番外編 ひ と つ だ け ね が い が か な う な ら ―
瑠璃の前世、地味子ちゃんの話です。
ネガティブな展開ですので苦手or嫌いな方は読み飛ばしても問題ないです。
『キャハハハハハハ!!』
『だっさーい♪』
「・・・。」
あぁ…声が遠いなぁ…。
私は…惨めだ…
勉強以外は、何をしても…上手くいかない。
恋も、友情も、青春でさえも…
私に『好きだ』と言ってくれた幼馴染みは助けてくれなかった。
私に『ずっと友達だよっ♪』って言ってくれた親友は、アッサリ私を裏切った。
私はただ、平穏に暮らしたかっただけなのになぁ…
乙女ゲーやギャルゲーみたいなキラキラした青春じゃ無くたって良い。
ソレなりの学生生活送って、ソレなりの会社に入って、趣味のラノベ読んだりゲームやりながらソレなりの人生歩めれば良いや…って…思ってたのになぁ…
どうして、こんな事に…?
始まりは些細なこと。
幼馴染みの彼が、こんな私に好きだって言ってくれた。
その時は嬉しかった。
だけど、私の親友は…彼の事が好きだった。
私の親友は明るくて友達が多かった。
私の友達は、彼女を除くと本とゲームだけだった。
そんな、根暗な私を、選んだ事に、親友は腹を立た。
その日からだ。
女子が皆が敵になったのは。
私の幼馴染みはそれなりにカッコよくて優しかった。
最初は私を庇ってくれた。
だけど、酷くなってくると、自分も被害に遭うのが怖くなって逃げた。
私の元・親友が流したって後で知ったのだけど…『アイツは地味ななりして清楚ぶってるが実は援交をしてる』って、根も葉もない噂を盾にして。
『お前がそんなビッチだとは思わなかった!!』なんて…被害者ぶって。
確かに私は…ゲームやラノベが大好きで買い込んでいるけど、それはちゃんとバイトで稼いだお金で買ったもの。
そんな事を言われる筋合いは無い。
だけどある日、親友だと思っていた…彼女に呼び出されて直接言われた。
『お前みたいな根暗、先公の評価が上がるから友達で居てやっただけだよバーカ。
調子に乗った報いだわ、ざまぁみなさい。』
それで、私の世界は完全に壊れた。
私は…その日から全てが信じられなくなって…ゲームの世界に逃げ込んだ。
ゲームの主人公は、幼馴染みに好かれて、可愛くて明るい女の子や、格好いい男の子と楽しく学生生活を送るんだ…
あぁ…私もそんな学生生活を…最近まで送っていたのになぁ………
そんな中で知った、『黒崎悠希』と言う名の“キャラクター”。
彼も所詮は“ゲーム”の登場人物…
そう思っていた。
だけど…彼の昏い部分には多くを共感した。
キラキラしている奴等が憎い…
人からささやかな幸せまで奪っておいて、明るく笑う主人公が憎い…
そして、黒崎悠希は主人公を殺そうとして自分が死んだ。
だから私は…彼の代わりに自分が、主人公共の幸せを壊そうと思った…
・・・・・・ア タ シ の 世 界 の 主 人 公 を…だ…。
久し振りに登校したアタシは、すぐに元・親友に階段の踊り場へ呼び出された。
なんか、もう周りがボンヤリとしている…こんなの…現実じゃない…アタシの望んでいた世界じゃない…あはっ…だからさぁ…壊すんだ…変えるんだ…状況を…♪
『なによアンタ、気持ち悪い笑顔を浮かべて。
あれだけされてまだ懲りてないわけ?
ホンットアンタはネチネチしてて気持ち悪いわね!!』
そう言いながら元・親友はアタシの足を踏みつけてグリグリとしてくる。
あはっ…♪見た目が主人公でも、やってる事はきったないなぁ~♪
だからさぁ~…
「うふ…うふふふふふ…でしょう…ね…?
私も、そんなアンタが大嫌い…。」
アタシは、元・親友の肩を掴むと、階段の方へ押しやった。
『っ!?
何する気よ!?』
「あはっ…♪あははははははははは!!
だから殺してあげるよーっ!!♪」
『ひっ!?
やめなさいっ!!…あ。』
「あ―
彼女に振り払われたアタシは…派手に階段を転げ落ちた。
「あがっ…ひ…ぅ…
『うそ…なんで…?
あぁそうよ…私は悪くない。
アイツが、勝手に落ちただけ。そうよ…私は悪くない!!』
「あ…ぐぁ…
全身が痛い。
意識が薄れていく…だけど…私の心は、晴れやかだった。
うん…元・親友を殺そうとしたんだから自業自得よねーっ♪
だから、今のアタシが…私の結末に相応しいわ。
ごめんね、…こんな私で、ごめんなさい…
私がもっと…明るかったら…ひょうきん者で在れたなら…辛くても笑っていられたのなら…“善かった”のに…
ねぇ…かみさま…。
もしもいるのなら、ひとつだけねがいをかなえてください。
もしもうまれかわれるのなら―――――――――
――――“アタシ”みたいなひとをたすけられる“わたし”にしてください。
因みに彼女、根暗ですが根は優しい優等生で、地味にスタイルが良いって言うどうでも良い裏設定があります。
容姿…黒髪のロングヘアーを一本の三つ編みに纏めていて、眼鏡をかけていて茶褐色の猫目、低い鼻に薄い唇。
抜群のスタイルと合わせると典型的な『眼鏡外したらあらビックリ、そこそこ美少女じゃね!?』な、タイプだったりします。




