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最低男子と最高女子  作者: 猫背
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1話

春。


新たな出会いが生まれる季節。


高校生になった俺の青春が始まる!










「ダル。入学式は行かなくていんでね?」

「入学式すら行かなかったら学校行かないでしょ。ほら、早く準備しなよ」

「うるさい。お前はあれか?あのー、………ほら」

「お母さん?」

「あー。小姑」

「それ違うよね?思い出したみたいな雰囲気だったけど」

「細かい。そういうとこもそうだよな」

「はいはい。ほら、早くしないと遅刻するよ。ここから徒歩10分も無いのに遅れたら恥ずかしいよ」

ちょいちょいうるせぇな。小姑め。そのうち味付けにまで文句言うんだろ。食わせてやんね。


グチグチうるさい小姑みたいな野郎は、腐れ馴染みの小山猛。身長180ちょい。イケメン。文武両道。優しく気配りが出来、オマケにいい匂いがする。うざい。

モテすぎて困るというムカつく悩みと、オッパイ星人なところくらいしか欠点が無い。なんか殴りたくなってきた。


「ちょっと春。早くしないと本当に遅刻だよ。式の最中に2人で入ったりするの恥ずかしでしょ?急がないと」

「名前で呼ぶな。カマっぽい喋り方やめろ。モテるな死ね」

「春だって睨むのと言動を抑えればモテモテだって。僕よりカッコいいし、頭もいいし、それに「うるさい準備出来た行くぞ」はいはい」

モテ男に褒めらると逆にバカにされた気分になって逆にイラつく。逆に。


俺の住んでる場所は、これから通う私立朝凪高校から歩いて10分くらいの位置にある、まあまあいいとこのマンションの一室だ。

猛のアホは登校も楽しいからだとかで、自転車片道30分のアパートに飛び込んだ中々のバカだ。頭ん中何入ってんだ?おはな?


朝凪高校は少し小高い丘?に立っている。

この学校の凄い所は、敷地内にサッカーや野球のグラウンド、陸上のトラック、そして体育館と武道用の道場3つと学生寮が詰め込まれてる夢の様な学校だ。

金余りすぎて無駄に使っただけにしか思えないんだがな。


俺らは時間ギリギリで学校に着き、クラス表を必死こいて探して自分らのクラスに走って向かった。クラスは1学年8クラスもある。なのに猛と同じクラスになった理由を俺は知りたい。


「すいません!遅れました?」

「んーーー。今日は、入学式だし特別、かな?」

「やった!ありがとうございます!ほら春も」

「あざー」

「ちょ、すいません。後で言っておきます…」

「オッケーオッケー。とりあえず席に着いてね。式の説明を後5分で終わらせなきゃいけないから。席はそこの2つね」

ラッキーな事に担任は若くてべっぴんな先生では無いか。なのでちゃんと言うこと聞いておこう。


「はい。全員揃ったね。ちょっと時間無いからざっと説明するけど、男女出席番号順に並んで体育館に行きます。以上」

雑。それ以上言いよう無いのも何となくわかるけどさ。


「そして、私は担任の宮本凛です。好きに呼んでくれて構いません。ちなみに彼氏は募集中でーす」

「先生のタイプはなんですかー」

「おっ、ギリギリ2号君。いい質問、ですが、入学式の時間になってしまったので、また後でね」

「んじゃ年。読みでは三十路」

「私はまだアラトゥエですぅー。はい並んでー」

なるほど。俺と同じくギリギリだと。つか初めて聞いたぞ。


ざっと並んで体育館に集まって式の開始を待つ。

1クラス40人で学年で大体320人くらい。教師を入れて1000人程度いる学校なのだが、学校の人間が全員入るサイズの体育館らしく、広さが尋常じゃない。

式を見に来てる家族入れてもまだスカスカだぞ。


1年生が集まってすぐに始まったのだが、式がメチャメチャ早い。

プログラムが10項目あるが、5分で最後の校長の挨拶までいきやがった。

首席のなんか読むやつとか、関係者どったらなんかは一切無く、ただただ学校に関する事項を喋って終わりだった。この学校怖。

最後の校長の挨拶なんか秒。


めっちゃ軽い式を終え、教室に戻る事になった。

本気で何もない。雑過ぎて普通に引いた。


「はいおつかれ。この学校変でしょ?ずっとこんな感じだったらしいよ?なんか無駄だからいらなくね?みたいなノリなんだって」

よくそんなで潰れねぇな。猛曰く人気有るとまで言ってたしな。


「それじゃ、改めて自己紹介しよっか。今日は授業無しでホームルーム軽くやって解散なんで、パパッといきましょー!はい男子の出席番号1番から!」

このテキトーな流れ嫌だな。特に順番。俺の前猛なんだよな。


猛が21。俺が22番という悲しい流れ。今の段階で猛が女子にめっちゃ見られてる所が更に辛い。せめて滑ってほしい。

俺がイヤイヤ挨拶を考えてるともう回ってきた。まだなんも決めてねぇっつの。


「はい次!ギリギリ1号!」

「はい。えーっと、小山猛です。出身は千葉です。趣味は特には無いですけど、体を動かすのが好きかな。後、皆と仲良く学校生活を送りたいと思います。どんどん声かけて下さい。よろしくお願いします!」

「キャー!!」「猛君カッコいいー!!」「彼女とかいるんですか!?」「好きなタイプは!?」「猛君好き!!」

うん、予想通り荒れた。女子が荒ぶって怖い。

早くも女子にタゲられて残念。プラス残念なのが、男子から妬みの視線を出していない所だ。これだから完璧なイケメンはムカつく。後で性癖をリークしとこ。


「うんうん、いいねー。やっぱイケメンは違うね。それじゃ次は2号君。よろしく」

「立花春。よろしく」

「……………」

「ち、ちょっと、春」

「あ?あー、趣味は女の子の匂いをクンカクンカする事でーす」

「キャー!!」「気持ち悪い!!」「最低!!」「変態!!」

俺もやれば出来るな。猛と同じ位女子を湧かしたぞ。

まぁベクトルは逆だが。野郎ども、何故助けない。


「はいそこまで。性癖は言わなくていいからねー。次々」

申し訳無いことに俺と猛が全員の興味を集め過ぎて、後の奴らは誰も自己紹介聞いてもらえてないよ。ごめんな。


「はい男子は終了だね。んじゃ、女子いこっか」

何故テンション下がるんだよ。合コンでもしに来てんのかよ。アラサーみたいな真似すんな怖い。


女子が次々ビビりながらかなりさらっと自己紹介していく。なんで皆俺を見るんだよ。


「はい次ー」

「うひょー!!」「待ってました!!」「天使降臨!!」「我らが真子姫!!」

あ?急に男連中が騒ぎ出した。

「おい猛、あいつ知ってるか?」

「少し聞いたくらい。この辺りで凄く有名な子なんだって」

なーるほど。確かにめっちゃ美人だ。


黒いサラサラの御髪。セミロングなのが更にグッド。

スタイルも出るとこ出てて引っ込む所はキュッとしてるパーフェクトボディ。

長い睫毛、パッチリお目々、鼻筋もスッとして美しく、唇は思わずキスしたくなるぷっくらしてプルプルな唇。

そして、俺を見て嫌そうに下がる綺麗な眉。

グッとよる眉間。そして嫌悪丸出しの視線。

……………なんで女子は毎回俺の反応確認してんの?


「………津田真子です。よろしくお願いします」

どえらいテンション低い。スリーサイズくらい言えば盛り上がるのに。………なんで睨むの?エスパー?


その後もヘイトを集めてしまった暗い自己紹介を終えて各自解散。

もちろん皆は仲良くなろうと声かけ合ってるよ?

俺以外の奴と。


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