プロローグ
初めての方は初めまして!!
別サイトで知っている等そうでない方はこんにちは…或いはお久しぶり…?
ラブコメがメイン(?)な話は久々(しかもほぼ初心者)なので至らない所だらけでしょうが、宜しくお願いします!!
※誤字脱字等の指摘をしていただければ順次修正いたしますのでお願いします。
俺の名前は『黒崎 悠希』、今年で高2の16歳だ。
性別は男、身長は164㎝、体重は55㎏、
髪型は後が長めのショートカット、
二重で丸い瞳、薄い唇、
若干女顔である以外はあまり特徴のない、『黒目黒髪中肉中背』なごく普通の男子高校生だ。
ただ、俺は自分で言うのもなんだがひねくれ者で女性不信者だ。
と言うのも俺の知り合い(相手は勝手に俺を親友扱いしてるが只の腐れ縁だろ)が原因だったりする…
そいつと知り合ったのは小学校に上がってから。
そいつは天然フラグメイカーで、そのくせ超が付く鈍感だ。
あいつは女子を無意識に口説き、恋愛フラグを立て、気付かずに折る、または捨てちまう…
結果的に奴には女友達は出来ても恋人は出来ない。
そうやってあいつは、自分だけで無く何故か俺の幼馴染みに対するフラグも折っていきやがった。
中学校まで一緒だった幼馴染みが奴の毒牙にかかって俺の前から去っていったんだ…
彼女とは、友達以上恋人未満だったんだけどな…
奴から離れる為に必死に勉強をしていたと言っても、息抜きで癒しを求めて喋ったり一緒に過ごしたり…向こうから誘われたら必ず一緒に出掛けたり…していたんだが…
だと言うのに…勇悟の奴は、いつの間にか幼馴染みに対して『最近悠希の奴が冷たいんだよなぁ…』的な話から入って近付き…それから幼馴染みに『悠希は友達を蔑ろにする人なの!?』と誤解させ…って言っても確かに勇悟には冷たくしていたけどさ…幼馴染みは…俺が理由も無しにそんな事をする訳無いとも…言ってくれず…勇悟に共感して、でも勇悟にフラグを折られて…傷心した彼女は…遠くの高校へ行った。
結局、女って生き物は幼馴染みの絆よりイケメンを優先するんだと思い知った俺は女性不信になった。
友人に薦められたギャルゲーも、いつしかその内容が奴の人生その物にしか感じなくなったからやらなくなった…
学校の女子なんざ奴が主人公のギャルゲーの攻略対象としてしか感じなくなったからもう話しかける気にもならなくなった…
そしてあいつよりランクの高い学校を受験した…
が、神様って奴が居るならあいつの味方らしい…
俺は、第一、第二、第三志望の学校の受験の日、謎の腹痛に襲われて受験に集中出来ず、不合格…
あまつさえ滑り止めで受験したあいつの通う学園に満点合格…(何で受けちまったんだよ…俺…;)
かくして…俺の灰色高校生活が幕を開けたのだった…
…と、まぁ…それだけの話だったら俺はきっと退学するか壊れていたかもしれない…。
幸い、俺には唯一の救いがあったからな…
それは後で話すが、とりあえず去年は予想通り新しくあいつのハーレムに数人の美少女が増えて終わった。
俺は…ガールフレンドは0。
奴の友達って事で美少女共とも一応友達だが、
当然そんなのはノーカウントだろ?
まぁ勇悟と同じ学校(学園)って時点でもうガールフレンドを作る気は無いし諦めてるがな。
それに、俺には『アイツ』が…この学園で知り合った、例外的に奴の横取りが無効だった『アイツ』が居るからもう他の女何か必要ないし。
…まぁ良い。
とにかく奴は基本的に美少女共と遊んでたから俺は俺の男友達や『アイツ』と遊んでた。
だから奴とは仮初めの友人。
奴の人生と言う名のギャルゲーを進行し、彩りを添える上で都合の良い親友ポジションの人間。
だが奴はそれに気付かない。
全く…おめでたい奴だよなぁ…?
俺に『アイツ』が居なかったら、確実に俺はテメェを殺していたぞ?
さて…今日も『アイツ』と一緒に、奴のリアルギャルゲーを見ていくとしよう。
…そして、それならば奴を…奴等を紹介せねばならない。
奴…リアルギャルゲー主人公なクソ野郎の名前は
『赤坂 勇悟』、
身長173㎝、体重62㎏。
黒髪でショートカットの髪をワックスで軽く立たせていて、黒の少しつり上がった瞳、
高めの鼻に薄い唇で爽やかな印象を受ける奴。
その甘いマスクとギャルゲーの主人公よろしくノリのいい性格と人を惹き付ける何かと美少女人脈を持ち、更にスポーツ万能なチート野郎(※勉強も出来るとは言ってない)。
まぁ…『普通』では無いからモテるのは分かるが…そのクセ鈍感なのが訳わかんねぇ…。
何が『彼女欲しいなぁ…』だよクソが。
もう一人は『緑川 美夏』
身長165㎝…俺より微妙に高いな。
栗色のゆるふわなウェーブがかかったロングヘアに茶色の丸い瞳、
まるめの鼻に小さな口のゆるふわ天然さんな人。
こいつはまさに『ザ・ギャルゲーの幼馴染み』、勇悟とは産まれた時からお隣さんで両親が家族ぐるみでの付き合いがあり、
毎朝勇悟を起こしに行くのが日課で、
学校での昼飯を二人+美少女共+俺&『アイツ』で食う事があるんだが、その時の夫婦っぷりが見ていてウザかったんだが…
ただこの緑川さん、最近は何だか勇悟を避けてる様な気もするが……
以前は緑川さんが勇悟の頬に付いたご飯粒を取って食べたりしたのにツッコミ入れたら『何か変ですか?』とか言っていたんだが……?
後で改めて紹介はするが、奴のハーレムには後、『妹キャラ/赤坂 秋穂』『ちびっこ系同級生キャラ/白雪 真冬』『先輩キャラ/桜庭 春奈』の三人が居る。
とりあえずこの4人がこの学園での勇悟のメイン攻略対象キャラだろう。
他の奴等は知らんが去年の時点でフラグ折ったんじゃね?
まぁ…よく分からん…ってか先輩やチビッ子はめげてないみたいだな。
今も勇悟の『いいおともだち』だよ。
さて、そんな奴等よりさっきから言っている、俺を灰色生活から救いだしてくれた『アイツ』を紹介しよう。
…『青井 瑠璃』。
133㎝、プラチナブロンドに碧眼な色白美少女。
腰までのばしたロングヘアで、何時も眠たげな瞳に整った鼻梁、桜色の唇。
どうやら隔世遺伝で、母方にロシア系の人が居るらしい、見た目こそ低身長で子供にみえるが。
なら何でそんなに小さいんだ…って別に体格までは遺伝しないんじゃないの?
何にせよ俺は瑠璃は瑠璃なんだから気にしない。
重要なのは『勇悟の毒牙に負けず、俺に好意を向けたままで居られる事』なんだから。
そんな瑠璃の事を、最初はあからさまな勇悟の攻略対象なのに変な奴だと思った。
何せコイツは見た目もさることながら部屋で(調剤)薬や健康茶を作っている所謂『不思議系キャラ』。
だけど入学して直ぐに、勇悟ではなく隣の席の俺になついたんだ…
それこそ、初対面で『ん…?あんたは中々に興味深いわね…。』と言って近付いてきた。
そんな瑠璃を、『女であるテメェの…美少女の言葉なんか信じられるかよ!さっさと勇悟に媚びてこいや!!』って拒絶したんだけどな…
そしたらむしろ素に戻って『(!)んふふふふ~♪低身長でぇ~そのくせ~こ~んな色をしたあたしに~正面切って~“美少女”~って~褒めてくれたの~あんたが初めてだにゃ~!!』って好奇心満々になって付きまとってきて根負けした…って所だな。
しかもだ、コイツは…瑠璃は俺が女性不信なのもその原因も話してあるから知っていて、そんな俺が唯一信じられる『初めて勇悟に興味を示さず、勇悟に横取りされず、尚且つ俺の恋人にまでなれた人』なんだ。
それに、瑠璃は言ってくれた。
『…あたしに~偏見持たねぇ~あんたは~、あたしにとっても~きちょ~な~存在なんだよ~?』と
横取りされ過ぎてロリコンを拗らせたとでも何とでも言えよ。
こうみえて同じく低身長な白雪よりは中身が大人だし、なによりコイツもちゃんと俺達と同い年なんだし。
まぁ…もし瑠璃と恋仲になれたのが寝とりルートの為の布石だったとしたら、俺は今度こそ壊れるけどな…。
ただ、瑠璃は『な~んであんたを苦しませた奴にあたしが惚れなきゃなんないのさ~?そりゃないでしょ~?』って怒ってたけど。
さてと、一通り説明した所でとりあえず本題に入ろうか。
この、私立あすなろ学園が俺が合格させられ、入れられた全寮制の学園だ。
今年2年生に進級した俺達…とりわけ勇悟に待っていたのは2年生で寮長になるって事件。
理由は前寮長(勇悟の知り合い)の転校で、彼から指名されたからだ。
ま…勇悟は“一応”、面倒見も良い(事になってる)し、人柄も悪かねぇ(事になってる)しな。
で、奴は『お引っ越し』の中で寮長室になった訳だが…
まぁ豪華だな、その分責任とかあって面倒だろうが。
勇悟ざまぁwww
ま、主人公らしくて良いんじゃねw?
まぁ俺も親友らしく手伝ってやったさ。
で、予想通り奴は幼馴染みの部屋へ引っ越しの手伝いに行…こうとして、他の奴等に見付かり、『なら俺達も女子を手伝いたいもんね~!』って全寮制系ギャルゲーでありそうなシチュエーションになった訳だ。
そして俺は留守番をかって出た。
あいつの幼馴染みの部屋へ付いていくなんて頼まれてもお断りだし。
で、俺は勇悟に許可を貰ってくつろがせてもらってる。
…と、ソファーに座って漫画を読んでたら誰か入って来た…
「…お~、予想通りここに居たぁ~。」
「って瑠璃!?何で居るんだよ!?」
「何でって言われてもねぇ~…あたしがあんたの隣に居たいから…としか~。」
「そっか…まぁ折角来たんだから座れよ。」
「じゃ~遠慮なくぅ~♪」
因みに俺は“女子、特に瑠璃を除く美少女に対しては”適当に対応する。
だってどうせ優しくするだけ勇悟の攻略対象が増えるだけだし。
仲良くするだけ無駄だし。
勇悟?あいつに対しては素でいった方が面倒だ。
偽善者ぶって『どうしたんだ!?悩みがあるなら相談しろよ!!俺達は親友だろ!?』とか言ってきてウゼェし。
その“親友”の幼馴染みを寝取っておいてよく言うよな。
「ん~?
折角あたしが来たってのに~ゆぅちん顔が恐いぜ~?
もっとりら~っくすしな~!
ほぃ、あたしとくせ~の茶でも飲め~!」
「…すまん。ありがとう。」
っと…落ち着かねば…。
後はまぁ、瑠璃に関してはお互いに遠慮無しだから別に良い。
今も瑠璃は態々俺の膝の上に座ってるし。
俺は受け取った茶(水筒に入れてきたらしい)を飲んで一息ついた。
満足そうに笑った瑠璃は何時もの間延びした様な独特の口調で話を続ける。
「そ~そ~さっき~あかちんが女子寮にきてたじぇ~?」
「知ってる。
何かおもしれー事でもあったか?」
「男子のボーソーでてんやわんや~。」
「ホゥ…?暴走。」
「意気込んだ男子が~女子の部屋に~突撃~。」
「あぁうん、大体その後の展開が読めるわ。
桜庭先輩コースだろ。」
「ん~ざっつら~い♪
さくらんに~取り押さえられて~奴も~一緒におせっきょ~♪」
「「勇悟ざまぁ~♪」」
この通り瑠璃も中々良い性格をしていて馬が合う。
まぁ…俺絡みじゃなかったら勇悟には全く興味無いらしいけどな。
理由は、『奴は王道過ぎてつまんね~、後~、何か“名状しがたい変な気配”がして気持ち悪い~』だとか。
その反対に、俺の事は最初こそ『ゆぅちんみたいな~報われね~の、興味深いねぇ~…』だったらしいが、いつの間にか好きになっていたらしい。
で、瑠璃から猛烈アタックを受けて勇悟の取り巻きじゃないと信じられたから恋仲に…
まぁ…俺自身もコイツと居るのが心地よく感じていたし、本当にコイツだけがこの監獄のオアシスだな。
俺が染々とそう思いながら瑠璃の頭を撫でてくつろいでいると―
「(!)悪いねぇ~ゆぅちん、めんどーな事になる前にあたしゃ一旦退くなぁ~?」
「おう。」
―そう言った瑠璃がささっと出ていった…窓から。
一階とは言えそうゆう所、女子としてどうなんだろ?
と、入れ替わりになる様に勇悟が幼馴染みと一緒に帰ってきた…ってうゎ…退散しよ…。
瑠璃もそれを察したのか。
俺は素早く“親友の仮面”を被る。
「お~帰ったか勇悟!
どうだった?堂々と入る女子寮は!」
「特に何もないよ、只の部屋だしな。」
「またまたぁ~!照れちゃってさ~♪
緑川さんの香りに興奮したんだろ~?」
「っ!!///幼馴染みに興奮してどうすんだよ!?///」
「……そうですよ黒崎さん、そんな事有り得ませんから。
私には魅力なんてありませんしただの幼馴染み、ですからね。」
「えっ!?;いやいやいや!!美夏は充分魅力的だよ!!」
「あ~あ…お熱いですね~♪
それじゃ、邪魔者は馬に蹴られる前に退散するかな♪」
「あ…おう!留守番サンキューな!!」
「な~に!良いって事よ!!じゃな~♪」
ふぅ…
うっわキメェ…
我ながらあんなのキャラじゃねぇな…
あ~あ…やっぱ勇悟はウゼェな…
……にしても、緑川さん、なんか、変じゃなかったか……?
まぁ良いや、俺の部屋はもう片付け終わってるし、『藍色の欠片』の続きでもやるか…
因みに『藍色の欠片』ってのは今人気の一人~四人で遊べるアクションRPGだ。
…ただ…このゲームの主人公って能力的にも性格的にも親友ポジションなんだよな…ジョブも盗賊だし。
対して親友はオールラウンダーな騎士。
しかもメインヒロインは何故か投げ技が使えてメインウエポンにナックルが、防具は軽鎧が装備可能な前衛的魔法使い、
サブキャラの親友の幼馴染みの方がヒロインらしいおしとやかなヒーラーキャラ。
仲間も主人公も騎士様な親友を頼るシナリオ…
ハッキリ言ってこのゲームを作った会社の異図が分からねぇ…
が、ゲームシステムは面白くて最終的に主人公も主人公らしくなっていく…らしいな。
一応メインヒロインともくっつくみたいだし。
尤も…まだ俺は序盤だが。
…と、ゲームを起動しようとした所でいきなり窓が開いた。
「邪魔するぜ~ぃ。」
「おう、さっきぶりだな瑠璃。」
「んふふ~そ~だにゃ~。」
「お前もやるか?」
「お~?藍色の欠片ねぇ~やるやるぅ~♪」
そう言いつつ隣に座る瑠璃。
相変わらず…何考えてるかわかんねー顔だが…
態度とか口調とかには出るから分かりやすい。
瑠璃にもコントローラーを渡して、俺達はしばらくゲームに熱中した――――
―っと、腹へったな。
時間も丁度良いし―
「瑠璃。」
「ん~?どしたぁ~?」
「昼飯食いに食堂にでも行くか?」
「さんせぇ~。」
ってことでゲームを終わらせた俺達は食堂に来た。
…どうやら『奴等』も居るみたいだが…
俺と瑠璃はアイコンタクトでお互いの意思を確かめる…
[…どうするぅ~?ゆぅちん。]
[正直面倒だが…もし勇悟が“イベントを欲しがってる気分”の時に見つかった時の方が面倒だな…]
[なら~突撃~?確認~?]
[だな、お前も対勇悟人格宜しく。]
[…んっ。言われなくてもそうする。]
[切り替えの早さに脱帽。]
目付きを変えた(と言っても分かるのは俺くらいだろう)瑠璃を伴って、俺は敢えて勇悟に突撃した。
「よぉバカップル~!調子はどうよー!?」
「悠希に青井さん…まぁ…いつも通りだよ。」
「こんにちわ、黒崎さん、瑠璃ちゃん♪」
「…んっ。こんにちわ。」
因みに、普段の俺はハイテンションキャラ、瑠璃は口下手キャラに擬態している。
っと…今はテンション低めだな…よし、いじろうwww
「なんだなんだ~!?テンション低いぞ勇悟!
あれか?また桜庭先輩に絞られたか!!」
「ああ…俺は完全にとばっちりだけどな…
「そりゃご愁傷さまwww
「勇くん、いきなり先輩の胸に飛び込んだら怒られるのは当然ですよ。」
「ははっwwwまたかよ~!
そうやって乳揉むの好きだなお前ってwww」
「…えっち。」
「~っ///
不可抗力だッ!!///
あれは他の奴が―
「人のせいにしちゃだめですよ。」
「うぅぅ…
そんな二人の会話を尻目に再び瑠璃とアイコンタクト。
[相変わらずのラッキースケベかよ。
瑠璃にやったらマジで殴ってやる。]
[…大丈夫。
その時は、催涙スプレー、かけるから。]
[例の唐辛子入りか…?]
[…んっ。
因みに、悠希なら、何時でもばっちこぃ。]
[そいつは嬉しいな。
とりあえず巻き込まれる前に離脱だ。]
[…らじゃ。]
アイコンタクト終了。
「じゃあまぁごゆっくり~!」
「えっ…?なんなら悠希達も一緒に食わないか?」
「やだ。悠希と、二人が良い。」
口下手モードにも関わらず瑠璃速答。
彼氏的にも嬉しい限りだ。
緑川も追撃に出る。
「そうですよ、お二人の邪魔はしちゃだめですよ?」
「うっ…うぅ…;」
何か勇悟の奴が縋る様に俺を見てくる。
どうやら桜庭の胸を揉みしだいた件で緑川と二人なのは気まずいらしいな。
だ か ら ど う し た っ て 感 じ だ が 。
む し ろ ざ ま ぁ 。
どうせ他の攻略対象も来るだろうしな。
当然の様に俺は無視して瑠璃と飯を注文しに行った。
「…おばちゃん、俺はカツ丼ね。」
「あたしはオムライスを。」
「はいよー!!
カツ丼とオムライス入ったよー!!
出来たらお知らせするから席で待っててね!」
「「はい。」」
お金を払い、フードコートでよく見る子機を受け取った俺達は、勇悟達からは離れた席についた。
「ハッ…やっぱりか。」
ふと勇悟達の方を見ると、案の定妹とチビッ子が席についていた。
勇悟も調子を取り戻したのか楽しそうに喋っている。
「ハァ、アイツってやっぱり主人公なんだよな…。」
「そ~だにゃ~。
それよりさ~きょ~はこの後ど~するぅ~?」
「んー…何も、薬の材料買いにいくならついてくけど?」
「じゃ~よろしくぅ~。
んふふ~楽しみだにゃ~♪」
「・・・・・何か、ギャルゲーのイベントみたいだよな、これ。
街に行ったら勇悟達に出会ったりしねぇだろうな…?」
はぁ…今までが今までだったから…どうしても“寝とりルート”の単語が付きまとうんだよな…
瑠璃の性格が、これまたギャルゲーに出てきそうな感じだから、余計に…
俺の考えも理解しているからこそ、瑠璃は茶化す様に俺を見てくる。
「んふふ~♪そんなにあたしが心配か~?
そんだけ想われて~あたしゃ幸せもんだ~ねぇ~♪
ほぃ、精神安定の薬~♪」
「…俺は精神病患者か?;」
「んふふ~今のゆぅちんは~そのと~りだにゃ~♪
ほれほれ~遠慮せず飲め~!」
「いや、遠慮とかじゃねぇし…
…瑠璃のこのテンションとか気遣いは本当に助かってるけどな。
とりあえず薬は勘弁してもらった…;
さて…飯食ったら街だな…