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昏冥の空に青い鳥  作者: 音無 なの
第2部 第2章『海と祭りと恋花火』
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第33話

もうこれ、超絶不定期ですね。

ほぼエターなる。

学園を後にした俺と瑠璃はそのまま街に来た。

うん、街は街ですごく賑わっているし…それなりに楽しめそうだな。

そう思いながら隣に居る瑠璃に視線を向けると、瑠璃は空いている方の手に持ったエルランカードを見詰めていた。



「どうした?瑠璃。」



そんな瑠璃に問い掛けると、瑠璃はカードを消して俺を見上げた。



「うーん…何かね~、さっきからカードの調子がおかし~んだぁ…。」


「おかしい…?もしかして、能力が使えないとかか??」


「うん…念じても何も起こんなくて…。」


「そんな事あるのか?」


「いんや…今までそんな事無かったぁ~。」


「ん…そうか…



俺は今朝覚醒したばかりだから、そもそもエルランカードについてあまり知らないしなぁ…



「ならさ、カードに詳しい人に訊けば良くね?」


「うん、そうす…る…?


「…瑠璃?」


「・・・ゆぅちん。」


「んっ…?」



いきなり立ち止まった瑠璃は、首傾げてから目を軽く擦ると、再び俺を見上げた。



「いんや…何か…今目の前の風景が歪んだ様に見えたんよ~。」


「なんだって?」


「ん~…気のせいかにゃ。」


「・・・いや、気のせいじゃないぞ、俺にも歪みが見えた。」


「えっ…?」


「それに、周りを見てみろ、誰も…居なくなってる。」


「っ!?」



周りが静か過ぎると思ったら、どうやら俺達が歪みを認識した時点で誰も居なくなっていた様だ。

クソっ…今朝異能に目覚めてから超常現象オンパレードかよ…

まるで世界が変わっちまった…よう…な…?



「・・・ん?そうだ…『世界が変わる』…!」



俺がエルランを掲げてLv.2の能力を発動させると、瑠璃の手にもエルランが現れてキラリと光った。


『Lv.2.世界が変わる』の効果はエルランの強化…

ならば…



「これで瑠璃もエルランを使える様になったはずだ。」



そこでもう一度自分のエルランを見ると、Lv.2の説明が変わっていた。


Lv.2…世界が変わる(Update)(パッシブ/アクションスキル)

現状に対応出来る様に自身や味方のエルランを更新し、適応させる、または一時的に『オーバースペック状態』にする。


うーん…エルランってのは使い手の都合に合わせて

その場で能力アップするものなのか…?

或いは…俺にも瑠璃みたいな才能があったのか…何せ俺も瑠璃もオリジンエルランだしな…


とにかく…瑠璃の方へ視線を戻すと、驚いた様に目を丸くしていた。



「…どうした?」


「あ…いんや…確かに能力が戻ってきたけど…


「…?歯切れが悪いな…どうかしたか?」


「・・・ううん、嬉しいんですよ…♪」



そう言って瑠璃は自分のエルランをみて笑った…様な気がする。

まぁ…悪い意味で無いなら良いか…



「ねぇ悠希。」


「ん?」


「ありがとう…あたし、悠希となら何も怖くないから…♪」


「ん…そうだな。」



あの歪みが何なのかは分からない…そして、あれをどうすれば良いのかも分からない。

だけど俺には瑠璃が居る。

ならば、やる事は1つだろう?


俺が瑠璃を見ると、瑠璃も俺を見上げていて、右手でエルランの左下を持って掲げたので、俺は左手で右下を持った。

そうして俺と瑠璃で『(THE・STAR)』のカードを持ち、Lv.4の能力を発動させる。



「「『希望の星(奇跡を起こせ)』!あの歪みを消し去れ!!」」



―エルランが輝き、歪みに向かって一条の光を放つ…それは、まるで流星の様に歪みを貫いた…が―



「っ!?『加速世界』ッ!!」



俺は咄嗟に加速世界を発動させた!!

丁度、目の前まで迫っていたのは影の様な手。

どうみても危険なそれを、瑠璃を背負って歩いて回避する。

どうやら手はあの歪みから出ているようだが…



「どう考えても歪みに近付くのは愚策過ぎんだろ…!」



こうなったら逃げるしかない…が、何処に逃げれば良い…?

クソッ…!瑠璃も同じ世界に引き込めれば良いのに…!



「―ゃっ!?」


「…え?」



と思ったら瑠璃が動き出した…?

いくらなんでも都合良すぎじゃ―って、瑠璃のエルランか!!

どうやらLv.1の能力で加速世界内でも俺と一緒に動ける様になったらしい。

まぁ、当の本人は状況を分かってないみたいだが…



「えっ?えっ??時間が止まったぁ~!?」


「止まってない、止まっている様に見える位に俺達が加速しているだけだ。」


「あ…ゆぅちん♪」



俺が普通に動いているのを見て安心した瑠璃がより密着して俺の肩にアゴを乗せた…可愛いなオイ。



「さて…ここからどうするか…だな。」


「うん…この黒い腕…あたしのエルランに反応したんだよねぇ~?」


「多分な。」


「・・・だとしたら…これは…『星、逆位置モード』。」



瑠璃はそう言いながらエルランを逆さ持ちにしてスキル表を開いた…すると…?



(THE・STAR)/逆位置』能力一覧


Lv.1…閉ざされる道(THE・CLOSE):“有利な状況”から転落する(パッシブスキル)


Lv.2…壊れる(BROKEN)(HERT):物理的、心理的な支配に必ずかかる様になる、また、確率で錯乱状態になる。(パッシブスキル)


Lv.3…苦痛への誘い:必ず悪い事が起こる(悪い事を起こす対象の指定も可能)(アクションスキル)


Lv.4…(THE・)(DESPAIR)の手(HAND):自身の影から影の手を伸ばす。

影の手に触れられた相手は敵味方関係無く災悪状態になり不運や災悪が降りかかる。

自身が不幸である程起きる災悪の質が重大化する。(アクションスキル)



「…『星、正位置モード』。」


「…なぁ…まさか今のは…


「うん…多分あれは、あたしの逆位置スキル『絶望の手』…だと思う。」


「じゃあ触れたら災悪が降りかかるのか…


「別にそれだけだったらあたしにゃ効かねーから気にしなくて良いけどさぁ…;」


「俺や周りの人間はそうもいかない…か…


「まぁ、一定時間なら…と言うかあたしと一緒に居る時は気にせんでいいんよ?

それに、一般人はここには居ねーしなぁ~?」



それって、実質あの手を恐れる必要が無くないか??

どちらにせよ、歪みの方はどうにかしないとな…



そう思いながら歪みの方に目を向けると…



「あれ…?歪みが消えてく…??」


「およよ…?」



そして、歪みが完全に消えると周りは元通りに人が現れた…マジで何だったんだ…?



「・・・・・加速世界は終わりを告げる…。」



能力を解除すると普通に歩き始める人々…



「これは…どうゆう事だ…?」


「…わっかんねぇなぁ~…?」

(もしかして、あたしがシナリオを壊したせい…?

でも…これは…あたしにとっては現実で…


「ん?悠希じゃないか、朝は潮浜学園に行くとか言ってたが…二人も街へ来たのか??」




困惑する俺達に、見知った顔…と言うか旅行に一緒に来ている立夏達が話しかけてきた…




「…立夏と美夏か。」

「…シド~にみかみ~…?」


「こんにちわ瑠璃ちゃん♪」



どうやら二人は偶々近くに居たみたいだな…



「秋穂は?」


「今は少し離れてるだけだ。

最初は単独行動するつもりだったみたいだが、気を使って遠慮なんかするなと二人で引き止めた。」


「うん、秋ちゃんは私達の大切な妹…ですから…♪」


「「実の兄より兄らしくしてるな立夏(シド~)。」」



緑川さんに関しては昔から姉をしていたから既に姉妹みたいなものだろ。

その秋穂はジュースを3本持って駆けてきた。



「兄さん、姉さん!ついでに二人のも買ってきました♪」


「む…すまない、金は払おう。」


「気にしないでよ!わたしが勝手にした事なんだから!!」


「そうか…ありがとう、秋穂。」


「ありがとうございます秋ちゃん♪」


「えへへぇ~♪」


「…それで、3人はこれからどうするんだ?」


「そろそろ昼だからな、もう少ししたら何処かで昼飯にでもするつもりだ。」


「そうか…まぁ、邪魔するのも無粋だしな、俺達は俺達で行くとするよ。」


「ん?俺達は何かとダブルデートをしているのだから、気にしなくても良いと思うんだが…



…まぁ、それもそうか…。



「なら、皆で一緒に行くか?」


「あぁ、是非そうしてくれ。」


「…?」



ん…何か…違和感が…?

気のせい…だよな…?

相手は立夏だし。


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