃんがお姫を追い出すだとぉ!?」
「というより最低君の家で同居してたんですね」
「あ、えと、春の家族ともなん…ですけど」
何で敬語になってんだよ。乳ばっか見やがって。
「は、春君、本当に、あの、美優と?」
「あほか。夏休み終わるからだろ」
「さすが嫁。あと真子パパからの鬼電、オタグッズが多すぎるって理由がある」
「ま、まだ10日あるよ!?」
「10日っつうより、デコ助の許可無く今まで住みついてたんだから素直に出てけよ」
「美優は黙ってて!」
「お前は黙って出てけ」
「春君の鬼!悪魔!彼氏!」
それ一々入れないとダメなの?不安なの?
「もうメンドイ。猛、ウド直せ。無理ならいいや」
「いきなり無茶振りするなよ。というか医者に診てもらった方が早いんじゃない?」
「ノンノンだよ猛きゅん!みーちゃんは病気とか事故とかじゃないのら!」
「強いていうなら厨二病」
「俺に向かって言うな!」
「デコ助お菓子」
「美優は簡単に諦め過ぎでしょ」
「まぁ今のみーちゃんとはそんなし喧嘩しないからむしろ有り有りの?」
「無し」
「むむむ。ってそこ何しとるかっ」
「んっ、仲直りのちゅう?」
「おかえりのちゅう。んで仲直りの」
「んぅ、……春君、大好き」
「しぃぃぃねぇぇぇ!!」
「はっ!?春君スイッチ!!」
「よし任せぐはぁ!」
見事にちみっこボディブローを浴びせられた。危ない時ばっかスイッチしないで。
「皆さんが何を言っているかわかりません。とにかく私は問題ありません」
「猛検定二級の俺から見るとドストライクなんですが、どうですか猛さん」
「………ノーコメントで」
「た、猛きゅんっ、ウチは何も見てないよっ、聞いてないよっ」
「いや、だから、その、ふ、2人の方が好きだから!」
「あ、あぅ」
「あ!えっと、その、えっと「ウザいラブコメはホテルでやってくれや」あ、足立さんやめてよ!春の真似してたら怒られるよ!」
「うっせうっせ!」
むしろ俺がサッキーにお叱りを受ける方が遥かに多いですがね。かわいいから絶対やめさせないが。
「うーん、でも春君もかなり好み?かな?」
「最低最悪です!」
「真子の次にいいケツしてる。が、やっぱ1番はユーマだな。腰からのケツ、脚のラインは最高」
「お前ホント好きだよな。特に尻」
「ミュウちゃんは基本愛してるけど、オッパイ以外肉付き足りないかな。ちょい細い」
「お前は顔以外、背も高いし、がっしりしてるし、手とか大っきいし、…………くそっ、見た目完璧かよ!性格なんて、優しいし、甘えさせてくれるし、して欲しいこと言わずに目で見てわかってくれるし、意地悪でキュンとさせてくるし、好きだよとか愛してるとか言ってくれるし………くそっ、超タイプだ!」
「でも、私の、か・れ・しっ」
「しぃぃぃぃぃぃねぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「春君スイッチ!!」
「またかよぐほぁ!!」
ちっこかわいいあんよがまたも腹に突き刺さる。さすがミュウちゃん、俺に両膝をつかせるとは。
「そういえはウドさんはどちらのお住まいで?」
「今は学校の寮に住んでいます。あとその呼び方はやめていただけませんか」
「あ、ごめんなさい。ではみーたんで」
「え?まぁいいですが…」
「お姫ドン引きされてーる」
「引いてダメなら押忍!」
「やめてください」
「……おす」
住む世界が違うんですね。文字通り次元が違う。
「真子はなんか案ねぇのか」
「うーん、額に龍の紋章があったらねぇ」
「お前もねぇだろ」
「あとはギ◯スとか」
「力技だよぉ」
「いや、逆にもうかけられてる!?キャンセラーを使おう!」
「黙れオレンジ!」
「私は、言わなきゃならないんだよぉ!!」
「さっさと黙らないと打つぞ!」
「いやぁ!やめてぇ!」
「デコ助、打っていいのは打たれる覚悟のある奴だけだ!」
「いやみゆみゆノッたらあかんで」
「はっ!?ぼ、僕は何を……、ま、真子、すまない」
「もういいて」
すまない、これも呪われた王の力のせいなんだ。
「やっぱ正攻法が1番なんじゃね?」
「美優がそれっぽい事を!1番仲悪いのに」
「ミュウちゃんの言う正攻法って何?」
「叩きのめす」
「却下っ」
「まだのめす」
「いやダメなのっ」
「更にのめす!」
「それが!?」
「ファ「めっ!」あぅ、ヒナたんひどい」
全部ガードされてしまったか。命中低すぎぃ。
「ただ、正攻法ってのはいい案だと俺は思う」
「最低君の正攻法って始まりが邪道ですよね」
「まぁ聞け。やっぱりショック療法だ。つまり、セック◯」
「正座」
「俺がやるんじゃねぇよ。まぁ最悪猛」
「俺を巻き込むな!」
「他は電◯頭か振られ川しかいねぇぞ」
「なれば!デコ助、合体だ!」
「よしっ!や「正座」俺のチン◯は、美優を突くチン◯だぁぁぁぁぁ!!」
「ふぅ、ちゅう禁止」
「守れなかった……」
「お前の意思の弱さは天下一だな」
まさしく愛!
「やはり最終手段しかないか」
「私はいや」
「真子ちゃん早い」
「あたしは嫌だって毎回言ってる」
「さっき合体だって言ってくれたじゃん!」
「もちろんウチもノーテンキュー」
「ヒナちゃんは違う好きだからオッケー」
「絶対嫌です」
「………今のお前は普通に有りだよなぁ」
「…………俺に振るなよ?」
「さよならだ!」
「痛っ!」
「春君!ワンチャン!」
「ねぇよ!どう考えてもお前だろ!」
「今日はダメなの!危険なの!」
「よし、美優、やろう」
「あたしも危険がピンチ。あと2人でっつってんだろ」
「おい彼氏なんか言い訳あるか?」
「お前に愛想が、嘘だ泣くな」
「うぅぅぅ、嘘でも言わないでぇ」
冗談ってわかっててガチ泣き入るなよ。ほら白い目で見られてるぅ。
「バカップルはぽいっ。みゆみゆゲームしよっ」
「ひ、雛ちゃん、諦めちゃダメでは?」
「あぅ、じ、時間が解決するさぁ!」
「そーだそーだ!ひっなたんっ、ゲームっ」
「あ、ずっこい!私もぉ!」
「………あー、なんかごめんね?」
「いえ、お気になさらず」
「デコ助飯」
「晩飯まで食うつもりか嫁(仮)め」
「おっにくっ、おっにくっ、ごっはんっ、ごっはんっ」
「……お手伝いします」
「……ども」
お前らウドを見習え。




