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昏冥の空に青い鳥  作者: 音無 なの
第2部 第2章『海と祭りと恋花火』
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第26話〈〈瑠璃視点〉〉

サイドストーリー的な?今回は『君と二人で』の内容に軽く触れつつ“アリス”の秘密に迫ります。


・・・あたしは、この『アリス』って人を見た時にある事を確信した。


むこうも同じくあたしの()()()に気付いたらしく、一瞬、し~ちゃんを庇う様に敵意を見せた。

だから、その敵意は自分と仲間達(特にそぅちん(※颯真の事)とし~ちゃん)に危害を加える様な人物なのかを見極めようとしている、優しさからの敵意だと分かった。

だって、その後に彼女が言ったのは…



「…ごめんなさい、瑠璃さん、貴女には個人的にお話があります。

なので雫、少しこの子に話があるのですが、店の奥を貸してくれませんか…?」

(この子…()()()()かもしれません!!)


「ん~?良いよ~♪」

(え~っ!?なら、わたしも一緒に行くよ~!)


「ありがとうございます。

あの…彼氏さん…?すみませんが、そうゆう事ですので、少し彼女さんをお借りしますよ?」


「えっ!?瑠璃が何かしましたか!?;」


「大丈夫だよ悠希くん♪

アリスちゃんは悪い子じゃ無いし、ちょっとだけ女の子同士でお話があるだけ♪

わたしも一緒に行くから安心して~!!」


「だいじょびよ~?

し~ちゃんやそらちんと~仲良いなら~ありにゃんは悪い人じゃ~無さそうだし~。」


「…瑠璃がそう言うなら…。」


「まぁっ…!」

(雫を信用しないなんて…何て奴ですかッ!!)


「落ち着いてアリスちゃん、悠希くんはお姉ちゃんや彼女さん以外の女性は信じられない“女性不信者”なの、分かってあげて…?」


「雫が…そう言うなら…。」

(まぁ…それは“知っています”けど、だからこそ、そんな人の彼女になっている貴女は、ますます怪しいですね…“青井瑠璃”さん。)



ん…尚更訝しげな目で見てきますね~?

まぁ…そうですよね…。

貴女がもしそうなら、あたしがシナリオブレイカーな事に、気付いているのかも…?


そして、奥の部屋に来るなり、ありにゃんはあたしに、単刀直入に訊いてきた。



「…青井瑠璃さん…。

貴女は、“原作キャラクターその物(者)”ではないですね?」


「・・・そう言うあんた“も”~転生者…だよにゃ~?」


「…!

ええ、そうですよ、私は転生者です…この、『君と二人で』によく似た世界で、シナリオに縛られていた、操り人形でした。」


「…?

どうゆう事にゃ~?」



シナリオに…縛られていた…?

過去形だから、もう今は違うのでしょうが…

あ、それより…



「そう言えば…し~ちゃんは知ってたんだ~?

ありにゃんが、転生者だって~。」


「うん。

学生の時にね、勇気を出してわたしに相談してくれたの。

だからね、わたしは嬉しかったんだ♪

幼馴染みで…親友のアリスちゃんが、ちゃんとわたしに頼ってくれて♪」


「そんな…私は…味方が欲しがっただけなんです…。

雫なら…大好きな雫なら、絶対に受け入れてくれる…って…思ったから…そう…知ってたから…


「ふふっ♪アリスちゃんはそんなわたしに嫌われるのが怖かったんだよね~?

でも…それでもちゃあんとわたしを信じてくれたって事でしょ~?

どんな理由でもアリスちゃんがわたしを信頼してくれて、わたしは嬉しいなぁ~♡」


「っ…!雫ぅ~♡私はそんな貴女が大好きです♡」


「うんうん、分かってるよアリスちゃん♪」


「雫…雫ぅぅ…


「・・・・・甘っ。」



女の子同士の行きすぎた友情ですか…?;

あちゃあ…あたしが居んのにキスまで~…



「んっ、んぅ~!

あたしが居るの忘れてね~か~?」


「「Σハッ!!;」」


「ま、あたしとゆぅちんも似たようなもんだから~あんまし言わね~けど。」


「そっ…それより…瑠璃は何故私が転生者だって思ったのですか?」



あ、ごまかした。

まぁいっか、ここは乗りましょう。



「ん~…ありにゃんがどこまで話したか~わかんね~けど…とりあえず“名前”、だにゃ~。」


「名前…?」


「そ、デフォルトの名前は“赤坂アリ()”だからにゃ~。」


「っ…!?」


「えっ…?でも知り合った時からアリスちゃんはアリスちゃんだったよ~?」


「まっ…そこはありにゃんの前世が設定した名前が反映されてるんだろうけどにゃ~。

あたしは名前設定の出来ない“隠しキャラクター”だし~。」



あたしがそこまで言い切ると、ありにゃんは怯えた様な目で、し~ちゃんを見た…ありゃ…もしやそこまで言ってなかった…?

それでも、気丈にもあたしに対して話を続けようとしてくれる…ありにゃん…あんたは…良い人…だね…。ごめん…。



「…そう…じゃあ、貴女も『君と二人で』をやった事があるのですね…?」


「うん、だけどあたしはアクションゲームはそこまで得意じゃね~し、隠しキャラクターまでは攻略してね~けどな~。」


「…そう…。」


「アリスちゃん。」


「えっ…あ…なん…でしょうか…?」



…ありにゃんがぎこちなくあたしに相槌をうつと、し~ちゃんは優しい声と笑顔でありにゃんに呼び掛けて抱きしめた…



「恐がらないでよアリスちゃん…わたしは今さら、それ位の秘密でアリスちゃんを嫌いにはならないよ~?」


「雫…。」


「だいじょぶ♪わたしはずっと、ず~っと、アリスちゃんの友達だからね~♪」


「雫~♡」


「はいすと~っぷ。

話の腰が折れるからいちゃつくのは後な~?」


「ごめんね~;」

「すみません…;」



さて~…ありにゃんの秘密に迫ったところで、さっき気になった事を聞いてみっか~。



「あの~、そう言えばさっきありにゃんが言ってた『シナリオに縛られていた』ってのは~?」


「あ…それですか?

そのまんまの意味ですよ。

私は、『赤坂家の繁栄の為に』って言う、『君と二人で』の話の一つ、『ハーレムルート』へ行く様に、赤坂家に操られて誘導されていたのです。

ときたま、意識が朦朧とする時があったのですが…その後は大抵、攻略対象と仲良くなっていたので、間違いありません。

しかもそれは、自分や相手の意思とは関係無く…でした。」


「最初に異変に気付いたのは颯真くんなんだよ~?

それで…わたしもアリスちゃんを助けたくてこれまで以上に側に居ることにしたんだ…でも…


「私は…段々と“私”が消えていったのです…。

颯真や…他の有力者の男性には色目を使い、誘惑する様になって…

あんなに…大好きだった雫を…自分を見失った私は、拒絶したんですよ…。

大好きなのに…こんなにも雫が大好きなのに…!!」


「…おや~?」



『“私”が消える』…?

それって…あたしがクズに襲われて…エルランに目覚めたあの時と同じ…ですよね…?



「それ…あたしも同じ…だよ…?」


「えっ…?瑠璃もですか…?

でも、貴女は赤坂家とは関係無いですよね…?」


「いんや~、確かにあたし自身は赤坂家とかんけ~ね~けど~、あたしは赤坂家の勇悟って奴に狙われってからなぁ~…


「赤坂勇悟…!『COLOR*SEASONS』のクズ主人公ですね。」


「今わたし達が調べてる相手だねぇ~?」


「そうだにゃ、その勇悟にあたしゃ無理矢理キスされた事があってなぁ~?」


ガタタッ!!


あら…?

あたしがそう言った途端に二人が勢いよく立ち上がりました…?;



「よし、殺しましょう。」


「あはは~♪殺しちゃダメだよアリスちゃ~ん♪

ただ~…お・仕・置・きはしないと、ねぇ…?」



って…二人共イイ笑顔で何言ってるんですか!?;

後…し~ちゃんの笑顔が…何時もより優しい女神スマイルなのが逆に恐いですよ…!?;



「そうゆうのはあたしが自分でやりたいから二人共今は止めて~!!;」


「…分かりました、今は我慢しましょう…“今は”。」


「あはは~♪そだね~、“今は”…ねぇ~…?」


「そそっ、それよりぃ~!

ありにゃんはそんな状態から助けてくれたし~ちゃんが大好きなんだよにゃ~!?;」


「当然ですよ。

元々雫が大好きでしたけど、“私”を取り戻してくれてからは最早親友以上の特別な存在なんですからね。」



ちょっと…いえ、かなり強引な話題変更でしたが、すぐにありにゃんが反応してくれました…はぁ…;

それにしても、本当にありにゃんはし~ちゃんが大好きだにゃ~…

そのし~ちゃんも、ありにゃんの頭をモフりながら、さっきとは違うちゃんと優しい笑顔でありにゃんに続きます。



「もちろん♪

わたしも、アリスちゃんが大好きだから助けたかったんだ~!」


「えぇ…分かっていますよ…自分のアルカナを…『審判(JUDGMENT)』に変えてまで…私を助けてくれたのですよね…?

雫は…争い事が苦手だから…そうゆう心“だった”から…小アルカナ『カップの3』が発現しましたのに…


「…ん~…?どうゆうこと~??

し~ちゃんのアルカナは『カップの3』じゃないの~?」



原作でも戦闘中のし~ちゃんは回復スキルしか使わなかったはずなんだよね~…

そんなあたしに対して、し~ちゃんはばつの悪い顔をしながらエルランカードを取り出した…

そのカードには…確かに『XX(20)』の番号が書かれ、天使の羽根を生やしたし~ちゃんが上空からラッパを吹き、下で人々が蘇る構図になっていた…

本来と違うのは、『愚者(THE・FOOL)』の旅人の格好をしたありにゃんが棺から出て来ようとしている事。





「…騙しててごめんね瑠璃ちゃん。

ほんとうはわたしもオリジンエルラン使い…なんだ。

わたしの本当の能力は、『精神的な目覚め(アルカナの能力を開放する)、復活(強力な回復系能力の行使)、再会(的中率の極めて高い占い)』。

アリスちゃんを目覚めさせる為に、赤坂家に『審判』を下す為に、わたしは、わたしを変えたの。

戦う覚悟を…決めたの…。」


「あ…いや~…まぁ…別に、それであたしがどうにかなったりはしてないから良いんだけど~…;」


「ありがとう…。」


「…話を戻しますね…?

それでですね、雫がそのエルランの力で私を正気に戻してくれたお陰で、私は『愚者(THE・FOOL)』の『Lv.0』の能力に目覚めました。」


「…えっ…?Lv.0…?」



エルランってオリジンでも『Lv.1~Lv.5』までしか無いんじゃなかったっけ…?

あたしがそう思う事は予測済みだったのか、ありにゃんはあたしの疑問に答える内容を交えつつそのまま話を続ける。



「Lv.0は『愚者(THE・FOOL)』と『世界(THE・WORLD)』だけが持つ能力で、最も強力な能力が発現するのです。

但し、その能力が目覚めるのは稀ですけど、私は、Lv.0能力として『旅人の黙示録』を使える様になりました。

効果は『友人のアルカナの能力使用』、単純ですが強力です。

私は、その能力で颯真、雫、天音、桜花、勝也、凍夜…その他の友人皆のアルカナの力を借りて使いました。」


「それ完全にチートだにゃ~!!;」


「まぁ…そうですね、結果的に、それで私は皆と協力して赤坂家に大損害を与えて離縁させられまして…

それからすぐに、待ってましたとばかりに古河家の…颯真の嫁に…///」



そう言ったありにゃんは幸せそうな笑顔だから…そぅちんの事も大好きみたいだね~…。

自分の身を守る為に仕方無く嫁になった訳じゃないみたい。



「じゃあ…ありにゃんの物語も…原作とは全く違う物語になった…って事かにゃ~?」


「そうですね、私の『君と二人で』の物語は、ラスボスは赤坂家で、颯真と結婚するけど皆仲良しで、雫とは親友以上の関係になった…そんな、私だけの物語です。」


「そっかぁ…



尤も…ここは最初から『ゲームによく似た現実世界』なんだから、『結末が決まった物語』なんて存在しないんだと思うけど…

あたしは物語通りならゆぅちんの彼女にはならなかったし、

く~ちゃんもそう、せっつんと恋人同士にはならなかった。

何より―



「あたしは…『青井瑠璃』の物語のままなら、し~ちゃんやありにゃんとこうしてお喋りする事も無かったんだよにゃ~…


「そうだね~。

わたしも、瑠璃ちゃんに出会う事は無かったんだよね~?」


「私だって、貴女と知り合う事はありませんでした…。」


「うん…だから、もう『COLOR*SEASONS』は壊れてる…。

だけど、まだ“赤坂家の物語(シナリオ)”は完全には壊れてない…。」


「ですね…はぁ…

まさか…離縁されてからまた赤坂家と関わる事になるなんて…思いませんでしたよ…;」


「えっ…?じゃあ…


「ええ、私も瑠璃に協力します。

何より、雫が関わっているのなら私も関わりたいです!!」



ありにゃんは、最初は困った様な笑顔で、だけど、すぐに凛々しく微笑みました…

その笑顔は、『君と二人で』のパッケージ絵の“アリサ”そのもので、やっぱり、転生者でも『君と二人での主人公』、なんですよね。



「ありがとね…ありにゃん。」


「ふふっ♪

では、皆の所へ戻りましょうか♪」


「そだね~♪行こう、瑠璃ちゃん!!」


「うんっ…!」



また一人、心強い味方が増えた…

勇悟クズはどんどん強くなっていくし、背後には強大な組織、『赤坂家』が控えている…

でも…あたしはゆぅちんと幸せになる為に戦いましょう…

それが、“小鳥遊梓”の願いで、“青井瑠璃”の目標なのだから。

な~んて…ちょっとチュ~ニだったかにゃ♪


最近はなんか『君と二人で』チームのターンなので次は『COLOR*SEASONS』チームのターン…旅行編はいりたいですねー…

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