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最低男子と最高女子  作者: 猫背
12/65

12話

「……………春、大丈夫?」

「…………お前、やりやがったな」

「仕方ないじゃん。俺だって辛かったんだよ」

「ふざけんな。お前何時に寝た」

「2時」

「俺より寝てんじゃねえか!ぶっ飛ばすぞ!」

「いや、だって、平野さんがあんな必死だとは思わないじゃん」

「寝る前に気づいてたろ!身代わりにしやがって!絶対やり返すからな!」

「は、春の仕返し洒落にならないじゃん。やめてよ」

「サッキーに有る事無い事言いまくってやる」

「バ、バカ!やめろ!ごめんて!」

こいつだけは生かして返さん。必ずやり返す、倍返しだ!


話をすり合わせた結果。こいつは夜10時から夜中の2時までユーマちゃんに鬼絡みされ、その後俺のラインを盾にして就寝したらしい。

俺はこいつが連絡を切った直後から、ユーマちゃんに鬼ラインをされ始めて目覚めた。もちろん無視。

だが、鬼電され、そして3時間ほど睡眠妨害をされた挙句、ユーマちゃんが電池が切れたかの様に眠りについてくれたので、何とか寝れた。死ぬ。


「俺、今日休む。死んじゃう」

「いつも授業中寝てるんだから平気だろ」

「今日移動あんだろ。俺動かないぞ」

「その時は引きずってあげるから。早く準備しろよ」

「お前マジで覚悟しとけよ。お前の盗撮癖を全校生徒にバラしてやる」

「そんな趣味ないよ!」

無いなら作る。為せば成る!







「立花………君?大丈夫?目が、その、何も無いところずっと見てるけど」

「……………サッキー、俺、まだ死ねない……死にたく無い…」

「た、立花君?」

「おはよう立花!昨日はサンキューな!」

「やかましいんじゃクソぺったんこ女!!!お前の血は何色だ!!あ!?」

「うおっ!な、何だよ、ひでぇな」

なんだよ……だと………こいつ……人間じゃない!


今日は宣言通り半永眠状態に移行して過ごしていた。移動も宣言通り。マジでぶっ飛ばす。

原因の張本人は何が何だかわからない様子。というかこいつが1番寝てないよな。本当に人間か?

そんな俺を1番心配してくれてたのは、親友と言っても過言じゃないサッキー。

保健室行く?ノートは後で貸してあげるね?ご飯食べられる?え?足りない?それじゃあ分けてあげるね?という女神の3コンボ。惚れてまうやろ!


「んで、津田氏は何してんの。朝から人気者だけど」

「あー、あれな。なんか朝にとある先輩から声かけられてな。それで何故か周りが盛り上がってあんな感じ」

「津田さん大丈夫かな?あれじゃお昼食べられないよね?」

「昼くらい構うなって言やぁいいのにな。まぁおかげで周りに人いねぇからいいけど」

「……………春、嫉妬してる?」

「いや、今かなりチャンスだと思ってる」

『デデーン』

「…………誰だよ」

「…………あいつ。浮気だとよ」

お前はニュータ◯プかエスパーか。


「と、ところで、立花君も朝からどうしたの?元気無いよね?」

「ユーマちゃんが寝かせてくれなくてな。MK5だよ」

「お前何言ってんだよ、殴るぞ?」

「…………マジで、キレる、5秒前、だからな?」

「お、おう、……………まぁあれだ。すまん」

「お前顔貸せ」

「大変申し訳ございませんでした」

「次やったら◯スレ◯プだからな」

「春、やめろよ。今昼飯中だからな」

「た、立花君落ち着いて?悠真ちゃんが何かしたの?」

「ショタに目が眩んでおかしくなった」

「やめろバカ!」

「何か間違いでもあんのか?」

「………………」

「ゆ、悠真ちゃん?お昼食べよ?立花君もっ」

サッキーかわえぇ。怒りが吹き飛んだよ。眠気は全くだけど。


早食いの俺がもしょもしょ飯を食いだし、それに合わせて3人も飯を広げて食い始めた。猛のクソボケはまた自作。よく作れたな。


「こんにちは。真子ちゃんいるかな?」

「緑川先輩?つ、津田さん!緑川先輩が呼んでるよ!」

「緑川先輩、かっこいい……」「素敵……」「私も先輩に呼ばれたいぃ」「津田さんいいな〜」

………………誰?


「猛知ってるか?」

「え?あぁ、そりゃ知ってるよ。多分春だけじゃない?知らないの」

「へー、そっか」

「そっかじゃねえよ。あの先輩だぞ、朝真子に声かけた人」

「緑川先輩は、2年生ながらサッカー部のキャプテンを任されてる人で、去年のミスターグランプリでグランプリを取った、朝凪一のモテ男とも言われてるんだよ」

「はい解説あんがと。サッキーはあの人どう?」

「え?えっと、私はスポーツとかはよくわからないから、私なんかとは合わないと思うかなぁ」

有り無しで聞いたのに自分を下げて答える。惚れてまうやろ!


「んじゃユーマちゃんは、聞かなくていっか」

「いちいち言わんでいい」

「んじゃミュウちゃんに聞こ」

「今日は足立さんに誘われて無いの?」

「特に無し」

ミュウちゃんへライン。

緑川先輩知ってる?どうよ。と、送信。

お、返ってきた。早い。

………お前が好き?後で問い詰めないとな。あとゴム買っとこ。


「あ、津田さん行った」

「そのままお持ち帰りされたら面白いんだけどな」

「どこがだよ」

「色んな意味で。あの顔見ろよ」

「え?……あぁ」

本人はおそらく綺麗に外面作ってるつもりだろうなーと思う。

ただ若干引きつってる感じジワる。


「真子ちゃん、一緒にお昼どうかな?」

「すみません先輩。友達と約束があるので」

こっち見んな。朝から違うお友達に囲まれてたろうが。そっち行け。

「そっか、ならお友達に聞いてみるね」

「え?」

うわ来た。つうか断られてるって気づけよ。どっからヤレるって自信湧いてくんだよ。


「聞こえてたかな?いきなりごめんね?真子ちゃんと約束してたって聞いたんだけど、連れてってもいいかな?」

「ダメです」

「すみませんね先輩。先約なんで、お引き取り下さいよ」

サ、サッキーすげぇ。秒で切り捨てたよ。


「んー、でも真子ちゃんは君たちが良いって言ったら全然問題無いって言ってたけど」

「ダメです」

「すんませんね」

「えっと、じゃあ君たちもどうかな?皆で食べようよ」

「遠慮します」

「というわけなんで」

取り付く島もねぇ。すばらです。


「あはは、そっか。それじゃあまた来るよ。今度はちゃんとアポ取るよ」

「お断りします」

「さいなら」

「あ、あぁ、真子ちゃんもまたね」

「あ、はぁ、さようなら」

A◯フィールド全開。破れませーん。


クラス中ぽかーんとしてる。

津田氏は自分のカバンから弁当を取り出し、当たり前の様に合流した。すげぇ。


「はぁ、とうとう始まったよぉ」

「真子ちゃん、お疲れ様」

「あぁ、マイエンジェル咲たん。しゅき!」

「うん、私も真子ちゃん好きだよ」

「私だけノケモノかよ。悲しいなぁ」

「そんな事ないよっ。皆フレンズだからっ」

「津田さん、俺、何も出来なくて…」

「いいの。小山君は優しいフレンズだから…」

「…………こっち見んな」

「立花君は変態のフレンズだね」

「んじゃサッキーさんはオッパイのフレンズで、ユーマちゃんはショタのフレ「黙れバカ!」で、お前はセック◯のフレンズだな」

「最低」

「な、なんでさん付け?」

お前が言った通りの設定で喋ってんじゃん。サッキーさんはパネェっす。


津田氏に足を踏まれつつ飯を食い、食後の睡眠をしっかりと取り、放課後。

死ぬほど眠かったが、ヘドバンくらいの勢いで揺さぶられて何とか復活。


「おーいデコ助ー。お前ん家行くぞー」

「美優、行こうか。今夜は………寝るぞ」

「急にど直球の下ネタぶっ込んで来んなよ。てか寝かせないが普通じゃね?」

「足立さん、多分文字通りの意味」

「は?なんで?」

「全ての原因は彼奴にあり」

「だからごめんって。もうしないから…………多分」

「悠真?なんだよ、こいつもか?」

「いや、ユーマちゃんは色々違う」

「は?まぁいいや。咲と小山はどうすんだ?別だろ?」

「んー、ミュウが立花君の家なら別だね」

「って事は、猛、ちゃんと送れよ。部屋の中までな」

「い、いやおかしいだろ!普通家までだろ!」

「あー、確かに。サッキーなら掃除してるって思い込みはいかんな。大丈夫?」

「何の心配だよ!入らないし!」

「そ、そうだよっ、親だっているしっ」

サッキー、俺、そんな事聞いてない。お昼のあの切れ味はどこに?


「そうじゃないだろ。家に送る、お礼にお茶出す、もらう、ついでに親に挨拶、どうだ」

「そ、それは…………いや変だろ!」

「で、でも、その、あの、お茶は、変かな?」

「え!?いや、それは、そんなことないと思うけど」

「じ、じゃあ、その、あ、あの、お、お、お願いしても、いい、かな?」

「え、え?は、はは、はい!よ、よろしくお願いします…」

「あの、こ、こちらこそ、お願いします…」

………………帰りどうするかってだけだろ?その流れ何だよ。ヤル気マンマンじゃん。


「つうかいい加減真子呼んでこいよ。先行くぞ?」

「ユーマちゃん何とかしてよ。え?出来ない?んじゃ帰ろっか」

「何にも言ってねぇだろ。おい真子!帰るぞ!」

「え!?う、うん、皆ごめんね?また明日」

「また明日!」「じゃあね!」「バイバイ!」

囲み取材の如きクラスメイトに挨拶して抜けてきた津田氏は、笑顔でこっち来た。

んで俺とミュウちゃんがお手手にぎにぎしてるのを見て目だけキレた。器用だねぇ。


「それじゃあ帰ろっか。今日は校門までだけど。………あ」

「サッキーどしたん?あ」

「お友達さん達ヒドイなぁ。人の顔見て、あ、はちょっと傷つくよ」

「あ、あのー、緑川先輩?」

「うん、お昼ぶり。真子ちゃん、一緒の帰らない?カラオケでも寄ってさ」

「いや、でも、友達も一緒なんで」

「え?皆バラバラじゃないの?この2人は家に送るって言ってたし、この子達は家に行くんでしょ?手も繋いでるし、あと君だけだよね。一緒にどうかな?」

「お断りします。2人はともかく私たちは皆一緒ですから」

流石サッキーさん。鮮やかなお手並み。


「えっと、カラオケは嫌だった?ならファミレスはどうかな?もちろん俺持ちだから」

「いやそうじゃないっすよ先輩。私たち帰りますから。さようなら」

「ダメかな?少しでいいんだけど」

「うっせぇなお前。邪魔だ、消えろ」

「…………き、君ヒドイね」

流石俺の嫁。俺もうビンビンですよ。手のにぎにぎ止まらんで。


「それでは先輩、さようなら」

「待って真子ちゃん」

「え?ちょ「触んなボケ、潰すぞ」は、春君?」

諦めの悪い先輩が真子の手を取った瞬間、つい出てしまった。あかん、泣きそう。

「………君、この子の彼氏だよね?」

「いや違うけど」

「え?」

ミュウちゃん早い。少しでいいから迷う振りしてよ。気持ちゆらり揺られまくるのに。


「先輩さ、もう諦めてくんね?粘ればイケるって勘違い気持ち悪いから」

「………は?何だお前、何様だ?」

「………ハ、ハ◯ーン様?」

「無理あんだろ。大喜利じゃねぇんだよ」

違うのかよ!なら何で何様って聞いたんだよ!


「んじゃ先輩は何様だよ。もちろん面白く返してくれんだよな」

「大喜利じゃねぇっつってんだろ。お前2年の俺に何舐めた口きいてんだよ、あ?」

「勘違いやめてくんね?俺は誰に対しても舐めた口だかんな?」

「………それはダメだろ」

「春、やっぱりダメだろ。いつも言ってんじゃん」

お、俺は自分の言葉は曲げねぇってばよ!


「そんなのどうでもいいんだよ。お前、真子ちゃんの何なんだよ」

「何なんですか」

「いや何なんだよ」

「何なんだよ」

「だから何なんだって」

「何なんだってば!」

「何で俺が聞かれてんだよ!」

それな。


「おい、まだかデコ助」

「ん、じゃ、そゆことで。真子、帰んぞ」

「は、はい!ひゃっ」

手繋いだだけで声出すな。ミュウちゃんなんか握り潰すそうとしてくんだぞ。力弱すぎて勝手にプルプルしてるけど。

「お、お前真子ちゃんのな「俺の女気安く呼ぶなカス」え、えぇ?」

捨てゼリフを吐いてまぁまぁ早めに逃走。

真子の手をちょい強めに引きとにかくクラスから離れる。だって黄色い声が聞こえて来るんですもの。


ミュウちゃんを置いてってしまったものの玄関まで素早く離脱出来た。

ミュウちゃんにラインで家で合流しようと送り、すぐさま靴を履き替え移動。


「あ、あの、春君?」

「何だよ、早く離れるぞ。学校にいたらとんでもねぇだろ」

「う、うん、でも、その、いいの?」

「またそれか。何がよくねぇんだよ」

「いや、だって内緒だったから。浮気出来なくなるよ?」

「それおかしくね?」

「……………だって」

「だって?」

「………なんでもない」

「後でお仕置き」

「ま、待って!き、今日お昼餃子だから!コ、コンビニを希望します!」

「近くにねぇよ。諦めろ」

つうか何学校で食ってんだよ。それでもJKか。


「え?え?じ、じゃあ、今日は、その、ちゅーだけ?」

「舌入れる」

「え!?む、胸は?」

「揉みまくる」

「え?え?お、お尻は?」

「揉みたおす」

「だ、ダメ!今日可愛い下着じゃないもん!」

「脱いだら一緒だろ」

「ぬ、脱ぐの!?何で!?」

「ハ◯まくるからに決まってんだろ」

「あ、あ、ああ、あの、あの、今日、で、出来ちゃうから、あの、あの、ダ、……………ダメ、だから…………ちょっとだけだから…」

結局いいんかーい。つうか学校の玄関で何言いあってんだよ。美優も来んだから嘘に決まってんだろ。


パパッと俺の家に逃げ込み美優と合流。

その後は3人でゲーム三昧し、暗くなり始めたくらいに2人を家まで送り届けた。

道中真子がめちゃめちゃふくれてたけどベロチューで逃げた。チョロインだわー。


次の日、学校に行くと色んな噂が飛び交っていてしんどかった。

特に呼び出しくらったやつ。

独身担任に致したの!?致さなかったの!?と半泣きで詰め寄られた時は申し訳無かった。


「結果良かったね」

「何がだよ」

「お似合いカップルって認定されてるらしいよ。ファンクラブの人に」

「非公式のストーカー集団に認められようがどうでもいいっつの」

「ふひひ、で、でも、これからは学校で堂々と春君といられるよ?」

「流石に学校じゃヤらねぇよ。AVの見過ぎだ」

「立花君、食事中だから控えてね?」

「はいサッキーさん。すみませんでした」

「そ、それもやめてね?」

敬称なんか付けるな、と。憧れますぜ。


「先生方にはなんて言われたんだよ」

「冗談も程々にしないとまた自宅学習させるぞってよ。本気にすんなよな」

「……………すみません」

「お前は本気にしろよ」

「え!?ご、ご褒美!?」

「それ建前って気づいて言ってるよな?冗談だよな?」

「…………………はい」

顔真っ赤なんですけど。恥ずかしいでは無く照れであってほしい。


「とりあえず飯食『ピンポンパンポーン、………立花君、生徒指導室に来なさい』………何でやねん」

「……………なんで終わりの音無いねん」

「そこなの?」

もうそれしか言えない。泣きそう。

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