第8話
俺は草原を歩いてシルバードの街へ向かった。まだこの子…アトレイユは眠っている。
「あー。門番どうしよう…子供でも身分証…いるだろうなぁー。親と同伴ならどうだろう?親に…見えんか…兄弟なら?髪の色一緒だし…行けるか?母親が違うんですーって事にしてみるか」
結果…行けました。ヌルくね?まぁそれで助かったんだけれども…
「ギルドで盗賊でた事言うべきか…でもそうなったらアトレイユの事言わないといけないし…母親は家名隠してたから…死んだ事にしておいた方がいいのかもしれんしなぁ…ダリスさんなら悪い様にしないと思いたい…」
ってな事でギルドにやって来ました。そこでダリスさんに盗賊が出た場所を教えたり、アトレイユの事も相談したりした。
「盗賊の件はわかった。しかしソーマ。その子を育てると言うが…できるのか?孤児院もあるぞ?それにその子の服装を見る限り良い所の家の子じゃないのか?」
「この子の母親に…頼まれたんです。 死ぬ間際に頼まれたんです! この子を! お願いしますって!」
「落ち着け。しかしなぁ…」
「俺が! 育てるんです!」
「わかったわかった!降参だっこーさんっ!」
俺の勝ちだ! っは!?何をしているんだ俺は…アトレイユが生きてるってわかったら父親の方が探しに来るかもしれない…母親の方が家名を隠していたから…戻ってもロクなことにならない…と思う。先の事を考えるなら死んだ事にした方がいいだろう。 アトレイユが大人になったら母親似だった場合バレるかもしれないが…その時までに俺が力をつけとけば…どうにかなる。 と思いたい。
「ダリスさん。この子は俺が育てます。 盗賊の討伐に行くならば…生き残りが居なかった事にしてくれませんか?この子の母親が家名をワザと言わなかったんですよ。途中で濁す感じでした。 戻っても良い事はないんでしょう。それと…今日からこの子の名前はアリスにします。 本名は俺だけが知っていればいいでしょう。」
「はー。 本名ねー。ソーマ…俺に言っても良かったのか?」
「ダリスさんは俺によくしてくれますしね。 たまにヌケていますが。 ダメなら…ギルドマスターに合わせてください。 こんなガキの言う事聞いてくれるかわかりませんが何とか説得します。」
「はー。わかった。ギルマスに合わせてやる。 おう。俺がギルマスだ。」
「は?マジで?」
「マジだ」
「受付に人がこなくていつもひっそりとしているのに? マリアさんにたまにジト目で見られて「うほっ」とか言ってるのに? …ギルマスって奥で書類とか整理するんじゃないんですか?」
「お前が俺をどういう目で見てるかよーくわかった。 が、俺がギルマスだ。俺の所には人がこないから受付でも十分仕事ができる。 それに…奥で一人は寂しいんだよ」
「そ…そうですか…じゃあ…盗賊の事からもろもろお願いします!!」
「わかったから頭をあげろ。はぁー…他のギルドでこんな事するんじゃないぞ?まず無理だからな。南支部…俺だから大丈夫なだけなんだからな。 後、他でも言うんじゃないぞ。面倒事が増える」
「ありがとうございますダリスさん!」
ギルドマスターだったダリスさんを説得?して盗賊の事などまかせて俺は安らぎ亭に帰った。
「おやおかえりソーマ。どうしたんだいその子は?」
「ただいまアイーダさん。この子は妹ですよ。母親違いですけどね。 ほら。俺と髪の色一緒でしょ?そこだけ二人共父親似なんですよ。 とりあえず今日は同じ部屋に泊まるんで、はい。追加の5000マニ。」
「あいよ。まぁ深くは聞かないよ。晩御飯食べるだろ?」
「ちょっとこの子を部屋で寝かせて来るんで、準備しておいてください」
そう言って俺はアトレイユ…アリスを部屋に運び晩飯を食った。んですぐに部屋に戻る。
「んー。いつまで寝てるんだろこの子は…服とかも買わないとな…平民に見せるなら今の服はアウトだろう。獣人街でも見てたけど…頭の上に耳あるの不思議だなー。3歳だからかほっぺプニプニしてそうだな…… つんつん。モチモチですな」
小さい子はモチモチでした…つんつんするのが楽しくなってきたのでどんどんやってたら…目が覚めたようです。うん。俺のせいだな。
「ん…んんー。まま…?」
「おはよう」
俺はそう言ってアリスの頭を撫でる。正直言おう…どうしよう!子供の扱いわかりません!!
「まま…?ままー。ままー。」
「ぉおおおお…どうする!どうする俺!ととと取り敢えず落ち着かせねば!今日から私ぱーぱーっよっ! 違う!落ち着け俺!」
オロオロする俺…背中なでるか!?頭と背中なでなでコンボだ!
「ぐすっ…ここ…どこぉー?ままはぁ?」
「ままはねー。ちょっと遠くにいるんだよー?いい子にしてないと会えないぞー?だからいい子にするんだぞー? でね、ここは宿屋だぞー」
「ぐすっ…あーちゃんいいこにするー。ままにあいたいの」
「うんうん。いい子にしてたらきっと会えるよー。だから泣きやもうねー。泣き止まないと隣の部屋からこわーいおじさんがくるよー「誰がこわいおじさんだっ!」うわっ聞いてたのかよ!」
「やー。こわいおじさんやーなのー。あーちゃんいいこにするのー」
俺は壁際に言って「今日だけなんで…すんません」って言って隣の人にあやまった。壁薄いからね…これでいいのだ。
「おにーちゃんだれー?あーちゃんはーあーちゃんだよー」
「俺かい?俺はソーマって言うんだよ。 そのままおにーちゃんでいいぞー。 あーちゃんはー今日からーアリスって言うんだよー?」
「そうま?おにーちゃんはおにーちゃんー。あーちゃんアリスー。」
「そうそうあーちゃんはアリスー。」
うぅ…子供の相手は疲れる…アリスで覚えさそう…まだ小さいから自我もあんまりないだろうしな…俺3歳の頃の記憶…たぶん無いし…5歳くらいから自我つきまくるだろう…体感的に。
今日は寝よう…魔力の練る練習も今日はできんな…。 んだばおやすみ。
「すーすー…まま…」
「…この歳で親居ないのきついよな…俺が守ってやるからな」
ベットで一緒に寝てるが時々ママって言ってる…不安だろうな…しっかりパパ…お兄ちゃんしなくては。俺はそう決意しアリスの頭を撫でながら眠った。 …犬耳おっふ。
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「ぐす…ごめんちゃい…」
「よしよし…大丈夫だからな。とりあえず服脱ごうな。はい、ばんざーい」
「ばんざーい」
次の日…起きたらおねしょしてました。うんうん。まだ小さいしね。大丈夫大丈夫。俺4年生までしてたから大丈夫よ。
「あーちゃんはまだ小さいから仕方ないさー。ほら体もついでに洗うぞー。」
「きゃーきゃー」
アリスは裸で走り回る。しっぽもピコピコしてる。うん可愛いな。
んで俺はアリスと服を洗って魔法で乾かしそれを着せる。きゃーきゃー楽しそうだな。なんかほっこりします。子供もつ親はこんな気持ちなんだろうか?
さて…今日はのんびりしてたし…昼も近い。何しようかな…あー。服買いに行かなきゃだったわ。金貨はあるが中古にするか…新品なんぞ買ってたらすぐなくなるだろうし…この世界物価高すぎなんだよ。家も…探すか。借家ならなんとかなんだろ…二人で毎日宿だと…キツイ。飯とか自分で何とかしなきゃだけどそっちのが安く上がるだろう。きっと。
ギルドで服屋の場所と…家の件聞いてみるかな。困った時はダリスさん。
アリスと手を繋ぎギルドへ。南支部はあんまり冒険者いないから少し安全なのだ。早朝じゃないし余計に安全だろうって事で、
「だりえもーん…あれ?居ない」
「ダリスさん?でいいのよね?なら今日はいないわよ。盗賊ぶっ殺してくるって言って業務ほったらかしでそこら辺の冒険者拉致って行ったわよ」
「それでいいのかダリスさん…ってマリアさん。ダリスさん戦えるんですか?」
「それなら安心していいわよ。ギルドマスターになるには実力もいるしね。と言うより実力の方重視なのかしら?うふふ」
「あーギルドマスターって言っていいんですか?昨日初めて知ったんですが…やっぱり受付嬢も実力あるんですか?」
「昨日「ソーマにギルドマスターってばれたー自分で言ったんだがな!」とか言ってたから大丈夫でしょ。 あら。おねーさんの実力知りたいの?うふふ」
「やめときます…ちょー強そうなんで…」
「あらあら…どういう意味かしら? ところで…その子がアリスちゃんね。聞いてるわよ。安心なさい。おねーさんもソーマ君と秘密を共有よ」
「い…いやなんでもないです! あーちゃんマリアおねーちゃんにあいさつしてー」
俺はマリアさんにギロリと睨まれたので慌てて違う話しに持っていく。アリスは俺の足にビタっとくっついている。1日でこの懐き様…悪い人に着いて行かないか不安です…
「あーちゃんですっさんさいでっす」
マリアに会心の一撃!!マリアはアリスを抱きたそうにこっちを見ている!抱かせますか?
抱かせる
抱かせない ← ピッ
「まぁまぁまぁー可愛いわねー!あーちゃんって言うのね。私はマリアって言うの。マリアおねーちゃんって呼んでね」
「まーあおねーちゃー」
マリアに会心の一撃!!マリアはアリスを抱きたそうにこっちを見ている!抱かせますか?
抱かせる
抱かせない ← ピッピッ
「ソーマ君…アリスちゃんを抱っこさ「だめです」せて」
マリアは威圧をソーマに放った!アリスを抱かせますか?
抱かせる ← ピッ
抱かせない
命の危険を感じたのでアリスを抱かさせてあげた…怖かった。やっぱり美人は怖かった…
「かーわいー。所でソーマ君。ダリスさんに何の用があったのかしら?」
アリスはきゃーきゃー言いながらマリアに抱かれている。
後ろにいる暇そうな冒険者はこっちに向かって親指立ててる…なんでやねん。
「あーそうそう。中古の服屋の場所と冒険者向けの家を紹介している所を聞こうと思って。宿代俺一人なら大丈夫だけど二人だと借りた方が安くなるかなーって」
「なるほどね。地図書いてあげるから少し待ってて。中古の服屋は…ここね。家の件はここでもできるけどどうする?」
「あーじゃあここで。 予算は…月に10万から20万って所ですかね」
「10万から20万ね…っと流石新人でも稼いでる子は違うわね。」
「え?稼いでる?俺が?いやいや、宿代だけで毎日5000マニいるんですよ?それ基準で考えた値段なんですけど」
「新人が宿に泊まってるってだけですごいじゃない。普通新人はギルドの斡旋した安い宿の大部屋よ?」
「え?そんなのあるんですか…?ダリスさんに最初から安らぎ亭紹介されたんですけど…」
「はー。何やってんのかしらあのポンコツマスターは…。帰ったらお仕置きね。10万から20万マニならー10件あるわね。条件とかあるかしら?」
「お仕置きしたら多分喜びますよ…。えー治安よくてー買い物便利でーこっから1時間以内の場所で。風呂あったら嬉しいなー程度で。あ、庭もあった方がいいかな。後アリス返してください」
「いやよ返さないわ。 えーっとそれだと1件ね。ここから30分くらいの場所ね。2階建てで部屋数が1階に4部屋、あ、台所込ね。で2階が3部屋。庭もあるわね。えーと馬車5台分くらいの広さかしらね。で、お風呂は付いてないわ。時間関係無くしたらあるけど似たり寄ったりの物件ね。値段は月に15万マニーね。どうする?」
「え?返してくださいよ。 あー…じゃあそこでお願いします。」
「いやよ。 ここでいいの?見なくていいのかしら」
「いやいや返してくださいよ。 あー見なくていいです。気に入らなかったらまた探しますよ。すぐ入れますか?」
「もうっ。しょうがないわね。はいアリスちゃんおにーちゃんの所に行ってあげて。あー可愛い。なでなで。
さすがに今日は無理ね。3日後に来て頂戴。案内するわ」
「おにーちゃーあーちゃんいいこしてたよー」
「そだねーあーちゃんいい子いい子ー。 わかりました。それでは3日後にまた来ます。あーちゃん服買いにいこーねー。じゃ、失礼しました。タバサさんにもよろしく言っといてください」
「わかったわ。アリスちゃんの服しっかり選ぶのよ」
マリアさんとの長い話も終わり俺は服屋へと向かう。ちなみにタバサさんは冒険者の受付しながらチラチラこっちを見てた。ちゃんと仕事しろ!
中古の服屋へ行って無難な服を買い宿へ戻る。アリスの服を3着。下着も3着買った。俺も1着だけ買っといた。俺のはいいんだ適当で。 その内ミシン作って自分で作りたい…たけーのよ服が!そんなこんなでアリスと仲良くなるために3日後の家が手に入るまで2人で遊びまくった。 その内積み木とか作ってあげよう。
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「アイーダさん1月ちょいですがお世話になりました。バロルさんも御飯美味しかったです」
「ましたー」
「寂しくなるねー。まぁ冒険者ってのはそんなもんさ。元気でやってくんだよ」
「飯ちゃんと食えよ」
うん。何この街出て行くみたいな流れ…バロルさん…安らぎ亭の旦那ね。言葉短かっ。
「いやいや!この街にいますよ!家借りたんですって!」
「おや…そうだったかい?とにかく元気でやんなよ」
「うむ。飯食えよ」
「よー」
ちなみに俺、アイーダさん、バロルさん、プリチーアリスの順番ね。
安らぎ亭…宿屋暮らし最後の日なので挨拶していたのである。
「んじゃ、お世話になりましたー」
「たー」
こうして、俺は宿屋暮らしを終えた。今日からは借家暮らしだ!アトレイユもとい、アリスとの借家生活が始まる!
ちなみにまだ家は見ていない。これが俺クオリティー!