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昏冥の空に青い鳥  作者: 音無 なの
第2部 第1章 『“ ア ツ イ ”夏になりそうですね。』
25/48

プロローグ(第15話)

お待たせしました!!第2部、スタートです!!

―あれから、時は進んで6月。

俺はこれから校舎へ向かう為に寮の玄関で瑠璃と一緒に他の皆(立夏、智秋、緑川さん、秋穂、白雪さん)を待っていた。


この約2ヶ月の間に、瑠璃は大分落ち着いた性格になってきた。

何と言うか…ほんのり大人っぽくなった。


今までの子供っぽい瑠璃も好きだったけど、これはこれでイイッ!!


とか思う俺は既に末期なんだろうな…;



「どうしたのゆぅちん?」


「いや…何でもない…;」


「ふ~ん…な~んか怪しいですねぇ~?」


「きっ…気 に す る な !!」


「ん~…まぁいっか~…で、あたしの話聞いてた~?」


「ああ、…今年から始まる水泳の授業だろ?」


「うん、ちゃんと話は聞いてたんだ~?」


「ははははは…;」



この学園には今年になってやっと大きな室内プールが完成した。

だから今年からは体育の授業が夏には水泳になる。

裏を返せば、体育の夏季定期テストは水泳になる訳で…

どちらにせよ勇悟(クズ)が高得点貰うんだろうな…納得いかねぇ…


そう言えば…話は変わるが、従姉の姉さんは水泳が嫌いだったな…

必然的に男装が出来ないから今年も成長してしまった大きなお胸様(本人曰く『僕はDカップ何て要らないんだよぉぉぉッ!!(泣)』)がお目見えされて、男子の気持ち悪い視線に晒されたく無い、とか愚痴られたな…

スマン姉さん、今年からは替え玉がしにくくなりそうだ…;

それでも頼んでくるのかもなぁ…;

まぁ、俺は教師から信用されてるし、多少体育を休んでも平気…ではあるが…。


それに、夏季、それも水泳のある日限定で夜桜高等学校の授業を受けるのも楽しかったり…なーんて。

本当なら俺は、第一志望のこの高校に余裕で入れたはず、なんだから…

只、そのお陰で瑠璃と出逢えた事を考えると、あすなろ学園で良かったとも言える。

…それより、生徒会に入ったって言う敦や蓮、姉さんの友達である音無さんや篠原さんはどうしてるかな?



「むぅ…ゆぅちん、また考え事ですか~?」


「あぁ…ちょっと夜桜高等学校の奴等を…な。」


「…ゆぅちんが行きたかった学校~?」


「そうだな。

だがそれも過ぎた事、今は瑠璃に出逢えた幸運に感謝してる。」


「…♪

あたしも、ゆぅちんに出逢えて良かった~♪」



そう言って満面の笑みで抱き付いてくる瑠璃。

相変わらずそうゆう所が可愛いんだよなぁ…

…と言うか、そんないつもニコニコしてる瑠璃と喧嘩したら…どうなるんだろ…?;

基本的に、意見がずれたとしても、俺に嫌な事をされたとしても、優しく諭す様な言い方しかしてこないし…。


いや…逆か…?


出逢って最初の状態の時、ほぼ毎日が喧嘩、と言うか俺の一方的な拒絶だったもんなぁ…まさかその反動?

俺に嫌われたく無いから、怒らない…とか…?



「なぁ、瑠璃。」


「ん~?」


「俺に、不満があったら言って良いんだぞ?」


「えっ…

いきなり何を言ってんの~不満なんて、何もないけど~?」


「いや…よく考えたら瑠璃って俺と喧嘩したこと無いからさー、もしかしたら色々我慢させてるんじゃないかと…


「ん~…なにそれ~何で『出逢えて良かった』から~喧嘩したこと無いって話や~我慢させてるなって話になるの~?」


「思い返したら…って奴だよ。」


「…まぁ、確かに大きな喧嘩はしてないねぇ…。

でも、逆に聞くと、ゆぅちんはあたしに何か不満、あるの~?」


「無いな。」



よく気が利くし、学力も同レベル程度だから一緒に勉強やってて楽しいし、お茶は旨いし料理も出来る、そして何より俺と気が合い勇悟に惚れない。

うん、俺には出来過ぎたいい彼女だよ。



「つまり~そうゆう事~。

そもそも、あたし達って出会い方がアレだったから遠慮無しだし~。」


「ん~…そんなものか…?」



俺が納得いかない…って表情(かお)をしていたのがいけなかったのか、瑠璃は数秒、無表情になった後、眠そうなニヤケ面になった…?


オ イ マ テ 。


その表情(かお)、思い切り悪巧みしてる顔じゃねえか!!;



「じゃあ~…そんなにしたいなら、喧嘩してみるぅ~?」


「お…おぅ…;」



俺が警戒しながらも思わず頷くと、瑠璃は満面のイイ笑顔になる、そして―



「貴方ってホントに可愛いですねぇ?

そんなんだからあたしと喧嘩になんかならないんですよ、そんなに喧嘩したいなら嫌味の1つでも言ってみたらどうですかねぇ?悠希さん?」


「あ?

嫌味だと!?お前に悪い所なんか1つもないのにそんな事言えるか!!

むしろ褒め倒すわ!!お前こそ毎回毎回一々可愛すぎるんだよ!!

そんなんだから嫌いになれねぇんだ!!」


「あらぁ~?

そう来ます~?そう来ちゃいますかぁ~?

大体貴方はですねぇ、出逢って一言目にあたしに向かって“美少女”とか言いやがりましたよね~!

あたしをきゅんきゅんさせてどうするつもりだったんですか!?

拒絶に見せ掛けて褒めてましたからねそれ!!」


「あったり前だろうが!!

お前みたいな美少女!探してもそうそう居ねーよ!!

小さい身体(なり)して料理は旨いし紅茶最高だしその上で家事も勉強もそつなくこなしやがって!!

最高過ぎるわこの完璧美幼女がッ!!」


「そう言うあんたこそ家事をあたしに任せきりにせずにさりげなく手伝ってくれちゃってますよね~?

話してても何してても楽しい位に気が合いますしね~!

これ以上あたしをきゅんきゅんさせてど~するんですかぁ~!?

責任とってくれるんですかねぇ~!?」


「責任とれだ!?んなもん当然嫁にするに決まってんだろうが!!

教室でも席が隣同士じゃ無かったらもう勉強に集中出来ねーわ!

あっさり俺の心に入ってきた上に頭の中をお前でイッパイにさせやがって!!

ああそうとも!!お前は嫁だよ!!法律が無かったら今すぐ結婚したいわ!!」


「結婚!?『黒崎瑠璃』にさせてくれるとか最高の責任のとりかたじゃないですか!!ホントに法律が邪魔ですね!!

ええ勿論あたしもあんたが隣の席じゃなければ恐くて寂しくて勉強に集中出来なくなってしまったんですよ!!

だからとことん寄り添ってもらいますからねあたしの旦那様ッ!!」


「望む所だ!朝はおはようから夜はおやすみなさいまで嫌と言うほど寄り添いまくってやるわ!!

覚悟しとけ俺の嫁ッ!!」


「「・・・・・。」」


ガシィッ!!


刹那、お互いに見詰め合ってから固く抱き合った所で誰かが声をかけてきた様だ。



「…お前らその辺にしておけ…。」


「朝から仲良しさんですね~♪」


「「あ、おはよう二人とも。」」




立夏は呆れ顔、緑川さんは何時ものほんわか笑顔だ。



「お前ら、本当に仲が良いな…?

公衆の面前で朝から何甘い事を言い合ってるんだか、偶々通った生徒が全員、砂糖や蜂蜜を全身に浴びたみたいになってるぞ。」


「そりゃすまんwww」

「それはすみませんwww」


「あらあら、息ピッタリですね♪」


「「当然ッ!!♪」」



うん、やっぱり瑠璃と喧嘩なんか無理だなwww

そんな俺達に対して、ため息を1つついた立夏はチラリと緑川さんを見た…

視線に気付いた緑川さんは立夏に微笑む…っておやおや…?



「ん~?みかみ~どしたの?」


「いえ…今日言おうかな…と思っていたのですが…///」


「俺達、昨日から付き合う事になった。」


「マジかよ!?」

「うん知ってた。」


「…って知ってたのか瑠璃?;」


「いや~。

みかみ~からは、彼氏持ちって事でしょっちゅう相談されてたし~。

シド~と付き合い始めるのは時間の問題かな、って思ってた~。」


「そうだったのか、感謝する、青井。」


「ん~あたしに感謝するなら、きっちりみかみ~を幸せにせぇよ~?」


「当然だ。

勇悟の二の舞にはならない。」


「立夏はそんなクズとは違うから大丈夫だろ。

にしてもそうか…案外早く付き合い始めたな…。」


「まぁ…実際は去年の文化祭辺りからの知り合いだったからな。」


「相談に乗ってもらって、守っていただいて、一緒に過ごすうちに…私は立夏くんが好きに…///」


「俺の方は…最初はただ単に俺を頼ってきた美夏を放っておけなかっただけなんだが…段々、彼女は優しくて、家庭的で献身的だと分かってきて…そんな美夏が、俺の理想とする女性に合っていてな。」


「立夏くん…///

私も立夏くんみたいな人を求めていましたから…///」


(知ってる。だって、原作のみかみ~も理想の男性はシド~みたいなク~ルだけどちゃんと感謝を出来る人、だからにゃ~。)



そんな二人を見て満足そうに頷く瑠璃…

何かまるで二人のオカンじゃねーか!?;

それはともかく、あの立夏をここまでデレさせる女を導くとかさぁ…;



「瑠璃…お前スゲーな…;

コイツ等から凄い幸せオーラが出てんぞ…?;

俺に瑠璃が居なかったら発狂するレベルのスゲー奴が…;」


「ふっふ~ん♪

なんたってあたしは『青い鳥』ですからにゃ~♪」


「…それってあれだろ?

『幸せって案外側に在るんだよ?』って話の…


「ざっつら~い!!

もっとも~、ゆぅちんはそこんとこしっかり理解してるみたいだけどにゃ~?」


「当然だ、お前を一生逃がすつもりは無いからな、覚悟しとけ。」


「それはこっちのセリフだにゃ~。」


「「・・・・・。」」



俺の軽口に対して挑発的な表情(かお)で返してくる瑠璃…可愛いなちくしょー!!マジで可愛すぎるんだよお前はッ!!



「「やっぱり瑠璃(悠希)は最高だぜ!!」」


「バカップル軍団ですか?貴方達は。」


「なのですぅ~…;」



俺達がイイ笑顔で抱き付き合ったタイミングで、秋穂と白雪さんが呆れ顔で登場した…

すぐに満面の笑みで瑠璃が突撃する…



「お~!まふまふ~♡あっき~♡」


「おはようなのですよるりちゃん♪」


「おはようございます、瑠璃先輩。」


「にゅふふ~あきまふ分ちゃ~じなり~♪」


「あはは♪じゃあわたしもるりちゃん分を補給なのですよ♪」


「やれやれ…仕方無いですね♪」


「「…。」」




…なんだかんだ言って3人でじゃれ合うんだよなぁ…うん、癒される。

っと、智秋も来たな?



「おはようさん…って何だこのほのぼの空間は…!?;」


「おはよ、智秋。」

「おはよう、智秋。」


「…それにしてもなぁ立夏、智秋。」


「なんだ悠希。」

「ん?どうした??」


「やっぱり小さい女の子がじゃれあってるのは最高だな!!」


「「そうか、やはりお前はロリコンだったんだな?」」


彼女(青井)も白雪も見た目は小学生だしな?

赤坂は中学生だしな??」


「いや、お前の彼女を見てみろ、立夏。」


「ん?」


「うふふっ♪」



俺が指を指した方には、慈愛に満ちた笑顔で三人を見守る緑川さんが居た。



「さぁ皆さん、そろそろ学園へ向かいましょうね~♪」


「「「はーい♪」」」



その緑川さんは三人を優しく誘導して歩きだしたので俺達も後に続く。

智秋は緑川さんが慈愛に満ちた聖母の笑顔を浮かべているのを見て立夏に言う…



「…立夏、お前の彼女、ものスゲー母性を感じるんだが…!;」


「まぁ…そこが良いんだがな。」


「チクショー!!見せ付けやがって!!

はぁ…ルナー…今すぐ会いてぇよぉ…;」


「ははははは…;」



そんな、珍しく幸せそうに微笑んだ立夏を見た智秋は、彼女が恋しくなったのか電話をかけるのだった…

はぁ…甘いな。

朝から糖分が多すぎだ…;









季節は夏…第2部は色々な意味で熱い話になりそうです。

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