40話
夏休み2週間、久しぶりの休みに入った母さんの荒ぶりに注意していたが、初日から真子を連れ出してお出かけしてくれる稀に見るラッキーデイになった。
兄貴は毎日のようにミュウちゃんのDHらしく働いている。チビーズとほぼ毎日外で遊んでるって聞いて震えた。
「俺さぁ、たまには1人でいたいわけだ。わかるよな?」
「え?立花君は女の子にセクハラするのが好きなんだと思ってたよ。だから今すごく楽しいでしょ?」
「デコ助最近盛りすぎだけどな。あ、ザコちゃんと倒せよ」
中ボスはザコくない。あと家でゲーム出来んだろ。
猛にほっぽられて仕方なくミュウちゃんと遊びたかったらしいサッキーさん。俺の家に来てるか知らずに来たとき、脳裏に戦慄が走ったのは記憶に新しい。
朝一、嫁アンド母と入れ替わりで家に侵入し、当たり前のようにゲームをいじるミュウちゃん。
プリン頭をご機嫌に振りながらゲームしてる様を見ると、マジで何してんの状態。それをじっと見ながらニヤニヤしてるサッキーはより何してんのって気持ちすごい。
「ミュウちゃんさぁ、頭どうすんの」
「んー?ほっとくー」
「いいの?金髪かっけぇー!って言ってたのに」
「黒髪がモテるってD子言ってた」
説得力あるか?あいつの汚ねぇ金髪は反面教師ってオチか?
「ミュウちゃんさぁ、俺のワイシャツ返した?夏用ふたっつしか無いから返してね?」
「洗う?そ「汗たっぷりでお願いします」真子と一緒だな」
「俺は嗅ぎながら真子にハメるんだよ!」
「立花君最低」
結果うぃんうぃんじゃね?
「ミュウちゃんさぁ、……………あのさ」
「なんだよさっきから。気持ち悪ぃ」
「ミュウお口悪いよ。めっ」
サッキーに口悪いって言われたら笑えるな。
「気になってたんだけどさ。いいかね」
「………しね」
「めっ」
当たり悪いなぁ。にらむな。かわいいだけだぞ。
渋ってサッキーに助けを求めるか悩んでしまう。ゲームしてるからちょっと気が緩んでるし、あんま怒らないか、とかも考えてしまう。
本当に聞くか?大丈夫か?とかめっちゃ悩んでると、見られてる。めっちゃ、ガン見。
しかもまぁまぁ心配そうに2人で。やめれ。
「……2人に聞きたいんだけど」
「うん」
「どうした?別れそう?心配?」
「いや全然関係無いんだけどさ」
「うん」
「言ってみ?あたしらに気ぃ使わなくていいよ?」
ミュウちゃんめっちゃいい子過ぎて辛い。でも、俺が言わなきゃ誰も言わないよな。うむ。
「ミュウちゃんさぁ…………オッパイおっきくなったっしょ?」
「うん!!」
「しねぇぇぇぇぇ!!!」
何故俺に飛びかかる!サッキーの強めな同意に突っ込めよ!
ミュウちゃんのへなへなキャメルクラッチでやんわりしばかれ、サッキーのガチパンチでとりあえず怒りを収めてもらった。腹の痛みは暫く収まらなかったが。
何故急にこんな話になったかというと、つい最近からずっとミュウちゃんオッパイ揺れてんなぁ、っておっきしてたのだが、よくよく考えるとミュウちゃん見た目はロリサイズじゃね?となり、
「ミュウちゃんオッパイ激揺れ事件に繋がるわけだ」
「……………パ、パットが、な。ちょっと、あれだ。盛り過ぎ?ってやつだ」
「サッキーさん、水着の試着はもちろん?」
「手伝いました」
「サイズは?」
「D子ちゃんが膝から崩れ落ちました」
「ど、同類に喜んでだな!!」
そんなバカな話があるか。普通ならユーマちゃん見て落ち着くんだぞ?
「そういや俺のワイシャツサイズ合った?」
「デ、デカいに決まってんだろ」
「それであの山か……」
「……………そ、そりゃ盛ったからな!」
「ミュウ諦めて。私の下着でもちょっと厳し「それは言うなよぉぉぉ!!」えへへ」
サッキーも意地悪に目覚めたか。ミュウちゃんかわいいもんな。
「ちなみにミュウちゃん。今も暴れて俺にアピールしてくれてるんだよね?」
「は、はぁ!?いや!これは!あれだ!」
「ダイエット?」
「それ!咲のよくやるやつ!」
「サッキーさんおこはめっ、じゃねぇの?」
「致し方無し」
かろうじて持ってはいたコントローラーぶん投げて、俺の後ろに回り込むちっこいのをにらむのはよしなさい。微弱な振動を感じるからな。
「サッキーさん、披露出来るくらいには絞ったんか?」
「ふふん。私はいつでも大丈夫ですっ」
「おっといまで部屋がサウナ状態だったらしいぞ」
「ミュウおいで?」
「断る!断ーる!」
だから盾にしないで。俺もワンパンで沈むから。
「そういうミュウはだらしないお腹なんじゃないのかな?」
「50センチ」
「細っそ!!」
「サッキーさん落ち着いて」
「ご、ごめんなさい」
最近リミッターゆるゆるなんで気をつけて。特に怒りゲージの振り切りがすごい。
女子組はちょっと疲れたようで、お茶、飯か菓子を要求してくれる。してくれるだよ?
冷房きっちりかけてるにもかかわらず、少々汗をかいたとかで俺の部屋に入り、ゴソゴソしてる間にお手製オムライスと紅茶を用意。俺は紅茶嫌いなのに出せって言われるんだよな。
「おぉ!!オム!!ふわとろや!!」
「ミュウきゃわわ。立花君ありがとう」
お礼が先じゃないところ流石。まぁ同意。
メイド喫茶でオムライス好きが判明したミュウちゃんの為に、がんばってふわとろを習得。また真子に蹴られそう。
会話もそこそこに、皆で昼飯。
ミュウちゃんは俺に作らせる気満々で来ていて、サッキーはダイエット笑だからと抜いてたからめっちゃ嬉しいとか言ってて笑う。抜くと太るよ?って言った時の顔は暫く忘れられないな。
「ごっちゃん!」
「ミュウちゃんお口周り……俺にって事か!?」
「はいふきふき〜」
「んむぅ、むぐ、あんがと」
「な、なん、なんで拭くんだ……お、俺、俺がペロペロするはずじゃ……」
「お行儀悪いよ?」
「お前の血は何色だぁぁぁ!!」
「青?」
「………………紅茶お代わりいる?」
「いただきます」
今年1番ビビった。マジで。
ミュウちゃんと一緒にビクビクしてると、サッキーも食い終わったので食器洗浄。
腹一杯で満足してくれたようで、ゲームを再開し始めるチビパイ。話終わってへんぞ?
洗い物を終わらせ、ソファに座るミュウちゃんを抱っこして膝に座らせる。もちろん半おっきだからセーフ。
何故か俺に座ると背を預けるところがまたかわいい。ハグも乳揉みもキレられるから出来ないが。
「んでさ、何カップ?」
「サワディーカップ」
「首ちゅっちゅしちゃうぞ」
「咲助けて」
「はーい」
「それはずるいぞ!」
しかも未遂だぞ!後ろに立つな!
とりあえずバチバチウィンクしてサッキーに落ち着いてもらい、ソファの隣に座らせた。
母さんがぶち込んだソファええやろ?これで居間でも出来るでしょ?って一言以外はありがたい。
「美優、揉んでいい?」
「出来れば腰が良いんだけど手が離せない」
「俺のキャラそろそろ復活させない?」
「いない方が楽」
「立花君、お気持ち、お察しします」
同類ですものね。ありがとう。このイライラは肩を揉みまくって解消させてもらいます。
「あ、そういえば、我が母の会社が今年発売する蒸れないおブラはどうですか」
「付けてる」
「私も同じく。秋さんにお礼言わなきゃね」
「驚きナッシングか」
「前に試してくれって渡された」
「って事は、さっきはオッパイ周りはふいてないの?」
「ガッツリふいた。ん?やめれ!嗅ぐな!ふいたっての!」
「ふんす!ふんす!ふん痛たたたたた!!」
「立花君、めっ」
鼻をえぐる勢いのその手はめっじゃねぇのかよ!
半分もげろって思ってるだろ!
「あ、それとさ、オッパイ重くない?持つ?」
「咲持って」
「自分で精一杯」
「いや待て、俺がサッキーのを持てばワンチャン」
「咲、あんまり強くすんなよ。揺れっから」
「了解」
「ガード。痛ぇ!!なんでお前らつねんだよ!」
「私ピンチ力には自信あるんだ」
女の子から初めて聞いたよ。あとサッキーは他にも自信たっぷりだろ。
「美優、今日かわいいね。どうしたの?」
「………………やべっ!あ、ちょっ、…………もぉぉぉぉ!」
「立花君、グッジョブ!!」
ゲームオーバーでおこのミュウちゃんの真横でよく褒めれたな。流石です。
ミュウちゃんといえば、俺の服をパクって着ると有名になりつつあるが、今日は珍しくがっちりおにゃのこコーデっていう違和感が凄かった。特にオッパイ。
「なんで肩べろーんなの」
「揉め」
「なんでオッパイぼいーんなの」
「ナンパ待ち」
「なんでスカートなの。しかも短くてひらひら」
「クールビズ」
「なんで自分のおパンツ様穿いてんの」
「立花君その質問はおかしいよ」
「何故だ。俺が何度脱がせたと思っているんだ」
「今のは報告だね」
「残念もう知ってる」
というか目の前で剥いた事ある。あの時が初グーパンだった。実際自分のパンツ穿かれたら脱がすじゃん。
「最近咲がうるさいんだよ。おしゃれなんだかんだ、恋なんだかんだって。自分の恋も勉強もダイエットも上手くいってねぇくせしてな」
「ダイエットだけはなんとかなりましたぁ」
悲しい報告ありがとう。そしてがんばって。
「普通にゲーム再開してるとこ悪いけど、ミュウちゃん今恋してんの?」
「お前」
「まだ振られ待ち?」
「そう」
「2人共会話おかしい。大丈夫?正気?」
「ちょっとたってるかな。やめてごめん暴力反対」
「次は打撃だからね?」
余計に怖いワード出すなや。ガチ物理やめて。
「俺は美優が心配で言ってんの。兄貴いいしょ」
「つまらん。あんだよあれ。少しは乳揉んでこいよ」
「ミュウしっかり。塩分足りてる?水分は?」
「糖分足りない!」
はっ!?とした顔で言う事じゃない。菓子は自分で買ってこい。
「えぇ〜。立花君どこ?」
漁ろうとするな。俺の楽しみだぞ。
結局冷蔵庫の甘味を拝借されると。まぁ、なんだ、ミュウちゃんお尻ももうちょいおっきくしてよ。
「あたしより咲のが心配だろ。多分今頃立ちバッ◯してんぞ」
「いや絶対騎◯位だろ。猛だぞ?」
「2人共?イエローカードだよ?」
「デコも焼きがまわったな。あいつら絶対二回戦だぞ。猛君、動いて?あんっ!だろ!」
「ふっ、何を言ってるんだ。暑さに耐えきれず次々服を脱ぎだすD子、そして性欲が爆発した猛、襲ってしまい自己嫌悪に陥った隙をついてライドオンするD子!これだろ!」
「ミュウどれ食べたい?」
「チョコの!あとモンブラン!」
「おい、そのケーキ達がどれほどの血と涙と汗で出来ているかわかってんのか?」
「これ20個限定のロールケーキだよね?いただきまーす」
「あぁ!!?それはホント、あぁ、うん、おいしそー」
俺が4時間かけて手に入れたケーキが君達の血肉になってホントウレシイ。マジデ。
「………デコ?怒った?」
「怒ってないよ」
「………えいえい、怒った?」
「サッキーさん、ちょっと話し合おっか」
「あはは、ごめんごめん」
しゅんとしてる美優の顔見てよくパンチしてくれましたね。激おこ。
とりあえずガチで怒ったので、サッキーの乳を本気で揉みしだいてやろう。
だが、手を出した瞬間腕を掴まれ止められた。
力で押し切れるから気にせず特攻。が、サッキーさんが流石に焦って足で肩を押し始めた。だが効かん!おパンツ最高!
「おらぁぁぁ!!」
「うぅぅぅぅ待ってぇぇぇぇごめんてぇぇぇ」
「春、あーん」
「あーん。しゅき。うぇぇ!!」
ミュウちゃんのあーんの隙をつかれて足で本気で腹を押された。本気で。ミュウちゃんはそれを読んで横に避けたのね。かわいい。
「はぁ、はぁ、パ、パンツ見たから、おあいこで、いいよね?」
「うぇ、あ、あーんでお釣りが来るってもんよ。……あれ?ミュウちゃん俺のチーズケーキとマカロンは?」
「ふっ、ここだ」
あーなるほどお腹ねー。キレた。
「美優、おいで」
「お・こ・と・わ・りっ」
「美優」
「あ、えと、ひゃっ!なに!?」
「ベロチュー」
「なんで!?だめ!おい!咲様ぁぁぁ!!」
「た、立花君?落ち着いて?それは真子ちゃんと相談しよ?」
……………なんか納得してしまった。よし電話。
『もしもし?春君』
「ケーキ食われた」
『うん。大丈夫?泣かないで?』
「無理。激おこ」
「ご、ごめんなさい」
『美優でしょ。意地悪した?』
「していいですか?」
『ダメです。何食べたい?買って帰るね』
「美優が食べたい」
『元気そうで何より。さらば』
「待ってぇぇぇ!!ケーキ!ケーキ!真子ちゃんケーキ買って!母さんケーキ!ケぇぇぇぇぇぇぇキ!!」
『…………春君うるさぁい。了解。夕方まで我慢してね』
「ありがとう。愛してる」
『うん。愛してる。それじゃあね』
プツッ。
「おい」
「どしたんミュウちゃん」
「お前ら付き合ってどんぐらいだよ」
「…………3?ヶ月くらい?」
「立花君ケーキもらうね」
そういうタイプの嫌がらせやめろよ。やりとり聞いてた?
「サッキーは猛とどこまでしたんだよ」
「手◯ンくらいだろ?」
「ミュウ、めっ。めっ」
「2回も言うな。あ、惜しい?手◯キ?いやクン◯だろ!」
「ミュウ、チッ」
「ごめっ、な、さい」
一撃でビビらせたな。ていうかそれやめなって。
「実は猛にじっくり選ばせるよう仕向けたからさぁ、あんまし気にすんなな」
「はぁ、やっぱり。私たち的にはあんまり焦らされたくないんだけどなぁ」
「あ、えと、出会って3秒?」
「もうミュウ。立花君のマネしちゃダメって言ってるでしょ?」
「いやこれ真子」
「………立花君、気をつけて」
腰に手を当てて言うのかわいい。猛好きそー。
「ミュウちゃんのオッパイで思い出したけど、サッキーもおっきくなった?」
「セクハラ禁止です」
「いやタッパ」
「な、なってるよっ。もちろんだよっ」
「んじゃいくつ?前49でしょ?」
「150です!い、今は、あの、151!」
「ミュウちゃんいくつ?」
「151」
「………ふっ」
「もぉ!いや!バカ!」
「およよ?パイ子さぁん?それはめっ、じゃなぁい?」
「むむむむ〜」
こういう時だけミュウちゃん元気だよな。んで、ミュウちゃんより小さいんだからバレないような数字言いなよ。
「ケーキありがとう。ご馳走様でした」
「咲大丈夫か。オムとケーキのダブルパンチだぞ」
「まだ大丈夫。まだ、まだ戦える」
「ここでは抑えろな」
「わ、わかってますっ」
さっきだいぶ荒ぶったけどな。スカートなのに平気で足で攻撃するくらいだからな。
「よし、デコ。世界救いに行くぞ」
「また俺ほっぽったりしない?」
「…………最悪咲と交代」
「え〜、自信ないけど?」
「…………やりたい事とやるべき事が一致した時、世界の声が聞こえる!」
それ誤魔化しになってない。




