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第5話

 初ダンジョン…俺は緊張しながら入口からダンジョンへと入る。

 ダンジョンの入口には扉がありそこを開けてから入る。これは恐らく跡から作った人工物だろう。中から魔物が出ないようにしているのかもしれない。出てくるか知らんけど。


 ドッタドッタ!!有名なRPGの階段を上り下りする音をイメージしながら俺は地下一階へと降りた。


 このダンジョンは下へ下へ行くタイプのダンジョンだ。うん。外から見た感じそうだと思ってた。二階っぽいの見えなかったしな。


「さて…降りて来たはいいけどどうすっかな…適当にうろついてみるか。普通なら地図を書きながら行くんだろうけど…ナビレットのマップ機能があるから帰り道も迷う事ないし…とりあえず真っ直ぐ行ってみるか」


 ダンジョンの中は以外にも明るい。どうやら壁事態が光っているようだ。空気中の魔素を取り込み光るという魔光石というやつかな?街の街灯にもあるし。街の街灯の巨大版って事にしておこう。俺研究者じゃねぇし。


 俺はくだらない事を考えながら歩いていく。ダンジョンの一階にはスライムしか出ないらしい。順番待ちの時に聞いた。ナビマップにもスライムは映っている。狩っててよかったスライムちゃん!んだばダンジョン初戦闘する為にマップの光ってる所に行ってみますか!ダッシュダーシュダシュー!!

 

「見つけた!距離50m!(想像)いっくぜぇえええ!!」


 俺は走る!スライム目指して走る! スライムもこっちに気付いたのか固まってる!人を見たらビックリして固まるってのはダンジョンでも有効らしぃ!


「くらぇええええ!!」


 ぐちゃっ!! 


 俺の華麗な蹴りでスライムは飛んでいった。槍使わないのかって?スライムは弱いからこの方が早いのです。そして新品だから使いたくないのです。


「ふぅ…初戦闘しょーーりぃいい!見たか俺の華麗な蹴りを!あぁすばらしいのはわかってる。だがな…スライム!お前も強敵だったぞ!この俺に蹴りを出させたんだからな!!ぬっ!貴様どこへゆく!」


 ダンジョンでは魔物を倒して一定時間経つとダンジョンに吸収されるようになっているらしい。その確認をする為にタダ待つのもアレなんで一人寸劇をやっていた。んー。吸収されていくの見るのは不思議な感じがするな。


「お?何か残ったぞ?これは…魔石というやつか?外だとスライムの死体しか残らなかったからなぁ…この魔石にダンジョンの魔素が集まってスライムができるのかな?知らんけど」


 そういう事にしておこう。んだばスライム狩りの始まりだぁああ!!ダッシュダーシュダシュー!






☆★☆★☆★☆★☆★☆




「ふぅー。結構やったな。どんだけ魔石集まったかな?…99個か…後一匹倒したら今日はもう帰るかな。こんなけあれば結構な金になるだろ」


 ザシュ!! 


 っしこれで100個!途中から蹴りじゃなく槍使ってました。槍にも慣れないといけないしな。んー。しかしこの階層俺以外だーれも居ないな。まっ帰りますか。

 こうして俺は初ダンジョンを無事に終えた。


 ダンジョンを出てすぐの所に換金所がある。ここでダンジョンの魔石などを買い取ってくれるんだな。順番を待ち俺の番がきた。


「換金お願いしまーす」

「はい。ではこちらに素材など出してください。」


 俺は袋から魔石を出した。収納は見られたくないしね。


「たくさんありますね…スライムの魔石ですね。…こちらが換金した金額ですお受け取りください」

「スライムってわかるんですね…。えっ…2000マニって…少くないですか?」


 マニってのはこの国の通貨で2000マニってのは大銅貨2枚だ。銀貨とか金貨とかで数えてたら訳わからなくなるから脳内変換したと思ってくれ。


 以前女神様が言っていたのをおさらいしよう。鉄貨は言ってなかったけど。



 鉄貨  1マニ


 銅貨  100マニ


 大銅貨 1000マニ


 銀貨  1万マニ


 大銀貨 10万マニ


 金貨  100万マニ


 大金貨 1000万マニ


 白銀貨 1億マニ



 まぁこんな感じだ。薬草で1月に90万マニ稼いだ俺…薬草成金になりかけてたな…つか武器高すぎだよな…鉄の槍と革の胸当てとナイフで80万て…ぬぅうう!


「スライムの魔石は低級の魔石ですからね…5個で100マニです。それとなぜ分かったかというと、この鑑定台に乗せるとどの魔石か分かるんですよ。魔道具ってやつですね」

「のぉおお!!頑張って集めてこれだけとか…宿代にもなりゃしない…スライム弱いけどさぁあああ…どうりで人居なかったはずだよぉおおお」

「ダンジョンを潜って行けばそれなりに稼げますよ。1日100万マニも十分いけます」


 はっ!なんだこの頑張ればあなたも稼げますよトークは!危ないセールストークじゃないか…


「100万ですか…夢が広がりますね!」

「まあ…そこまで稼げる様になる前に結構死にますけどね。ははは」

「軽いよ!重い話が軽いよ!!んん…まぁ程々に頑張ります」

「死なないように頑張って稼いでくださいね」


 こうして毒舌?な換金所の人と話終え…俺は宿に向かうのであった。


「はぁ…安らぎ亭まで歩いて2時間か…遠いな…こっちの宿に替えようかな…ん?あれは?」

「南門方面行きの人はいないかー定員後1名だぞー」


 なんと!?馬車が出ているではないか!なぜ気づかなかったんだ俺のバカバカ!!


「すいませーん!乗りまーす!で、いくらですか?お高いんでしょう?」

「どこのマダムだ!っと…南門まで500マニだ。」

「ははっノリいいですね。はい500マニ。ではお願いします」


 聞いてくれ!俺…初めて馬車に乗るんだ!ワクワクする!






 なんか起こる訳でもなく馬車に乗って南門に着きました。馬車で尻が大変な事に!!って事も無く。相乗りしてる人に話しかけられる事もなく…淡々と南門に着きました。少し寂しいです。尻が大丈夫なのは街中の道はガタガタしてないからだと思います…ふぅ。宿の隣の部屋の人でもからかおうかしら…


「ただいまー」

「おやおかえり初ダンジョンだったかい?どうだった?」

「いやー聞いてくださいよアイーダさん。初ダンジョンで張り切ってスライム倒しまくったのに稼いだのたったの2000マニですよ。薬草集めてた方が金になりますよ…」

「スライムは子供でも倒せる魔物だからねぇ…まぁ無理はしなさんな。晩御飯食べるだろ?」

「はぁー。食べます。肉は大きめでお願いします。」

「あいよ。取り敢えず部屋に荷物おいて来てな。その間に準備しとくよ」

「へーい」


 この宿に来てから1ヶ月。さすがに宿の人の名前は覚えた。恰幅のいい女将さんがアイーダさんで、料理担当のバルロさんが旦那さんだ。風呂は無いけど居心地はなかなかいいんだよねー。毎日5000マニはきついけど…


 飯を食って部屋に戻る…いつものごとく魔力操作の練習して魔法の練習してから寝るかな。





☆★☆★☆★☆★☆★☆★




 次の日南門から馬車に乗ってダンジョンへやってきた。ダンジョンの入口で順番待ち…この時間だるいんだよねー。


「なんだぁーガキがダンジョン入ってんじゃねーぞ。どけどけ!」


 うわぁ…この街でこういう奴等見るの初めてだよ…いるんだよな。絡まれたやつ可哀想だな。


「おいガキ無視してんじゃねーぞ」


 うるせぇなぁ。誰よ絡まれてるやつ。周りを見渡す…ん?これは…まさか…


「おい!お前だよ赤髪のガキ!」

「俺かぁあああ!!違う奴だと思ったのに俺かぁあああ!!くそぉおお!!」

 

 なんで俺なんだよ!こんな弱々しいプリチーな俺に絡むなよ…周りの人もまたかよ…みたいな顔で見てるし…


「何言ってんだおめぇ。ガキはママのおっぱいでも飲んで家で寝てろ!ガキの遊び場じゃねーんだぞ!」


 くそ。誰も助けに来ようとしない…わざわざトラブルに飛び込む奴もいないか…高ランクの冒険者が颯爽と助けに来るとかないのかよ! 仕方がない…やるぜ…やってやるぜ!!


「どうしました先輩。」

 

 ここで振り返り…キラキラした目で見るんだ!今の俺はイケメン!しかも10歳!保護欲を刺激しろ!畳み掛けるぞ!


「せ…先輩!そのカッコいい装備どこで買ったんですか!?カッコいいっすね!うわぁあ俺も先輩みたいにカッコいい装備欲しいなー憧れるなーどうやったらそんなカッコよく慣れるんですか?え!?最初から?ですよねー!さっきの家に帰れって言うのも俺を心配してくれて言ってくれたんですよね?…なんてできた先輩なんだ!!ママのおっぱい吸ってろってのも子供はもっと親に甘えていいんだぞって事ですよね!すごい!親の気持ちもわかってる!先輩が親になった時子供は幸せだろうなー!こんな素敵なお父さん!俺も先輩みたいな人に慣れるようにダンジョンで頑張りますね!!」


 秘技!不良に絡まれたら褒めまくる!


「お?おお?おー…なんか飲みもん飲むか?何か買ってやるぞ?」


 こうなる。戸惑いながらニコニコしてるぞ…ふぅ…なんとかなった。戦ったらボコボコにされる所だったよ。帰ったふりしてもよかったが…


「いいんですか!?でもすぐに俺の番なので…お気遣いありがとうございます先輩!」

「お?おう…ケガすんじゃねえぞ」


 デレたぁあ!!周りの人も拍手してるよ…そんなんせずに助けろよ!いたいけな子供だぞこっちは!中身はオッサンだけどなぁ!



 さてさて順番も来たしダンジョンに行きますかね!


「やって来ましたダンジョン2回目!今日は2階層を目指しますかな。昨日下へ行く階段見つけたしな」


 ナビのマップで確認しながら下層へ行く階段に向かっていく。途中で出会ったスライムはさっきのストレスを晴らすように蹴りで仕留める。


「あほぉおお!!」

「ぼけぇええ!!」

「どりゃああ!!」


 サクサクっとスライムを倒し適度にストレス発散!ごめんねスライムちゃん!さて階段見つけたし下に降りますか!



 ドッタドッタッ!


 

 やって来ました2階層!この階層に出るのはラビットだ。角無しだから何とかなると思うが油断はしない。頭突きでも打ち所悪ければ大変な事になるだろうしな… 


「取り敢えず左周りから行くかな…ラビットは吸収してないからナビレットのマップに映らないから気をつけよう」


 歩く事3分…見つけた…まだこっちに気付いてないな…ふぅ…落ち着け。できる。俺はできる!よし!


「うぁああああああ!!!」


 自分に気合入れる!大声にビックリしたのかラビットは硬直してる!いける!槍を引いて一気に突き出す!!


「くらぇえええ!!」


 ドスっ!!!


「ピッ!!」


 可愛らしい鳴き声を出してラビットは床に倒れる。やった…やったぞ。


「ふぅ…ふぅ…気持ちわりぃ…手に感触が…スライムの時とは違うな…魔物ってより愛玩動物に見えるし…慣れんとな…この世界でやっていくんだ…頑張れ俺!」


 スライムとは違う手応えに戸惑った。生き物を殺す感触か…折り合いつけなきゃな。ふぅ。ダンジョンに吸収される前に解体するか…


 ザシュッ…ザシュッ…


 手が震える。吐き気もすごい…皮剥ぎなんてメチャクチャだ。でも…


「やらなきゃ…な。あー…だめだ。うげぇえええ…」


 吐いた…日本に居た時もこんな事した事ないし当たり前っちゃあ当たり前か…あー気持ちわりぃ。鳥肌もとまらん…


「あ゛ーー!!くそ!!」


 剥ぎ取り中にラビットがダンジョンに吸収される事もなく初めての剥ぎ取りは終わった。ナビレットに収納しておくか。魔石に肉に皮。皮はボロボロだけどな…。


「次…行くか…」


 今日は帰ろうかと思ったが…ここで帰ったらもうできなくなってしまいそうだから無理にでも行く。魔物が強い訳ではないから…やるぜ! ダンジョンを歩き次のラビットを探す。…居た。やるぞ…前に…進め!


「おらぁあああああ!!!」


 最初と同じ様に気合入れと相手への硬直を狙い大声を出す。ラビットは大声にビックリして硬直してる。イケるぞ!!


「くぅうらえぇえええ!!」


俺は槍を握り締め突きを放つ!!


 ドッ!


 しまった!手が震えて狙いとは違う所に!胴に掠める感じに槍が当たる。クソッ!ラビットも硬直から立ち直り俺目掛けて頭突きを放つ!


 ゴッ!


「ぐぼぉお!」


 槍で仕留めれ無くて動揺していた俺にラビットの頭突きが腹に!ラビットの可愛い見た目では想像できないかなりの衝撃が!痛てぇ…うんちっちしたかったら出てたぞちくしょう!


「はぁ…はぁ…フッ!!」


 息を短く切りもう一度突く!!


 ドッ!!


「ピィイイ」


 今度こそ胴に深く槍が突き刺さる!断末魔と共にラビットは床に倒れた。なんとか倒せた。初撃で仕留めれず動揺した為に苦戦したが…いい経験になった。戦闘中に動揺しないようにしなければな…ふぅ。解体するか。


 ザシュッ…ザシュッ!


 今度はさっきと違い吐き気も無い。少しは慣れたんだろうか?異世界補正ってやつか?慣れるのが早いし…きっとそうなんだろう。心が壊れない様にしてくれてるのかもしれない。そうだとしたら神に感謝だ。


 あんまり上手くない剥ぎ取りを終え、ポーションを使う。ポーションを使うのは初めてだ。この程度で使うのはもったいないかもしれないが安全第一だ。どれくらい回復するかも試したいしな。


「ゴクッゴクッ…うん。くっそまじぃ…。まじぃが…腹の痛みは消えた。すげーなポーション。ファンタジー万歳だな。これで低級だから上級とか…腕生えたりするのかな?」


 腹の痛みも消えた所で次のラビットを探す。この日は後5匹程ラビットを倒して帰還した。落ち着いて戦えば苦戦する事もなかった。





 まだまだ俺のダンジョン生活は続く…





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