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昏冥の空に青い鳥  作者: 音無 なの
第1部 第1章『色付く世界』
4/48

第3話

今回は短めです。

「「…はぁ…;」」


「大丈夫か?」


「あの、そこまで落ち込まなくても……私と紫藤くんも同罪ですし…」


「ごめんなぁみかみ〜…お茶の誘いは嬉しいけど…今は気分が乗らねぇ〜やぁ………


「……あまり気に病むなよ青井、悠希も。

決して悪い方にばかりは行かないからな?」


「悪ぃ…ありがとな、立夏。

正直お前が居なかったらアレより酷く荒れていたかもしれねぇ。」


「気にするな。俺とお前の仲だろう。」


「あの、瑠璃ちゃんも、何かあれば私が助けますからね?」


「ありがとなぁみかみ〜……」



部屋に帰ってベッドに座った俺達(瑠璃もついてきた)は、

立夏と緑川に気にするなと言われたにしても、

冷静に考えたらとんでもない事をしたと後悔していた…


だってさぁ…これ…軽くとは言え暴力とか喧嘩沙汰だぜ…?

生活指導の教師とかに知られたら進学に不利になる所か特待生の権利を剥奪されたりすんぞ…?


…普通に考えれば今まで優等生として過ごしてきた俺達と、素行に若干問題ありな勇悟を比べたらどっちが大切かは明白なんだが…相手は勇悟だ。


相手の思考を自分に都合の良い感じにするのが得意な勇悟が相手だと話は違う。


どう足掻いても自分に有利な方向に持っていかれるだろうな…

今までだって、担任に…特に女担任の時には奴が起こした問題でも俺が悪い事にされてきたし…

只、生活指導や学年主任は勇悟のソレが無効な人達だったから何時も勇悟がやった事だとバレてたけどな。


願わくは、生活指導の教師がそんな人なら良いんだが…



コンコン



―と、俺と瑠璃が沈んでいたら部屋がノックされた。



「「・・・・・。」」


「黒崎悠希に青井瑠璃。

部屋に居るのは分かってるわよ。

だから、1つだけ言っておくわ。

今回の件、貴方達に責任は無いから。」


「「…?」」



どうゆう事だ…?

聞こえてくるのは勇悟の取り巻き(攻略対象)である桜庭の声。

だけど出てきた言葉は俺達に有利な事。

何が起こったんだ…?



「もうすぐ入寮式よ、私も一緒に行ってあげるから貴方達も早く来なさい。」


「「…。」」


「…あくまでも居留守を決め込むつもり?

出ないのは勝手だけど、優等生として、貴方達は何をすべきかを考える事ね。

特に、あの赤坂勇悟を相手に()()()()()なら。」



…?

桜庭は…何を言っているんだ…?



「―私は、何があっても瑠璃の味方であるとだけ、言っておくから。」



そう言った桜庭は去っていった…



桜庭(さくらば) 春菜(はるな)

17歳

175㎝

さらさらした黒髪のストレートロング、

瞳は黒で切れ長、すらりとした鼻梁、ふっくらした桜色の唇。

モデル体型な美人系美少女。


性格は若干男勝りな頼れる姐さん、正義感が強く、世話焼きな彼女はまさに寮長なキャラ…なんだが…

どうも様子が違う。


いや…瑠璃から聞いた話、桜庭は瑠璃の親戚で、昔からよく可愛がってもらっていたらしいけど…勇 悟 に 出 会 う ま で は 。

それを加味しても今回の件で俺達を…いや、瑠璃を庇った事、勇悟より瑠璃を優先した事の意味は全くわからない。

瑠璃情報だと、『さくらんもアイツの気配にやられてる』って話だったんだが…

違うのか…?それとも、正気に戻ったとか…?



「…ゆぅちん、行こう。

どうやらあたし達はまだ、負けてないみたいだから。」


「…瑠璃…?」



瑠璃も何か様子が違う…?

何時も眠たげだった目はキリリとしていて、雰囲気は何時もより大人で…まるで別人だ。



「あたしは、あたしとゆぅちんの幸せのためにも、あんな奴に負けてられないんだから。」


「…そうだな。

俺は、逃げないって…瑠璃を守る為なら悪にだってなってやるって、誓ったからな。」




――――本当に、俺の彼女は不思議な奴だな。

敵わねぇよ…お前の強さにも。



「さぁ~て♪

さくらんは~どんな演説を~するの~かにゃ~♪」


「…ははっ…お前のその切り替えの早さ、羨ましいわ本当に。」


「ん~ふ~ふ~♪」


「…行こう、瑠璃。」


「う~い♪

こっからが~あたし達の~物語の~ほんと~の始まりなり~♪

あたしは~も~自分を偽るの~や~めた~!!

ゆぅち~ん、キスしようぜ~?

それで~あたし~覚悟決めっから~。

ゆぅちんは~…悠希(ゆぅちん)は…どんなあたしでも、受け入れてくれる…?」


「ああ、瑠璃が瑠璃で在るならな。」


「…ふふっ♪ありがとう。

大好きだよ、悠希(ゆぅちん)。」


「俺も、だ。んっ…。」


「ん…ふふっ♪

あんたのキス~やっぱり~安心する~♪」


「ははっ…どっちの瑠璃が素顔なんだかな…

っし!!」



何時もより凛々しい表情(かお)をした瑠璃に、触れるだけのキスをした俺は、気合いを入れて部屋から出た。

















(!)Side Change!!〈〈瑠璃〉〉


悠希の後ろを歩くあたしは、無表情でついていく…が、頭の中では色々と自分に整理をつけていた。



(―――――あはは…やっぱりあたし、『COLOR*SEASONS』のキャラの中では、“メインヒーロー”なんかより、あんたの方が心から好きだわ。

ゲームでは、勇悟に振り回されて、何時も損して、なのにそれでも明るく笑ってた…

だけど、ゲームと違って“この世界”ではちゃんと怒るし、泣くし、恨みもする…

そんな親友ポジションの“黒”崎悠希くん…彼こそが“今のあたし”の、大切な彼氏…♪)



あたしは…ギャルゲー版での主人公の時や乙女ゲーム版の勇悟ルートの時に悠希(親友)を踏み台にして幸せになる『赤坂勇悟』が嫌いだ。



(…この世界に転生して、現実となった今、原作ギャルゲー版では隠しキャラ、乙女ゲーム版では友人キャラだったあたしだって自由に恋愛が出来る…。

だからあたしは、この世界に転生して、人間としての彼等に接して…益々好きになった悠希の彼女になった。

そして、原作よりクズな勇悟を益々嫌いになった…。)



というか、恐らく勇悟も『転生者』で、『主人公の(チート)能力』を持っていて、それを悪用しているから、余計に。

どうも“能力”でハーレムを楽しみつつ、あたしをメイン攻略目標にしているみたいだけど、

『あたしが好きなのは悠希だけ』、そんな強くて明確な『想い』があるから、あたしには“能力”が効かない。



「ねぇ~ゆぅち~ん?」


「ん?どうした瑠璃。」


「あたしは~あんたの事~ずっと~ず~~っと~大好きだかんな~?」


「…いきなりなんだよ…///

その…俺も、好きだぞ…///」


「…うんっ♪」



さぁて…ここから先は、原作から逸脱した物語…何が起きても、あたしは、貴方の事が大好きなあたしで居るから。

勇悟何かに、心を奪われたりしないから。

だから、貴方もあたしを愛していてね…?













因みに主人公(黒崎悠希)自体は 転 生 者 で は 無 い で す 。

…いや、瑠璃や勇悟に関しても、そもそも日本が舞台のギャルゲー(乙女ゲー)のキャラに転生しましたーの扱いは『異世界転生』…なのかねぇ…?;

一応、異世界転生タグも付けました。

そして恐らく主人公(悠希)視点では転生者ネタはほぼ皆無です。


とりあえず書きたかった所まで書けたのでここからは更新速度が落ちます…ごめんなさい。

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