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最低男子と最高女子  作者: 猫背
2/65

2話

自己紹介から一週間。

見事にぼっちになりました。ですよね。

別段困った事は無いのだが、視線がうざくて腹が立つ。


「うわ、出た」「猛君なんでこんなのとよく一緒にいるんだろ」「まぢきもい」「猛君から離れ無いかなー。まぢうざくね?」

などと影で言われるほど大人気。目の前で言う強者もいる次第。俺モテモテじゃん。


そんな中、真のモテ男こと猛君はいつもの様に俺にウザ絡みしてくるとこまぢきもい。

キモいな。やめよ。


「春、そろそろ冗談でしたー、って言わないと」

「俺がなんでハブられてるかまだわかってないのかよ」

「え?あの匂い嗅ぐって言ったあれでしょ?」

「今は違えんだよ。毎日毎日お前の近くにいて睨みきかしてっから邪魔くせぇってなってるからだぞ。つまりお前のせいだ」

「えー、いや、結局春が怖いのが悪いんじゃないの?」

俺の顔は生まれつきだ。少し目元がキリッキリなだけだ。


「とりあえず弁当食べよう。春今日もコンビニなの?体に悪いよ?」

「うっさい。お前のクソ不味い弁当の100倍マシだろ」

「ちょ、これでも結構上達してるんだよ?」

とか言いながら弁当箱を開けて見せてきやがったのだが、玉子焼き焦げてんじゃねぇか。

一個パクって食ったが、…………不味い。

ただの焦げた元玉子さんじゃないですか。

「れ、練習中だから、しょうがないだろ」

「ずっと張り付いてんのになんで焦げるんだよ」

「……………ちゃんと見てるつもりなんだけど」

「何考えながら料理してんだよ」

「…………えっと、な、内緒?」

気持ち悪りぃんだよ。乙女か。


「あ、あの、た、立花君、ちょっといい?」

「あ?何?誰?」

「おい春、大野さんだよ。自己紹介聞いてなかったの?」

ふむ、おっぱいデカいな。だからこいつ覚えてたのか。てかタッパ小せぇな。

「大野、何さん?あと身長いくつ?」

「春、失礼だって」

「えっと、大野咲です。花が咲くの咲っていう字です」

「身長は?」

「………ひ、150センチです」

「49か、小さいね」

「150ですっ」

コンプレックスなのね。かわいいと思うが。あと150でも小さいよ?


「そんでどうしたの。猛にじゃないの」

「いえ、あの、立花君です。えっと、前の数学で出た課題の提出、なんですけど、あの、立花君だけ出てなくて……」

「あぁ、忘れた。なんか聞かれたら後で持ってくって言っといて」

「はぁ、だと思った。ごめんね大野さん」

「い、いえ、大丈夫です。先生に伝えておきますね」

「日直も大変ですな」

「お前のせいだろ」

「恨むなら同じクラスにした先生達を恨んでくれな。んじゃよろしくサッキー」

「は、はい。……あ、あの、サッキーって?」

「俺に話しかけた女子1号だからあだ名付けた」

「迷惑だからやめなよ」

親しみを込めてんのに迷惑とはこれいかに。

乳ばっか見てる奴らよかマシだろ。つまりお前は謝れ。


「あ、あの、あだ名って初めて付けてもらったので、嬉しいです。迷惑じゃないですよ?」

ずっと困った顔で言われてると申し訳なくなるから嘘でも笑って?

「そ、それでは失礼します」

「あ、どうもご丁寧に。よろしくー」

礼儀正しく挨拶すると、まぁまぁな速さでお友達らしき女子の所へ歩いてる。そんなにあだ名が嬉しかったのか。

ただお友達が俺を指差しながらなんか言ってる。

嫌そうな顔して指差すな。見てたんじゃねぇのかよ。


「春、もう少し真面目になりなよ。そんなだとずっと女の子に嫌われるよ」

「言っとくけどお前らみたいに乳ばっか見てる奴も嫌われるからな」

「み、見てないから!変な事言うなよ!」

「気づかれてないと思ってるとこ申し訳ないけど女子は気づいてるからな。バカ丸出し下心丸出しなんてモロバレだぞ」

「………い、いや、み、見てないから」

イケメンがなんでも許されると思うなよ。……これは許されるのでは?クソが!!


コンビニ飯を平らげ昼をダラっと過ごし、午後のつまらん授業を睡眠学習。

しょうがない。食ったら寝るのは普通だ。


「春、帰ろうよ」

「お前部活は?クソほど声かけられてただろ」

「面白そうだけどやめとく。春と一緒の方が楽しそうだし」

「キモい、あっちいけ」

「ひどいなー。友達いなくなっちゃうよ?」

「1人もいねぇだろ」

「あれ?俺違うの?ショックなんだけど」

いちいちメンドくさいな。ガラスのハートかよ。


「あ、あの、猛君、一緒に帰らない?」

「ねぇ、一緒に帰ろ?学校の近くに出来たカフェ寄ろうよ」

「えっと、ごめんね。春と帰るから」

「ついてくんなバカ」

お察ししろや。おかげで女子に嫌われてんだぞ。

「えー、また立花と?それじゃあまた今度行こ。連絡するからライン教えてよ」

「ごめん、今充電切れちゃってて。明日でいいかな?」

「うん!じゃあまた明日ね!」

「絶対だからね!」

さらっとガンつけるな。俺はむしろサポートしたろ。


「はぁ、ごめんね春」

「気持ちが足りないな。土下座しろ」

「そっちの方が嫌でしょ?」

実際にやられると困るからな。まぁ俺は気にしないけど。


「あ、あの、小山君、一緒に帰りませんか?」

またかよ。俺を出すなよ。今度はマジでやらせるからな。

「え、あ、大野さん?あのー、えっと」

「あん?サッキー?」

俺の後ろから猛を逆ナンしてたのはサッキーだった。

タレ目で困り眉でモジモジしてるから絶対攻めない系だと思ってびっくり。イケメン、死すべし。


「あ、えと、は、はい」

「おー、いいじゃん。2人で放課後デートして来いよ」

「え!?デ、デデ、デート!?」

おぅふ、サッキー声デカイ。

「バ、バカ!さっきの子達に嘘つく事になるじゃんか!」

「俺ん家すぐだろ。すぐ解散したとか言やぁなんとでもなるだろ。ちゃんとゴム持ってっか?」

「何考えてるんだよ!!バカ!!」

「耳キーンってなるからやめろ。第一、お前らの為を思って言ってんだろ」

「思うところが間違ってる!大野さんとはそんな関係じゃないから!」

「そ、そそ、そうです!まだ、そんな、あの」

背中痒くなるから他所でやってくれ。猛は腹パンだからな。


「そ、それに、2人じゃなくて、友達も一緒ですから!」

「は?マジで?3P?」

「ち、ちが、あの、あの!」

「は、春!やめろって!」

「お前!咲に何言ってんだ!」

「咲!大丈夫?変な事されてない?クンクンされてない?」

俺は犬じゃねえ。本気だと思ってんのかよ。

てかサッキーの友達2人じゃん。

しかも片方最近学園一の美少女と名高い津田真子さんではないか。もう1人は知らん。


「誰こいつ。こっちは知ってる」

「こいつって言うな。平野悠真っていう名前があんだよ」

「ユーマちゃんね、了解。かわいいのに口悪いのはいかんな」

「か、かわいいって言うな!ちゃん付けもやめろ気持ち悪い!」

「ユーマちゃんかわいいー」

「やめろ変態!殴るぞ!」

グーはやめて。平和的に解決しよう。


「んじゃ俺は帰る」

「ちょ、春!」

「あの、立花君も、どうかな?」

「サッキーには悪いけどメンドくさい。俺ん家近いし」

「おい、せっかく咲が嫌々誘ってんのに」

嫌々ってわかってて喜んでついて行くわけねぇだろ。


「べ、別に嫌々じゃないよ?立花君とも仲良くなりたいから」

「私達は思ってないけどな!」

「い、いや、そんな事、無いよ?」

津田さん。もうわかった。いいんだ。辛いからやめてくれ。


「へいへい。サッキーと真子姫には悪いけど帰りまーす」

「そ、それはしょうがないけど、その、その呼び方やめてほしいなー、なんて」

「は?んじゃ、………マッコリ」

「へ、変態!」

「お前知らないの?下ネタでも何でも無いからな?」

「え?な、何?」

「真子、酒だよ酒」

「う、嘘………ご、ごめんなさい。でも、それもちょっと……」

注文多いなー。メンドくさ。


「津田、じゃあな。サッキーとユーマちゃんも」

「え?あ、はい」

「えっと、また明日」

「やめろバカ!」

「え?春!待ってよ!」

「お前がちゃんとそこの3人と仲良くなれたら一緒に帰ってやるよ。仲良くなるまで一生話しかけんなよ」

「なんだよそれ!待ってよ!ちょい!」

何今更テンパってんだよ。イケメン力を見せてみろ。

さぁ帰ろ帰ろ。これで当面猛に絡まれなくてすむな。

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