第7話
あれから40年…なんて事はなく、1週間が過ぎた。薬草王子の名に負けず薬草を採り続けた俺は、収納100キロを手に入れていた。手にいてたっつってもナビレットでだけど…これでかなり楽ができた…。できたのはいいんだが…
「…どうするかな。ラビット狩りまくって持って行ってもどっから出したんだってなるし…。んー。収納増えたのはいいけど…困ったなぁ。肉屋にバラ売りでもするか?んー。取り敢えずダンジョン行ってラビット狩りまくって自力上げるかな」
そう決めた所で乗合馬車に乗ってパッカパッカとダンジョン入口へ行く。並んでるから待ちますか…。
「おう。ガキィ。まーたダンジョン来てんのかぁ?」
おっふ。前絡んできたやつじゃないですか。やだー。
「こんにちわ先輩。2階でちまちまやってますよ。安全第一なんで」
「2階っつーとラビットか。稼げねーだろ。ダンジョン行くの辞めて帰った方がいいんじゃねーか?」
「稼ぎの心配もしてくれるんですね。さすが先輩だ!…そうだ!先輩。素材とかどうやって持って帰ってるんです?ラビット倒しても持てて3匹で…」
「ばっかおめぇ…そりゃ収納袋だろ。まぁ貧乏人には買えねぇだろうがよ。俺は持ってるぞ。…これだ。100キロ入る優れもんだ。高ぇけどなぁ」
「はぁー…そんなのあるんですね。しかしさすが先輩!そんな高い物も持ってるんですね!」
「あったりめぇよー!所でお前名前なんっつーんだ?俺はダンってんだ」
さりげなく収納袋情報ゲット!自分で調べに行かない…それが俺クオリティー!
「ダンさんですか…俺はソーマって言います。あっ俺の番来たんで失礼しますね!」
「ソーマか。無理すんじゃねーぞ」
やだ!ツンデレなのあの人!?んー。絡んでくる最悪の人間かと思ったが…本当に心配してってパターンか?わからん…
しかし前回おだてまくってた時周りから拍手あったしなー…なんの拍手だったんだ?やっぱりわからん。まぁいい。ダンジョンに入りますか!
ドッタッドッタッ!
1階は走り抜けて速攻で2階へ。スライムはナイスシュートで壁に叩きつけました。ゴメンネ。
「さぁーて。2階でラビット倒しまくって自力上げますかー」
魔物倒すと魔素を吸収して強くなっていく。念の為に言っておこう。って訳で倒します。
「ウィンドスワロー!!」
「くらえ俺の槍ぃいい!!」
「俺の右手が火を噴くぜぇえ!!」
「ヒャッハー!!」
「またつまらぬ物を切った…」
なんて遊び心満載でラビットを屠っていく。そんなこんなで20匹仕留めてダンジョンを出て行く。2匹は普通に袋に入れて後はナビレットに収納だ。便利だねナビレット!
「すんませーん換金お願いしまーす」
「はいはい。こっちにお願いしますね。えー。ラビットの魔石ですと…1つ100マニですね。20個あるので2000マニですね。」
「…やっす。」
「はは。低階層の魔石ですからね。毛皮ありますか?1000マニで引き取りますよ。後、肉も1000マニで引き取ります」
「おぉ…そっちはなかなかの値段ですね。じゃあ…お願いします。」
そう言って袋の中からラビットを取り出す。
「おや?魔法の収納袋ですか?見ないタイプですね。」
「死んだ親の物なんでよくわからないんですよ…見た目普通ですしね。」
袋は貰い物って事にしておこう。本当はナビレットから出してるんだけど…
「親御さんの事は失礼しました。それでは毛皮は…ちょっと剥ぎ採りが上手くないので1つ500マニで、えー肉は…血抜きをしていませんね?こちらは1つ300マニです…。魔石と合わせて18000マニですね。お確かめください」
「うぅ…下手ですいません…血抜き…気をつけます」
血抜きとか知らんかったぁああああ!!皮剥ぎ汚いからわかるけども!うぬぬぬぬ!
今度からやってみようか…はぁ。帰ろ。
宿に帰って寝る前に窓から魔法をぶっぱなす。今の俺はウィンドスワローを7発前後撃つ事ができる。1月ちょいでこれは…早いのか遅いのか…早いんだと思いたい。初級の魔法なんだけどね…
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
今日はダンジョンへ行かずに森の方へ来ています。ゴブリン吸収してナビレットのマップに映したい。位置が分かれば安全だしね。さーて行くぞー!
「もりーをこーえーふふんふふーん」
毒消し草を採りながら探検。他にも何かないだろうか…。おっ。キノコ見つけた。これで俺もレベルアップだ!鑑定!
笑いダケ:食べると笑い続ける。
…ははは。
「んん。他に何かないかな?」
臭いダケ:刺激を与えると臭いニオイを出す
「くさ草とかぶってんよっ!!ろくなのねーなおいっ!!でも採っとく俺ステキ」
誰かに投げてやろう…ふふふ。
「ギャッギャッ」
!!ゴブリンだ!!俺はササッと木の裏に隠れる。しかし…あいつら…
「グギギギ」
ずっと何か言ってるな…おかげで位置がわかりやすいけど…馬鹿なのか?鑑定!
ゴブリン
年齢 10日
特徴 バカ
ゴブリン
年齢 15日
特徴 バカ
ゴブリン
年齢 10日
特徴 バカ
!!!バカしかいねぇ!!どんだけだよ!…さっき手に入れた臭いダケ足元に投げてやろう。
ポイッとな。
「ギッ?グギャギャ」
ここから実況入ります…ゴブリンさん達は足元に転がりこんできた臭いダケに興味深々です。3匹で小躍りしながら臭いダケを見ています。さぁどうするんでしょうか?というより転がって来たのに不思議に思わないんでしょうか?バカですね。
おーっと。1匹が臭いダケを…手に取ったー!興味深げに見ております…そしてー…臭いをかいだぁー!グギャー!とか言ってます!残りの2匹はそれを見て興奮してます。ちょっ!お前も嗅いでみろよ!みたいにしてます…それで臭いダケを受け取った1匹がー…嗅いだー!グギャーって言いながら地面で転げてます!
そこへー俺はー!
「ウィンドスワロー!ウィンドスワロー!ウィンドスワロー!」
魔法を放って速攻で近寄り槍で止めを刺しました。…臭いダケ使えるな…いや、ゴブリンがバカなだけか…。とりあえず吸収しとこうか…後2匹でゴブリンのナビゲットだし。
俺はさっきの臭いダケをナビレットに吸収しマップに表示させて臭いダケの回収をして、ゴブリンを見つけては臭いダケを投げてゴブリンが臭いを嗅いで転げまわってる内にこっそり近寄って槍で突いた。一応ゴブリン毎に鑑定をし、特徴がバカのやつだけにその方法で行動を起こした。ちなみに特徴がバカ以外の奴にまだであってない。ちょっと可哀想になったのはここだけの秘密だ。…狩ってるんだけどね…。
「ふぅー。バカしかいなくて助かったよ。ゴブリンの位置分かるようになったし…良しとしよう。結構奥まで来ちゃったな…街道まで出るか」
知らない内に結構奥まで来ていたらしく木々に日が遮られちょっと暗い。知らない魔物が居るかもしれないので警戒しながら街道を目指す。
来た道とは違うルートで行くか…ナビレットの地図は行った所しか映してくれんしな。そうこうしながら30分程経った時…遠くから何か聞こえてきた…なんだ?キンッキンッ!って聞こえるけど…誰か戦ってるのか?
俺は身を屈めながら近づいて行く…茂みに身を隠し音の鳴る方を見る。街道で誰かが戦ってるらしい…
「馬車が…襲われてるな…盗賊ってやつか?街から近いと思ってたけど…知らない内に俺は結構遠くまで来てたのか」
ナビレットのマップで自分の位置を確認したら結構遠くまで来てたらしい。森で近道したみたいな感じだ。
「護衛が押されてるな…盗賊の数が多いし…助けたいが…無理だな。今の俺じゃあ盗賊にすら勝てん。というか護衛より強いから…盗賊がかなり強いんだろう…見捨てるようだけど…ごめんな」
俺は来た道を引き返そうとした。その瞬間近くの茂みが揺れる! しまった!!こっちにも盗賊が潜んで居たのか!!背中から冷や汗が吹き出る…くそ!先制で魔法ぶっぱなすか!?他の奴に気付かれるかもしれない…どうする!?どうする!?
ガサガサ…ガサッ
出てきたのは血濡れの女だった。手元には…子供?を抱いている。馬車に乗ってた人か!?
「!!大丈夫ですか!?」
大丈夫じゃないだろうけど!!顔が真っ青じゃないか!…どこぞの貴族か!?服も俺みたいにボロいもんじゃないし…頭に…耳がある。獣人ってやつか。年齢は20代前半くらいか…人間に近いタイプの獣人なのか顔は人間だな…っとそんな事より!
「ポーションです!かけますよ!!」
俺は相手の返事を聞く前にナビレットからポーションを出し獣人の女性にかけた…かけたが…顔色も青いままだ。効いてないのか!?傷が深すぎなのか!?くそ!ラビット戦で腹にダメージ受けた時には治ったけど…どれくらいまで効果があるのかわからん!!もう一本ぶっかけるか!!
「もう一本かけますよ!!」
「こ…この子をお願いします…血を…流しすぎてるし…私はもうダメです…お願いです…この子を…この子をお願いします…」
くそっ!!どうにもならないのか!!俺の治癒魔法なんてポーションより効かないだろうし…くそっ!
「この子の…名前…は…はぁはぁ…アトレイユ・ミュン…いえ。タダのアトレイユです…この子を…お願い…します」
そう言って獣人の女性はアトレイユを俺に渡し、自分の服を引きちぎる。
「これで…お願いします…はぁはぁ…」
そう言って俺に何かを手渡してきた。…金貨3枚だ。服に仕込んでたのか。何かで読んだ事があるが貴族はもしもの時の為に服に仕込むってのを見たことがある気がする…
「こっちに血の跡があるぞぉお!!追ぇえ!」
!!盗賊がこっちにくる!?
「はっ…早く行って!!私はどっちにしろもうダメです!その子を…アトレイユをお願いします!」
獣人の女性は涙を流しながら言う。
「…助けれなくてすいません…この子は…任せてください…」
俺はダッシュでその場を離れる。後ろから…「お願いします…アトレイユ幸せにね…」って聞こえてきた…くそ!!護衛もっとつけとけよ!!
「くそったれ!最初から馬車を見捨てようとしたが…目の前でやられたら…たまらんわ!」
俺の存在が盗賊に感づかれてはないと思うが…確実に逃げ切る為にさっき託された金貨を使いナビレットの索敵を買う。アトレイユの為に使わなくてはいけないが…緊急事態だ。使わせてもらうぞ!
索敵を金貨1枚、100万マニーで購入し索敵機能を使う…自分から1キロの範囲でわかるみたいだ。俺の方に向かってくる奴は…居ないみたいだな。このままシルバードの街まで逃げ込もう。
森の中を魔物を避けながら走り抜け、そこからは歩きで街に向かう。
アトレイユは気絶しているのか眠っている。髪は赤色で俺と同じ色だ。頭からぴょこんと耳が出ている…犬…か?狼か?
わからん。俺の腕でも抱っこできる程小さいが…何歳だ? 鑑定!
アトレイユ・ミュンスター
年齢 3歳
うん…たぶん貴族だな。ミュンスターねぇ…知らん!母親が家名をワザと言わなかったから…渡して欲しくないのかな?…死に際に頼みごととか…ずるいだろう…。
俺は前世?で34歳だったけど子供は居なかった。28の時を結婚誓った相手も居たが…病気で亡くなった。それからは誰とも付き合う事なく生きたが…。3歳か…俺の娘として…育てるか?託されたし…。今10歳だからお兄ちゃんか?
あー。…どうやって稼ごうか…この子居たら…ダンジョンも行かれないぞ…小さいから離れられんし。
「ほんと…どうしよう…」
こうして俺とアトレイユの生活が始まった。