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最低男子と最高女子  作者: 猫背
3/65

3話

気持ちのいい朝が来た。

いつもは猛のバカがアホみたいにドアガンガン叩いて起こしに来るのだが、今日は来なかった。お休みバンザイ。


珍しく朝に起きたんだろうと思い、ダラダラしながらテレビをつけた。

土日の朝は子供向けの番組かニュースくらいでつまらんが、暇つぶしにはなるよな。


時間を見る、十時。早いなー。

………………ん?今日金曜?

………………ん?







「おい猛ボケカスコラ。てめぇなんで起こさねえんだよ」

「………………」

おっと、中々悲しそうな顔してんな。なんだ?

「痛っ!な、なんで叩くんだよ!」

「シカトしてんじゃねぇよ。何してんだ」

「………いや、春、昨日言ってたから」

「………………仲良しこよし出来なかったと。知るかボケ」

「痛っ、や、やめろよ!俺だって頑張ったんだ!」

「頑張ったかどうかは何したか聞いてから俺が判断してやるよ」

「う、わ、わかった」

なんで深刻そうなんだよ。つうか皆こっち見てるし。ガン飛ばしてやる。


「実は、昨日皆で帰りにカラオケに行ったんだ……」

「察した。もういい、お前は頑張った。結果にコミット出来なかっただけだ」

「え!?それじゃ、話しかけて痛っ!なんで!」

「それと俺の反省文は別だ」

「自分で起きないのが悪いんじゃん!結局全部春のせいだよ」

「カラオケをチョイスしたお前は?」

「そ、それは、その、流れが……」

「つまりあそこでお前が気になって気になって仕方ない3人のせいか。お前ひどい奴だな」

「ついて来てくれなかった春のせいだ!」

結果俺かよ。ベットインまで気にしてやった事を忘れたか。


「た、立花君、おはよう?」

「おうサッキーおはす。遅刻で反省文とか最悪だよな。昨日の猛の歌の様に」

「そ、それは言うな!」

「お前最低だな。友達を何だと思ってんだよ」

「ユーマちゃん勘違いしてない?俺サッキーしか友達いないよ?」

「え?」「え?」「え?」「ひどいよ!」

気づいてる?ケガしたの猛に見えて俺だよ?


「へ、へー。立花君は咲と仲良いんだー」

「サッキーとは挨拶するくらい仲がいいからな。ベストフレンドだ」

「こ、小山、こいつマジで友達いた事無いのか?」

「えと、その、俺だけ、かな」

「言っとくけどこいつも友達いねぇからな」

「え?小山が?嘘だろ?」

「ところがどっこい、イケメンの宿命だよな。男に嫉妬され女に遊ばれ、哀れ」

「勝手に哀れむなよ!春が変な事ばっかりしてるからだろ!俺が近所の小さい子に惚れてるとか、近くの幼稚園に足繁く通ってるとか、熟女以外に興味無いとか勝手に言いふらしてるせいだろ!」

「どうでもいいけど早く飯食えば?昼半分しか無いぞ」

「……………いただきます」

重役出勤からの飯プラス反省文は気持ちプラスですかね。


ぶつくさ言いながら飯を食い、ちょこちょこ俺にガン飛ばして来るところが腹立つ。

飯パクってやろうかと思うが、また自作の不味い弁当なんかつまむきにならん。蹴ってやる。


「ねぇ、立花君、一緒にお昼食べない?」

「猛と食いたきゃ勝手にしろ。俺はもう食った」

「早!それじゃ、失礼して」

…………なんでお姫さんが来るんだよ。皆見てるじゃん。勘弁してくれや。

ユーマちゃんに何とかしてくれビームを目から放ったが、ため息からの舌打ちガンつけの3コンボを俺にぶつけて、机を隣から借りて俺の机にくっつけた。え?一緒に食うの?


「あの、私も……」

「おぉサッキー。我が唯一の友よ。ん?そういや猛とは仲良くなってないんか?」

「は、春、ちょ「うるさい」………はぁ」

「え、えと、お友達?だと、私は勝手に」

「そうだな。私達と小山は友達だ。お前は別だ」

「奇遇だね。俺もユーマちゃんは特別だよ」

「意味違えよ!?」

照れなさんな。まぁ流石に教室のど真ん中で告白みたいな事出来ねぇもんな。うん。


「まぁまぁ、出来れば立花君とも仲良くしたいと私は思ってるよ?」

「俺は別に。サッキーだけでいいし」

「お前最低だな。真子がお前なんかに歩み寄ってやってんのに」

「俺なんかよりこのオッパイフェチ君と仲良くしてくれって言ってんの」

「ち、違うよ!そんな趣味無いから!」

「え?お、お前……オッパイ好きじゃ無いの?マジで?ま、まさか……」

「それのせいで友達出来ないんだよ!変な事言うな!」

おかげで女子から声かけられなくなったんだから感謝してほしい。正しくは誰からも何だが。


「へー、ちなみに立花君はどういう子が好きなの?」

「ユーマちゃんみたいな絶壁が、危ね!グーはやめろ!」

「見た事無いくせにテキトーな事言うな!」

「なるほど、では、津田さんと大野さんにインタビューです。ユーマちゃんはズバリ、危ね!何もしてねぇだろ!」

「うるさい!真子は言うんだよ!」

「マジで?ユーマどうなん?危ね!」

「悠真は、その、Bはあるよ!」

「プッシュアップ?うお!危ね!やめろ!」

「…………パ、パット」

「言うなぁ!!」

「ぐえっ!」

何で俺が腹パンされなきゃならねぇんだよ。飯出ちゃうじゃん。


「な、ならユーマちゃんに質問。津田のスリーサイズは?」

「ちょ!それはダメ!」

「言わないっつの!誰が教えるか!男子共こっち見んな!」

「おおー。おい猛、何もっと言えみたいな顔してんだよ」

「してないだろ!」

「早く飯食えよ。何止まってんだよ」

「いや、その、ひ、平野さん、ごめん」

何謝ってんだよ。乳ばっか見てんじゃねぇ。


「ところでサッキー」

「は、はひ!」

こんな流れでごめんね?落ち着いて飯食って?全部落としてる。


「お友もももも、ももももも、っていうじゃん」

「え?………え?」

「ごめん今の忘れて。ラインやってる?」

「え?あ、はい」

「教えるなよ。何されるかわかんないからな」

「いや、猛に教えてよ。俺電話かエロ動画見るくらいしか使わないから」

「やめろ気持ち悪い!」

「んご!んぐっ、んぉ、んー!!」

「食ってから喋れ気持ち悪い。お前のオススメの動画なんか聞いてねぇから」

「んぐっ、言って、ねぇ!」

勢いすげえよ。つうか早く食えよ。昼終わるぞ?


「あ、あの、私はいいですよ?」

「お、イェーイ。猛の友達第一号。ユーマちゃんと津田も教えてやれよ」

「え?うん、いいけど、立花君は?」

「だから、俺は「言うなよ?」………春画しか見て「一緒だろ!」全然使ってないし、無視するから」

「お前最低だな」

「しかも春は本当に無視するから」

「マジかよ!?」

猛は全無視したな。だけな。


「とにかく交換しとけ。俺はこれ提出してくるから。してなかったらお前の性癖バラすからな」

「やめろよ!また嘘ばっかり言うだろ!」

「いやならやっとけよー」

ふぅ、とりあえず目的は達したな。

……………マジで交換するよな?

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