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最低男子と最高女子  作者: 猫背
39/65

39話

「真子、水着買いに行こう」

「………本当に買うの?」

「その間はなんだ。なんで疑問形だよ」

「え?だって、本気なのかなって」

「なにが」

「買うんでしょ?えっち用の水着」

「俺の水着」

「………………準備するからちょっと待って」

本気で俺がすると思ってたんですね。かわいいから許す。


スッピンでいいのに、っつったら軽くつねられたので黙って待つことに。

ナチュラルメイクでワンピースに着替え、伸びた髪を結って前に流し、準備完了とのお達しをもらいいざ出発。グロス無視してキスしたらグーパンされた。


電車で数駅乗り継ぎ、オシャレの発信地という若者でごった返す地に降り立った。

澄ました顔してるけど、オタクの真子ちゃんはまぁまぁ窮屈らしく、握った手をぐいぐい引っ張りまくる。すまんのぉ。


「ねぇ春君」

「なんだ?足痛い?ヒール無いやつにすればいかったじゃん」

「うん違う。なんでこのお店なの?メンズも有るには有るけど。なんて読むかわかる?」

「アーツだろ。ATHだけど」

「はい正解。元々どういう系のお店かも知ってる?」

「デカいブラ売ってる系」

「ギルティ」

「いいから入るぞ」

「え?ちょっと、もうっ」

真子を引っ張って店に強引に連れ込む。字面エロいな。


中に入るとまず目に入るのは水着。ガッツリ女物だけどな。

周りを見渡しても、あるのは女物の夏服、下着、

靴や小物やその他諸々。中の店員も9割女の子。

お客も女の子。肩身狭いなぁ。

まぁお構い無しに角のワンスペースのメンズ用の水着を物色。数少ねぇ〜。


「ねぇ春君?別のお店の方が色んなのあるよ?移動しない?」

「しない」

「なんでここなの?かわいい店員さん多いから?かわいい店員さんが皆胸おっきいから?」

「違う」

「浮気相手でもいるのかな?かな?」

急にメンタルがヘルモードに入るのやめて。目が怖い。


手をにぎにぎされるのも無視して選んでいると、店員が寄ってきた。すごい速さで。すごい勢いで。


「いらっしゃいませお兄さん!今日は何をお探しですか!?」

後ろからその勢いぶつけないで。怖い。

「あ、あのぉ」

「こ、こんにちは泉さん。彼、水着を探しに…」

「え?あぁ!真子ちゃん!………彼氏?」

常連かい。

「えへへ、そうです」

「いいなぁ〜。羨ましいなぁ〜」

「うるせぇぞ泉仕事しろや」

「……え?あの?」

「春君?あれ?春君?」

「おい、男物のこんだけしかねぇのか?」

「……………あのぉ、春さん?」

「なんだ」

「…………か、確認、してきても?」

「チッ、報告だな」

「有ります!!ちょっとお待ちを!!」

店ん中ででかい声出すなよ。皆見てるだろ恥ずかしい。


「春君?説明が必要だと思うんですが」

「メンドイ」

「やっぱり浮気?」

「はぁ、ATHって何の略か知ってるか?」

「え?えと、それぞれに色んな意味があるんだよね?オールジャンルとか、タックスフリーとか。あとハイレベルとかって意味もあるとか」

オールサイズとかサンキューとかハッピーとかもな。どんなやねん。


「実際その通りだが、この社名を付けた本人は違う。本人は、アキ、トウヤ、ハル、って意味なのよ!!って言って自慢してんだよ」

「……………………え?」

「お待たせしましたお客人!!どうこのブーメランっぷり!!後ろはもちろんどえらい食い込みでっせ!!」

「母さんうるさいなんでいんだよ」

「え?え?え!?」

止まらないカオス臭。俺も母さんは予想外だったな。


とりあえず混乱してる真子をほっといて、母さんに連れられ店の裏に入れてもらった。

もちろんブーメランはぶん投げた。

泉店員はそのまま表に戻ってもらいました。


中の休憩室に案内され、勝手に座ってくつろいで母さんを待っている。

どっか行ったと思ったらガタガタ震えながらお茶持ってきた。こぼすなよ。


「へいお待ち!」

「どーも」

「い、いただきます」

「……真子ちゃん?何してるの?」

「す、すみません、私が用意するべきですよね、ごめんなさい」

「ノー!!私が来るまでに何でフェ◯してないの!?」

「普通しません」

「あ、はい。………当たり強くない?」

ここ家じゃねえから。


母さんのお茶を飲みながら状況の確認。

母さんは元々本社で色んな仕事をしている。代表なのに服や下着のデザインしたり、試着やらダメ出しやらなんかかんか。


なのでこの店、1号店なのだが、普通はいない。

だが、今日はたまたま視察と称して、客層や売れ行き、店内の配置や店員のお客の対応などを確認をする。

フリして店員のケツか乳を揉んだり、彼氏出来たかなどの世間話をしに来てる。

ちなみに泉さんは唯一店員で彼氏がいない。笑ったら睨まれた。


「ところで春、なんで水着なの?ちゃんと真子ちゃんに着せるどエロいおパンティー見に来たんじゃないの!?」

「秋さん、お店まで聞こえちゃいますよ?」

「ま、真子ちゃん……い、いつからそんないい子ちゃんになったの!?そんな子にうちの春はあげません!」

「私がもらわれる側なので問題無いかと」

「あ、はい。……春なんで?」

「家じゃないからに決まってんだろ」

あぁ納得!みたいな顔やめて。


諦めてくれた母さんにカタログを見せてもらい、水着を探して見たのだが、まぁキレそう。

さっき持ってきたブーメランに始まり、競泳用、ふんどし、股から伸びて肩に掛けるクソの様な物しかない。どこぞの変態仮面じゃねえか。


「トランクスタイプは?」

「ありません」

「なんで?」

「私の好みじゃない!」

こんなお母さんいや。


「春君、別のお店行く?」

「真子ちゃん、それ私の前で言えないとは思わないかな?」

「さすがに隣でふんどしはちょっと」

「…………ダメなの?」

「全部ダメ。客への対応も力入りすぎだし、スペース遠いし、店の入り口の正面に際どい水着着せたマネキン置かれると入りづらい」

「男の子的に妄想が捗ると思ってたんだけど」

「母さんは注意したん?」

「今年1番推したい蒸れないブラにしなさいって叱りました!」

「秋さん、見てもいいですか?」

そうじゃないって知ってて食いつくのな。


結局真子さんのお買い物をすることになりました。主に下着。

何回か聞かれるけど何言っても意見反映されない感じなんなん。聞く意味なくね。


店員さんらと母さんと盛り上がりながら買い物する彼女さんを待つこと1時間。ニコニコしながら買い物袋渡してくるとこ辛い。

「何買ったん?」

「な・い・しょ」

「かわいい」

「あざす」

返事もかわいくしろよ。


近くのオサレなしょっぷで春君の探そうって言われたので、イヤイヤながら探すハメに。

手を引かれて着いたしょっぷも常連らしく、きゃわわな店員さんに案内してもらい、無事購入。

店員さんにラインのID聞いたら蹴られたが何の問題も無い。無事。


買い物を済ませたので腹ごしらえ。昼だが地味に空いてるラーメン屋があったのでささっと入る。

「春君、次どこ行こっか」

「ふむ、ちょっと休憩しよっか。2時間4000円だけど「アキバ行こ!」涼し「アキバ!アキバ!」昨日行っただろ」

「変な事言う人のお話しは聞きませーん」

行く気満々でニコニコしながら言うな。行きたくないわい。


残念ながら力づくで誘導され、仕方なくアキバに移動した。腕に当たるオッパイに負けたわけじゃない。上目遣いでうざったくおねだりされたからだ。暑いから離れろ。


到着してまず移動した場所がゲーセン。またか。

何を思ってか知らんが、わざわざピンクパーカー事件の場所で遊びたがり、その上格ゲーしようとか何のイジメだよ。


「よしっ。1発やりましょかー。荷物持ってて」

「ちょい待ち。あれ」

「ん?………ん?」

筐体に向かってガチャガチャやってるちっこい子がいた。めっちゃ知ってる後ろ姿、特に頭がプリン化し始めてるところが特徴。


真子にアイコンタクトを送り作戦開始。

荷物を受け取り、ゆっくり後ろに回らせる。

画面を敗北の二文字が書かれた瞬間、真子にゴーサインを送り、頷く事もせずにすぐに前を向き、しっかり、がっつり、そして激しく、乳を揉んで揉んで揉みまくらせた。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「うひっ!!」

「予想外の悲鳴だな」

絶対おっき待った無しパターンだと思ったんだがなぁ。


「んで、2人はどうしてここに?」

「それは俺のセリフだろ。なんでお前とミュウちゃんがいんだよ。変われ」

「やだ!しね!ばか!」

「はいぐぅかわ。痛っ、かわ痛っ、ふっ、はっ!なんの!」

ポコポコパンチを華麗にかわし、縦横無尽に揺れるオッパイを心の中で合掌。泣きそうになったところでバトンタッチ。真子にむぎゅぅぅとハグさせて何とかあやしてもらった。実行犯そいつだけどな。


とりあえず、自分の女を2人ほっぽって、よりにもよって俺が愛してやまないミュウちゃんとお忍びデートしてる猛に事情聴取。

猛嫁(仮]2人は外す事の出来ない事情で会えず、趣味に没頭していたら呼び出され、今に至る。わけわからんのでパンチ。


「なんでミュウちゃんは俺を呼ばないんだよ」

「うっさい」

「ミュウちゃんといえば俺じゃん?」

「しね」

「俺とミュウちゃんは赤い糸で結ばれてるとかなんとか」

「はげ」

「ふっ、おいで美優」

「やだ!やぁだぁ!」

「春君ステイ。ハウス」

帰らそうとすんな。俺になでなでさせろ。


注目の的になってしまった我らがアイドル美優たんが、キモオタにガン見されて腹立つので着いて早々移動。場所は猛の強い希望でメイド喫茶。


移動して早々席を案内してもらったんだが、猛のキョどりがヒドくてストレス。もっとかわいい子近くにいんだろ。

丸テーブルに猛と向かい合い、両手に花状態。素晴らしい。


「ん」

「ふむふむ、春君はセクハラひどいからイヤだって」

「嘘つけ」

「ん」

「なるほど、胸ばっかり見てくるから嫌いだって」

「真子しか見てない」

「最近見過ぎ」

ガチの注意やめて。マジで恥ずかしい。


「デコ助が唯一ノッポに劣る部分が1つある」

「身長?そんなにタッパあるやつ好きなん?」

「違うわい」

「デカいやつに◯出ししてもらっても伸びないよ?」

「春君ここ夢の世界だからね。やめて」

いつになく強めに言われるとキモオタだと思い知らされるなぁ。さーせん。


「デコ助ゲームクソ下手だろ。真子は真逆で使い物にならんし」

「傷つく言い方やめて〜」

「んでノッポが丁度いいから使おうってな」

「傷つく言い方しないでほしいな」

「つまり夜は俺を使ってくれると」

「話聞いてる?2回目だよ?」

「ごめ痛い!ごめんて!痛い!痛いって!」

「おお!デコ助が唸ってる!やれやれ!」

「春が一方的に攻撃されるのを見るのは違和感がすごいなぁ」

いいからちねりを止めろ!まぁまぁの力なんだぞ!


苦し紛れにボタンを押してメイドさんを呼んでしまい、あたふたする非オタ。そして一瞬で待機状態に入るキモオタ。引くな。


「はぁい。お呼びですかぁ?ご主人様ぁ〜」

キモっ!!ここ外れじゃね?

「あいじょうたっぷりみるき〜じゅーちゅを1つと」真子さん怖い。

「お絵かきオムライスを「4つ」お願いします」

「おいこらいらないぞアホ。んな金持ってない」

「俺の奢りだ。いっぱい食って大きく……なれ」

「なんの間だはげ」

いやオッパイでかいじゃん。


「なんてお書きしますぅ〜?」

「キャラって出来ます?」

「はぁい。大丈夫ですよぉ〜」

「では、今旬の高◯さんで」

誰やねん。

「俺はポ◯子で」

いや誰だよ。

「あ、あた、えと、あの、ふぇ、あの「みゆたんラブで」おいふざけ「前後にハート付けて下さいね」やめろアホ!」

いやだってふぇとか言うから。

「ご主人様はどうなされますかぁ?」

「んじゃチャー◯マン研で」

「え?えと……」

「春君それは流石にわからないよ」

なんでだよ!?博士、お許し下さい!だぞ!?


仕方なしに真子愛してるで頼んでおいた。もちろん蹴られたがかわいいもんだ。


美味しくなる呪文をぶひぶひして注入し、早速いただき。中々美味い。

んで真子のみるき〜を勝手に半分飲み怒られた。

足こちょこちょしたら許してくれた。これがぎじゅちゅってやつだな。


「デコ助、ゲーセン行くぞ」

「もうあーんしなくて「いらない!」あ、そう」

オムライスではあんなにかわいく食べてくれたのに。真子は良くやるから照れが無くなってつまらん。

「足立さん、2人にしてあげようよ」

「はぁ?あたしと2人で歩きたきゃもっといい男になれ」

「その通り。さすがです」

「春君も少しは小山君を見習う所があると思うけどなぁ」

「だってミュウちゃん」

「それは真子が悪いな。デコ助の努力が「せい」ひゃあん!」

「春君ちょっと」

「俺じゃないミュウちゃんが悪い」

「オッパイ揉む理由だけ言ってみなさい」

「1番手前にあるから」

「あぁ〜、おらぁ!!」

「ぐえっ」

普通殴るとしても食ったばっかの腹殴る?鬼か。


「第1、ミュウちゃんのカッコが悪いと思います」

「は?なんで?」

「それ俺の夏用のワイシャツだよな」

「…………きもい」

「………本当?」

「いつパクったよ」

「…………勉強会」

「………本当じゃん!」

まぁまぁ前じゃねぇか。真子ちゃん落ち着いて。


よくよく見ると、俺のワイシャツ、俺の寝間着用の短パン、俺のサンダル、俺のキャップまで装備してんねんで。こりゃ揉まれてもしゃあないよな。うんしゃあない。


「というわけだ」

「絶対そういうわけじゃないよね」

黙れクソオタ。

「美優、春君に返してね」

「うん、真子取り来て」

「はい。後で行くね」

「俺「来んな」いっ「お留守番」危「春君が1番危ないから!」うぇーい」

「デコ禁止っ出禁っえろ禁っすけべっ」

「美優誘っ「シャラップ」真子さ「お黙り」へーい」

「少しは大人しくしなよ」

美少女を目の前にして荒ぶらなきゃ申し訳ないだろ。まぁ真子が荒ぶってるから我慢するけど。


メイド喫茶を後にし、解散。とはならずに4人でゲーセン巡りに興じることになり、ストレスを様々なゲームで、全て俺にぶつける2人に泣かされる事になってしまった。まぁオッパイは揺らしてくれるし、機嫌も直ってくれるからいっか。

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