18話
「春!起きろ!学校行くぞ!」
「……………うるさくね」
「何言ってんだ!休みでボケちゃったのか!ほら早く準備しろ!」
ニヤケ面でこのクソハイテンション。マジつら。
ゴールデンウィーク明け初日。
残りの休みもキモオタに振り回される事になり満身創痍です。
そして今日もキモオタから受けるこの仕打ち。
うむ、ストレス。
「春!早くおきうぇ!」
「キモいんだよクソオタ。こちとら正志の半分くらいストレス溜まってんだよ」
「だ、だからって腹パンはやめてよ。ていうか正志から連絡あったんだね」
「生きてんのか死んでんのかよくわからんかったけどな」
昨日の夜に母さんに頼んで正志をレスキューしてもらったが、会った時には目が虚ろだったとのこと。一応って事で電話したんだが、返事がはい喜んでのみ。すまん、助けられなくて。
「そういえば春も元気無いね。津田さんとデートしてたのに」
「お前みたいに単純な人間に生まれ変わりたい」
「その顔見ると本気で言ってるように見えるんだけど。なんかあった?」
「お前にはわからんと思うから例えて話す。服屋回って、カラオケで延々流行り曲聞かされ、知らないアーティストのライブで荒れ狂う。そんな流れだった」
「全然ピンとこないけど合わなくて疲れたのだけはわかった」
何テキトーに返してんだよ。そんなんだからベッドインまで辿り着けねぇんだよ。
こいつのクソテンションの理由は決して触れずに登校。舌打ちしても全く気にしてない位浮かれてるんですけど。うざ。
「立花君、おはよう。今日もいつも通り元気無いね。朝御飯食べた?」
「おは…………貴様、何者だ!」
「クラスメートの顔を忘れたの?もぅ、寝坊助さんなのね」
「気持ち悪ぃ!サッキー!なんだこれ!おい真子どこだ!」
「あー、立花君おはよう。悠真ちゃんは朝からこんな風になってて、真子ちゃんはまた寝坊しちゃったみたい」
おぅ……ジーザス……ってなんで寝坊すんだよ。
朝から地獄。
急に変なトビラを開いたユーマちゃん。
俺と会話してるのにずっと猛を見つめるサッキーさん。
そもそもいない真子。
顔がふやけた猛。マジ腹パン。
「はい皆さんおはようございます!今日からまたクソみたいな学校のお時間の始まりですよ!」
あかん。三十路から負のオーラがビンビン。スーパー独身人になってしまっている。こっち見んなや!
「はい出欠とります!リア充はいませんね!はいオッケー!」
「先生それ関係ありませーん」
「うっさい!私にとってはとても大事な事です!あれ?もしかして君、リア充?」
「ち、違います!募集中です!」
「あらそう。でもなんか怪しいわね。放課後進路相談室に来なさい。私が、教育、してあげる」
三十路やめとけ、冗談に見えん。おまけに目が真っ赤。
合コンで1人だけお持ち帰りされなかったらしい三十路の、みにくい姿を目に焼き付け授業に移行。
一限お前かい。
「……………おはよう」
「あ、真子おはよう。ってもうそんな時間じゃないよっ」
「キモっ!……あー、ごめんね?えっと、どうしたの?」
さすがの津田氏も素が出てしまう衝撃だったか。つうか昼に出てくるなんて羨ましすぎる。舌打ちしちゃう。
「真子ちゃん大丈夫?」
「ん?大丈夫だよ。ちょっと起きれなかっただけだから。ごめんね?」
「ちょっとじゃねぇだろ。なんで俺が朝から来てんのにお前今なんだよ」
「それ言っても昼から来ていい事にならないからね?」
黙れクソリア充オタク。お前のせいで朝から独身怪人が半狂乱で教科書振り回してたんだぞ。
「おはよう軍曹。今朝はご機嫌のようだな」
「黙れバカ。クソも似合わねえんだよ」
「あれはたまたまだよ!今度は本気出すし!」
「何の話か聞いてもいい?」
サッキーさんニヤニヤしない。ほっぺプニプニの刑にするぞ。
「春君とアキバデートしてたんだけど、ノリでコスプレしよってなって、私がウ◯ズ2で春君が7だったんだよ。春君似合ってて惚れ直した」
「春もっとすごいよ」
「おいやめろ。お前が不能なのバラすぞ」
「違うし全部言ってるじゃん!去年の「待て!話し合おう」……そんなに嫌?」
「嫌に決まってんだろ」
「そこんとこ詳しく。はよ!」
「食いつくなアホ。聞いたら浮気するからな」
「……………………先生ぇ……話が、聞きたいです………」
「真子、俺の好きなお前は俺の嫌がる事しないよな」
「…………わ、私は何もしません。ただ、何かが聞こえてきても、私にはどうにも出来ません」
こいつ、狂ってやがる……マジでアホなのか。
「春に去年の夏コミでコスプレしてもらったんだよね。俺の付き添いで」
「写真。はよ」
「それ見たら俺たちの関係は最後になる。いいんだな?」
「彼女から嫁にクラスチェンジするからかまわんよ」
なぜ昇格する?好感度下がるってギャルゲ脳で理解出来ない?
「はいこれ」
「わー、2人ともかっこいいねー。立花君はピッタリな感じするし」
「サッキー知ってんだ」
まぁ有名だからな。7も良いけど10の方がヒロイン好きなんだがな。
「うん。真子ちゃんのリアル……何とかを見てたんだ」
「…………RTA?」
「そーそれ!ホント真子ちゃんすごかったよー」
そっちかよ。津田氏、いい友達持ったな。俺ならキレる。
「立花君すごいね。別世界の人みたい」
「今のお前は別次元のお前みたい」
「えー?そうかな?」
「言っとくけどもうお前に正志会わせねぇよ?」
「なんでだよ!お前を殺して正志君を嫁にする!」
本物のメンヘラストーカーはこいつだったか。通報しよ。
「あの、津田さん?」
「おいバカ。もういいだろ。返せ」
「結婚したい」
「どうやって二次元に行くか聞いていいでしょうか」
「春君がまた◯ラウドのコス、私がティ◯ァのコスで式を挙げたい」
「絶対いやだ。お前は俺とミュウちゃんの友達枠で呼ぶかどうか」
「はい浮気1回。良かったね、1回スルー権があって」
それでもう無くなんの?審査厳し。
「ところでサッキーはどう思う?猛のこの似合わなさ」
「コスプレは似合ってるかどうかじゃない、ってあなたの彼女さんが」
「コスプレで最も大事な事は、魂を込めることなのだ!」
「俺のこれカケラも入ってねぇよ」
「春君は完璧だから何も言う事無いだけなの」
完全にお前ルールやん。俺この時2秒に1回舌打ちしてたからな?
飯をギリギリで食い切り夢の中。あれ?悪夢しか見ない。
「おい立花帰るぞ。付き合え」
「断る。最近のユーマちゃんは犯罪臭しかしないから嫌だ」
「いいから話を聞け。私はお前に感謝してるんだ。だから少し恩返ししようと思ってな」
「何すんの。正直ネタでも下の話したくないくらい引いてるからな」
「アホか。真子の中学の時の話とか、黒歴史とかどうよ」
「黒歴史は現在更新中」
「そんなこと無いし!春君帰ろ!」
コスプレしてはぁはぁしながら歩くのはお前にとって通常運転なんだな。
「それじゃ、私は用事あるから」
「サッキー、まぁ落ち着け。今日のところは4人で帰りな。オッケー?」
「真子ちゃんが可哀想だよ」
「さりげなく盾にするところ好きです。さすがベストフレンド」
「え?あぁ、うんありがとう」
目線どこかな?あぁ、猛かー。ビクビクしちゃう。
サッキーの痛い視線をライフで受け続け、心がボロボロになったが、真子と途中参戦のミュウちゃんにお願いして押し通してもらった。
ミュウちゃんは後でお礼にスケベマッサージしてあげよ。
「春珍しいね。どうしたの?」
「緊急会議。一応サッキー、ついでにお前の為ってのと、正志の現状の話だよ。さすがに正志どうなってるか気になんね?」
「た、確かに。でも平野さんなら大丈夫じゃ?」
「いいから行くぞ。お前には俺のための生贄にもなってもらわなきゃならんからな」
「趣旨変わってない?」
バカめ。全ては俺中心に回っているんだぞ。
でも正志の事は本気だぞ?




