表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

あなたへ...2016年2月

インフルエンザ

作者: あずま

まだ小学校のあなたがインフルエンザに罹って

吸入の薬を処方されて

枕元で吸入の仕方を教えてあげたね

それまで熱でだるそうで

苦しそうだったのが


本当にあっという間に

息が楽になって

熱が下がって

元気なのに学校に行かなくて良くて

たくさんマンガを読んで

アニメを見て

笑って過ごしたね


ああ高校入試の時は予防接種が

最後の小児科かと思ったのに

ワクチンがなくて

お母さんの通っている病院で受けたね


思い出すと病気の記憶なのに

幸せだったなあとしか思えない


熱があなたの身体の中の悪いやつをやっつけてくれてるんだから

お母さん応援してるよ

がんばれ白血球君

もっと小さな年少くらいのあなたには

白血球君の活躍の話をしながら

添い寝をしたこともあったね


空の色も

雲の色も

土の臭いも


太陽も

星も

あなたを思い出させないものはないと思ったけれど


こうして

インフルエンザで横になっていると

熱で浮かされている苦しさまで

あなたを思い出させる


ああ

インフルエンザに罹ったあなたは

こんなに苦しかったんだね


何十年ぶりにインフルエンザに罹って

あなたを思い出しながら寝ているよ


去年の今頃罹っていたら

きっとあなたは小さい頃のあなたに私がしたように

氷枕を持ってきてくれたのにね

きっとそれも思い出になったのに





お父さんもインフルエンザに罹りました。会社の方針で毎年予防接種をしていて、絶対に罹られないと言っていたのに。あなたがいたら、きっとあきれてしまったかもしれないね。夫婦二人で仲良しだねえって笑いながら看病してくれたよね。笑いながらどこかで見ていてくれたらいいな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ